DUMB TYPE 

AUDIO VISUAL LIVE 2022:remix

NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]ギャラリーA

2023年3月11日(土)


 

初台のICCで行われたダムタイプのライブを見に行ってきました。

 

 

ライブと言っても、展示スペースのギャラリーAに椅子を並べ、スクリーンに映像を映す上映形式です。

 

内容は2022年ヴェネチアビエンナーレの出展作品を映像作品にまとめ直したものです。ナレーションは無し、BGM無し、効果音ありで、イメージの連続で構成しています。

 

アーティゾン美術館の展覧会で作品を見ていなければ、内容を理解できなかったと思います。ですから始めにこちらを読んで頂いた方がわかりやすいかと。

 

 

 

白い壁に黒い正方形のスクリーンが設置されています。この黒いスクリーンに映像が映りますが、映像によっては壁全体にも、映像が広がります。撮影はNGですので、ここからは私の拙い文章で作品を説明します。

 

 

英語による短い問いかけから、始まります。

What is the Earth?
What is a Continent?
Who governs a Kingdom?
  :

おそらくは1850年代の地理の教科書に載っていたものからの抜粋です。

 

魚眼レンズで撮影した円い空の映像が画面いっぱいに映ります。雲が流れちぎれていく動きをダイナミックに捉えています。

 

世界各地の定点映像が次々と流れます。街の景色が多く、時々山など自然の景色もありました。テロップは入りませんので場所はわかりません。

 

真っ黒な地に白い線で描かれた世界各地の地図が次々と映ります。これはアーティゾン美術館の展示室の中央のディスプレイで流していたものと同じでした。

 

世界各地の映像を背景に、小さな文字の英文が打ち出されます。タイプライターのように一文字ずつドラムの音がつき、機関銃や砲撃の音にも聞こえます。

 

漆黒の空間に大量の英単語が浮かび、流れて行きます。意味の近いものがまとまり何らかの相関に基づいているようです。アーティゾン美術館の小さい展示室に設置されていた映像でした。

 

重低音をバックに抽象的な映像が続きます。いくつかの風景を合成しているようです。森を歩く人たち映像が印象に残りました。

 

白い正方形が光り、発作をおこしそうな激しい点滅を繰り返し、重低音、ノイズ、が大音量で響きます。クライマックスです。

 

音と映像の刺激が最大となったところで、パッと全てがOFFとなり、静寂と闇が会場を満たします。

 

映像を文字で説明するのはしんどいです。敢えて解釈を添えないでおきました。内容をもう少し理解したい方は繰り返しになりますが、アーティゾン美術館の展覧会のコラムを読んでください。前回のコラムです。

 

さて、このライブは展示作品を映像化したものでした。内容はシンプルに言えば、世界のあり様、国際情勢についての鑑賞者への問いかけです。作り手の主張は盛り込まれていないと私は考えますが、メッセージを感じ方もいるでしょう。


両方見た感想は、やはりインスタレーションの方がいい。映像は見逃したら終わりです。映画、ドラマ、ドキュメントと比べれば、現代アートの映像作品は説明的な要素を避ける傾向にあるので、流れが分かりにくい。ライブ映像は音や光の刺激が強めの演出でしたが、それでも私は少し眠かった。


インスタレーションは理解するために自分で動いて、見て、読みとることを求められますが、能動的な鑑賞ですから理解は深まりますし身体にもイメージが残ります。


始めからライブ作品として作っていたら、全く別のものになっていたでしょう。


そんな視点も短期間に展示とライブを両方見ることができたからで、まとめて考えればとても有意義でした。


機会があればまた見に行くつもりです。



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