伊勢佐木町――その地名は全国的に有名だ。とりわけ50代以上の人にはほとんど認知されているのではないだろうか。かつて、この街は東京・銀座をも凌ぐ大繁華街だった。もはや「日本一の商店街」だったといっても過言ではない。


いまのようにレジャーが多様化していない時代、街には芝居小屋が林立し、その後は映画館が立ち並ぶ。わが国屈指のレジャータウンだったのだ。ショッピングするにも事欠かない。いくつもの百貨店が軒を並べ、終日、買い物客で賑わった。それほどここは戦前戦後をとおして“全国ブランド”の街だったのだ。


そんな古き良き時代は昭和30年代ごろまで続く。だが、時が経つにつれ周辺のエリアが近代化していくと相対的にこの街は徐々に活力をなくしていった…。

以後、数回にわたり全国的な知名度を誇る「伊勢佐木町」をモデルケースとして、“街”のあり方について勝手気ままに追究していく。

横浜開港150周年を記念して開催されている「開国博Y150」も
残すところ2週間となった。その入場者数が、開催前に主催者が
計画していた数の15%程度しか入っていないという。

有料となるパビリオン内の企画・構成が貧困ということもあろう。
しかし、それだけでない。日常的なヨコハマ自体に魅力がある
からだといえないだろうか。

どういうことかというと――
通常、万博などのイベントを開催した場合、そこを訪れる人々は
100%パビリオンでの催しや、そこに施された精巧な仕掛けとか
モニュメントなどを観にやってくる。だが、この開国博では違った。

いままでヨコハマには来たことがない、ほとんど来ないという人は開国博をやっているというのでヨコハマにやってきた。

桜木町駅やみなとみらい駅で電車を降り、いざ会場に来てみると、お金を払ってまでパビリオン内に入らなくても結構楽しいところではないかとの印象を抱いた。

そして、会場近くにある「赤レンガパーク」をはじめ、新興都市の「みなとみらい地区」「象の鼻パーク」「大桟橋ふ頭」、さらには開港プロムナードを少し歩いたところには「山下公園」があり、その近くには「元町」と「中華街」が待ち受ける。

また、小高い丘を登れば高級住宅が立ち並ぶ「山手地区」があり、少し歩くと風光明媚な「港の見える丘公園」にたどり着く。そのほかにも「日本大通り」や「馬車道」など、ここヨコハマでの見どころは事欠かない。

なにも、お金を払ってパビリオンに入らなくともヨコハマという街は素敵な名所がいくつもあるのだ。

万博など期間限定のテーマパークはそれが終われば“祭りの後”、もう人は来ない。だが、「開国博」をきっかけとして数多くの人がヨコハマにやってきた。有料の会場にはあまり足を運ばなかったがこの街に来た人はヨコハマ自体の魅力に惹かれてまた訪れる。

不評の「開国博」も、これまでヨコハマの良さを知らなかった人々をひきつける絶好の契機となったはずだ。

9月に入ってすぐに「神戸」を旅してきた。今週のことだ。といっても、神戸に行くのが旅の目的だったわけではない。

拙者はコテコテの大阪がもともと好きな街であり、年に数回は出かけているだろうか。少なくとも年に1回は訪れる。そんなことがもう10年ぐらい続いている。仕事で大阪出張するのは別だ。そんなに大阪へ出かけることが多いのなら、この際、隣接する大都市・神戸にも足を延ばしてみようと考えた。2年前のことだ。

神戸は歴史ある港町として、なにかと横浜と比較される。最近、“ヨコハマの本”を上梓した拙者としては、そんな神戸も見ておきたい。

というわけで、2年前から、大阪へ行ったときには神戸にも足を運んでいる。すでに4~5回を数える。
さて、横浜と神戸はどこが似ているのか――。あくまでも表面的なところだけの観察にすぎないが・・・

小高い丘を登ったところには瀟洒な住宅地が臨める。北野(神戸)と山手(横浜)だ。高台を下りていくと、元町と中華街があり、その呼称まで両者は共通する。さらに下るとポートタワー(神戸)とマリンタワー(横浜)がそびえたつ海が広がる。そこへ行く途中には西洋文化の名残を漂わす旧外人居留地が存在する。

このように両都市にはいろんな共通点があり、だから並び称されて語られるのだろう。だが、共通する両者を一つずつ比較していくと、いずれもが横浜に軍配が上がる… と感ずるのだが、それは偏った見方なのだろうか~???