「後は、備えるだけ…組織(かれら)の…大きな…動きに…」


今回はRUM考察⑤「大事とは何を意味するのか?」について書きます。


以下の6パートに分けて書きました。


1. 『大事』は「公安警察vs黒の組織」

2. 『大事』で公安警察と黒の組織は何を対決するのか?

3. 黒の組織のアマンダ・ヒューズ殺害目的

4. 『大事』の内容
5. 作中描写を読み解く
6. おまけ


 ※今回の考察は以下の3つのブログで書いた考察内容が前提になっています。






1. 『大事』は「公安警察vs黒の組織」



作中で語られた2つの『大事』


95~96巻「標的は警視庁交通部」にて

黒田「大事の前だ…余計な火は消しておくに越した事はないからな…」


100巻「黒の組織vsFBI 海猿島の攻防戦」にて

ジン「ああ…大事の前だ…邪魔なハエ共は一匹でも多く…」


このように原作においては二度、『大事』という用語が登場しており、公安にとっても組織にとってもこの後『大事』が待ち受けている事が描かれています。


今回はこの『大事』の内容を具体的に考察します。



黒田のセリフの意図


まずは、

黒田「大事の前だ…余計な火は消しておくに越した事はないからな…」

の発言意図を考えたいと思います。


団体や組織に死傷者が出る=団体や組織の戦力低下という認識

100巻「容疑者は指名手配犯」より

コナン「(10人以上の死傷者を出した為…FBI本部から体制を立て直す理由で帰還命令が出て…かなりの人数の捜査官が本国(アメリカ)に戻ったようだが…)」というセリフがありました。


このセリフから、コナンの世界観では

(FBI,CIA,公安,MI6といった)組織や団体のメンバーに犠牲者が出る=組織の戦力低下を意味する

と理解しておく必要があります。


◆黒田のセリフ

この理解の基で、95~96巻「標的は警視庁交通部」では「警察官連続殺害事件」が起こっていた事を踏まえると、「日本警察のメンバーが殺される=日本警察の戦力低下を意味する」と解釈できます。


すなわち、黒田のセリフは

「(女性)警察官連続殺害事件が直接(公安含めた)警察組織の戦力低下につながり、この"警察組織の戦力低下"が大事に悪影響を及ぼす。従って、警察官連続殺害事件を早く収拾つけたい」

という発言意図だったという事になります。



公安の言う『大事』は組織との対決を表すと考えるのが自然


以上より

『大事において、警察組織は戦力をしっかり維持しておかなければならない』

と言えます。


黒の組織について、SDB BLACK+には(NOCについて言及しているページにて)

「彼ら(NOC)の任務は、国家間での情報収集。国ではなく、『組織』に潜入するのは異例だ。黒ずくめの組織は、『敵対国家』並みに危険で強大な勢力を力を持っているといえる。」

とあり『大事』が「公安警察vs黒の組織」なのだとすれば、警察組織が十分な戦力を保持しようとしている事に納得がいきます。


公安サイドと黒の組織サイドで共に『大事』という表現を使っているから、というメタ的な要素も含めて、公安の『大事』=黒の組織側の『大事』=『黒の組織vs公安警察』と考えた上で考察していくのが最も妥当だと思います。



FBI連続殺害事件を描いた意味


『大事』=「公安警察vs黒の組織『なのだとすると、


『10人以上の死傷者が出たためFBI本部から体制を立て直す理由で帰還命令が出てかなりの人数の捜査官がアメリカに戻った』

という設定にも意味があったと考えられます。


その意味とは、『大事』はあくまで"公安警察"と黒の組織の対決であり、FBIはその対決には基本的に関与させない。その為のセッティングではないでしょうか?


すなわち、「FBI連続殺害事件」は、『100巻記念で大きめの組織回』をやりつつ、同時にこれから描く大事のためのセッティングも兼ねてのものだったと見ています。



組織の中で起こっている大変な事


連載20周年を祝う「ダ・ウィンチ5月号」にて、青山先生は以下のようなコメントを残しておられたようです。


    

「(不老不死は)違います。確かにそう思っちゃうよね。今ね、組織の中では大変なことが起こっていますよ。」


この頃、私は今ほどコナンへの情熱が高くなかったので、この当時の詳しい事はわかりませんが、20周年という事は単行本は89巻ぐらいになります。


RUM編が始まったのは85巻なので、この発言はRUM編真っ只中orRUM編開始直前時のものという事になります。従って、私的にはこの『組織内で起こっている大変な事』も『大事』に関連しているのかなと考えています。



優作の言う『組織の大きな動き』とは?


さらに、98~99巻「工藤優作の実況推理ショー」より

優作「後は、備えるだけ…組織(かれら)の…大きな…動きに…」

というセリフも『大事』を表していると考えてよいでしょう。


一見すると、この"大きな動き"は「FBI連続殺害事件」の事を示しているようにも見えますが、それは違いますね。


なぜなら、

ジェイムズ「発端は3日前…アーロンという捜査官が組織の1人を尾行中に消息を絶ち翌日 遺体で発見されたんだが…その後、一昨日、昨日とたて続けに待ち合わせ場所に組織に待ち伏せられてねぇ…」


とあるように、FBI連続殺害事件は予期していなかった事態である事が描写されており、『大事』を予期している優作の発言と矛盾するからです。



啄木鳥会


もう1つ気になるのは啄木鳥会です。黒田がわざわざ出向いた(と考えられる)長野に存在していた拳銃密輸組織であり、私は楠田陸道の拳銃の入手ルートに啄木鳥会が関わっていると思っています。


RUM編が始まった85巻「緋色の真相」で、公安警察に「楠田の拳銃の入手ルートを調べれば何かわかるかも」というセリフがあるので、啄木鳥会もRUM編を考察する上で1つのヒントになるかもしれませんね。



以上をまとめると、

・黒田の『大事』=黒の組織の『大事』で、この『大事』では公安警察vs黒の組織が描かれる

・優作達は組織が『大きな動き』を起こそうとしている事を知っており、この"大きな動き"こそ『大事』を表している

・組織内で今起こっている『大変な事』が『大事』に関連している。 


これらを前提にして考察を進めていきます。




2.  『大事』で公安警察と黒の組織は何を対決するのか?



『大事』が公安警察vs黒の組織なのだとすれば、具体的に何を対決するのでしょうか…?


これは完全にノーヒントと言っていいレベルで情報が少ないため、どういう切り口で考察を切り開いていくか難しいのですが、私は

◆公安警察の仕事内容

◆アマンダ殺害事件との対比

の2点から考察を進める事にしました。


後者については、3.で言及します。



公安警察の仕事内容


公安警察の仕事内容はもちろん、日本を守るために諜報活動を行う事でしょうが、そんな漠然とした内容では全く考察のヒントになりません。


具体的に、日本を守るためにどんな事をしているのか…その手段の部分をもっと知る必要があります。というわけで、例によってGoogle先生に頼って考察のタネになりそうな情報を集めました笑


気になったのが組織犯罪対策課についての記述です。(組織犯罪対策課と公安警察は別物ですが、考察のヒントになる内容だと思いました)


【暴力団、不良外国人、薬物・銃器の密輸・密売グループなどの犯罪組織は、相互に結び付きを強めながら、殺人・強盗などの凶悪犯罪をはじめとする様々な犯罪に関係し、都民の平穏な生活を脅かしています。

こうした組織犯罪に関する情報・対策の一元化を図り、犯罪の種類を問わず横断的、総合的に犯罪組織を取り締まるのが組織犯罪対策部です。

犯罪組織の実態解明を進め、特に資金源の根絶に重点を置いた取締りを強化して、犯罪組織の弱体化および壊滅を図っています。】


この記述から対犯罪組織策は"資金源の根絶"に重点を置いている事がわかりました。


という事は、コナン界における公安警察も黒の組織に対して資金源の根絶を積極的に行っている可能性が考えられます。



黒の組織の資金源は何なのか?


そこで、まず黒の組織の資金源が何なのかに迫ります。


SDB BLACK+にて

「組織が行う犯罪では、一度に数億の金が動くのは当たり前。その巨額な金がおそらく組織の資金源となっている。裏社会において、組織は食物連鎖の最上位に君臨する捕食者なのだ。」


とある事から、1巻のように弱みを握って大金を脅し取る手口で資金を得るのが1つの手口なのは間違いなさそうです。


そしてもう1つ、私は『資産家からの出資』が、組織の資金源の1つになっていると考えています。なんで資産家が黒の組織に金出すの?って言われるでしょうから、ここで『組織が美國島に行った目的』の考察を述べたいと思います。



黒の組織が美國島に行った目的


28巻「そして人魚はいなくなった」で記帳名簿よりジン,ウォッカ,シェリーが美國島に訪れた事が描かれており、青山先生自身がSDBでこれが伏線であると明言されています。


この目的を考察するヒントは

・美國島には財界の大物がたくさん訪れていた事

・黒の組織は何らかの目的のために何らかの研究を行っている事

の2点で、これらを踏まえると、組織が美國島に行った目的は『財界の大物などに接触し、組織が行っている研究を売り込み、研究に出資させるため』だと考えられます。


不老不死の命様で知られる美國島に出向いた資産家や経済界の大物は不老不死に憧れを抱いていたでしょうし、黒の組織の目的には不老不死に近い側面があると考えられますから、組織の研究に興味を持つ資産家や財界の大物もたくさんいたでしょう。


そういった資産家などをターゲットとして組織の研究に興味を持たせ出資させる、そう考えれば"永遠の美貌を欲しがるタマじゃない"宮野志保がじきじきに美國島に出向いた事も納得がいきます。


※「組織の研究」と書いていますが、正確には「"組織が実効支配している" 会社が行っている研究」です。そして、その"会社"とは烏丸グループに所属する会社を指しています。この辺りは"黒の組織の実態"というテーマでまた別に考察ブログで言及しようと思います。



というわけで、「公安警察の仕事内容」という観点から考察を切り開いていった結果、

『公安警察は黒の組織の大きな資金源になっている資産家(もしくは経済界の大物)の財産差し押えをしようとしている』

のではないか、という暫定的な結論を得ました。


しかし、この結論だと説明できない事項が多く残っています。決定的な問題点は、国際的な犯罪組織が日本の資産家1人から資金援助が絶たれたぐらいで"大変な事"に陥るか?という事です。資金援助が絶たれたぐらいでRUMが動くのか?も疑問です。


さらに言えば、財産差押えが「大変な事」の内容の考察になっていたとしても、『大事』の考察にはなっていません。


というわけでまだまだ説明不足なので、以下で『アマンダ殺害事件との対比』から、考察をしていきます。




3. 黒の組織のアマンダ・ヒューズ殺害目的



17年前と現在の共通点


私の考察を読んで頂いている方はわかるかと思いますが、私は17年前の羽田浩司殺害事件当時、FBI+CIA(+黒田)vs黒の組織があったのではないかと考えています。この関係性は現在軸でいう所の公安警察vs黒の組織の構図と同じです。


また、17年前に出て来たアマンダや羽田家といった資産家も、現在軸では大岡家が出て来ており、NO.2のRUMが動いている、という共通点もあります。


これらの共通点を踏まえると、17年前に起こったアマンダ+羽田浩司殺害事件と同じような出来事が現在軸で、もう一度起ころうとしているのではないかと考える事ができます。



17年前にも組織の資金源撲滅作戦が行われたと仮定


そこで一旦、2. の考察を17年前にも当てはめてみましょう。


すると、

『17年前はFBI,CIAが、黒の組織に出資している資産家の1人であったアマンダの財産を差し押さえるなどして、組織の資金源を大規模に絶とうとしていた。』

という事になります。


しかしこの解釈だと、アマンダとFBI,CIAは対立関係という事になってしまい、作中情報『アマンダはFBI,CIAに顔が利く人物だった』という内容と矛盾します。


また、アマンダは黒の組織に殺害されたのは恐らく確定なので、むしろ黒の組織と対立の関係にあったと考えるべきでしょう。


従って、この解釈を改変&発展させて作中描写に矛盾しない説明を模索します。



組織に出資=組織の仲間とは言えない


まず、美國島の一件について補足説明があります。既に書きましたように、組織が美國島に行った目的は『財界の大物などに接触し、組織が行っている研究を売り込み、研究に出資させるため』だと考えられます。


組織の一員として研究を行っていた灰原がAPTXについて「毒なんて作ってるつもりはなかった」と言っていた事からも、組織が行っている研究は一見すると"悪"には見えないようなものだと考えられます。(むしろロマンのある研究とも捉えられる?)


つまり、美國島で組織に研究を売り込まれ出資する事を決めた資産家が必ずしも黒の組織サイドに染まってるとは言えないという事です。言い換えれば、組織に騙されて(善の団体だと思い込んで)出資してしまっているような人も大勢いたはずです(ていうか、ほとんどがそうだったと思う)。


実際に宮野夫妻もそんな感じでしたよね。始めは『厚司の研究をバックアップしてあげる』という風に話を持ち掛けておき(95巻「迷宮カクテル」)、最終的には四六時中組織の管理下に置く状態にまで持っていった(41巻「トイレに隠した秘密」)事が描かれていました


従って『組織の研究に出資する=組織の人間』とは言い切れず、『アマンダは黒の組織の人間ではないが、組織の口車に乗せられて組織に出資していた』可能性が考えられます。


もしアマンダがそういった"組織に騙された"人物の1人なのだとすれば、上で書いた「FBI,CIAがアマンダの資産を差し押さえようとした」という部分の解釈も変わってきます。新たな解釈を時系列順に書きます↓


①黒の組織は、元々FBI,CIAに顔が利く資産家であったアマンダに目を付け、(美國島で行っているように)黒の組織の研究を売り込む。(その会社は表向きにはまともな会社だが、実際には烏丸グループの息の根がかかった会社)


②組織は口車に乗せてアマンダに出資させます(アマンダがその会社のスポンサーになる事を申し出るように仕向ける)。


③一方、FBI,CIAも黒の組織の実態を追う内に烏丸グループの実態や、アマンダがスポンサーとなった会社が烏丸グループの息の根がかかった会社である事を突き止める。


<以下、RUM編考察①「若狭留美の過去を考察する」につながる>


④しかし、その会社を不正を暴くためには証拠が必要。黒の組織の会社であるだけに、不正は極めて巧妙に行われており、その証拠を掴むことができない。そこで、アマンダをFBI,CIAの協力者として、アマンダを利用(FBI,CIAから黒の組織への逆スパイに)してその会社の不正の証拠を掴む作戦を取ることにした。


このようなストーリーだとすれば、「アマンダは黒の組織に資金援助をしている」が、「アマンダは黒の組織の敵対勢力側の人間である」という事実と矛盾しない説明になります。



組織がアマンダに接触した意図


もう1つ考察したいポイントは「アマンダが黒の組織にとってどういう存在だったか?」です。


私のブログを読んで頂いている方は御存じだと思いますが、私はアマンダのボディーガードの浅香は、組織が送り込んだスパイだったと考察しています。


スパイを送る事はそれだけリスクがあるはずなので、そのリスクをおってもアマンダにスパイを接触させたという事は、アマンダがそれだけ黒の組織から見て重要な存在だったという事を意味しているのではないでしょうか?


FBI,CIAに顔が効く

まず、アマンダがFBI,CIAに顔が利く人物だった事は組織にとっても大きな意味を持っていたと思います。


アマンダを完全に黒の組織側に抱き込んでしまえば、アマンダの口添えでFBI,CIAの動きに圧力をかけたりする事ができるでしょう。


組織の勢力拡大の重要なピースだった可能性

黒の組織の目的の1つが金の流れを牛耳る事であるという事は既に明言されています。


従って、黒の組織は資産家の買収を日常的に行っているのではないかと考えています。アマンダの買収は、組織が金の流れを牛耳る上で重要なファクターだったのではないかと思います。


莫大な資金を持った資産家であるほど買収に成功した際のメリットは大きく、逆に失敗した場合は金の流れを牛耳る際の大きな障害となるわけで、最終的にはアマンダの買収には失敗したためにアマンダは殺害されてしまったのかな、と思います。




4. 『大事』の内容



2.と3.の内容を踏まえて、「大事」について考察します。


まず、17年前でいうところのアマンダのように、公安警察に顔が利く資産家が現在軸にも存在するのではないでしょうか。そして、その資産家はアマンダがそうであったように組織に騙され大規模に出資している(た)資産家であり、烏丸グループの大スポンサーでもあり、他の資産家と公安(黒田兵衛個人?)にも顔が利く人物なのではないでしょうか。


黒の組織はその資産家が公安の手に落ちようとしている事を察知しており、仮にその資産家が寝返ってしまった場合組織にとって大きな資金損失となるだけでなく、烏丸グループの大スポンサーがいなくなるわけですから烏丸グループの勢力が一気に低下してしまいます。さらに、烏丸グループの裏の実態を知っているため、会社の不正が暴露されたり刑事告発の可能性も…


そこで黒の組織はその資産家の暗殺を計画、もしくはその資産家を組織側に留めて逆に公安に圧力をかけるように画策しているのではないかと思います。


一方、公安はその資産家を公安の協力者にして烏丸グループの不正を暴きひいてはRUMの捕獲を狙って動いているのだと思います。


ちなみに、17年前のアマンダ的立ち位置にある資産はまだ出て来ていない人物だと思っています。その人物が顔と名前ありで登場するのはRUM編クライマックス回だと考えています。


一応現在軸で大岡家と羽田家が資産家として出て来てますが、大岡紅葉の両親が組織に暗殺されそうになってる設定はさすがにきつすぎるかなと。羽田家に関しては17年前の方に関わってきているので現在軸ではそこまで重要な存在ではないのかなと個人的には思っています…

詳しくは、サンデー内容になるため後で言及します。


まとめると、

黒の組織のいう『大事』→勢力拡大のための資産家の買収または暗殺を巡った公安警察との対決。勝利すれば勢力拡大への大きな一歩となるが、敗北すれば烏丸グループの勢力低下に陥る。




5. 作中描写を読み解く



4.の考察を踏まえて作中描写を読み解きたいと思います。


純黒の悪夢

純黒の悪夢では、RUMがキュラソーに"公安が保有する世界のノックリスト"を奪うように指示していました。この目的について、映画内では組織に潜入しているNOCを知り暗殺するためであるという風に描かれました。


ここで、上の考察を踏まえると「公安から奪ったNOCリストを公安を脅す材料に使う事」がもう1つの目的だったのではないかと思えてきます。


作中でコナン「それって奴らが諜報戦争の要を握ったって事なんじゃ…」というセリフがあったように、公安から奪ったNOCリストはいわば公安の弱みになるので、『大事』を有利に進めるための行動だったんじゃないでしょうか。


また、警察庁に侵入したキュラソーに対して風見は「ふっ…お前達の動きはお見通しだ…」 と言っており、黒の組織が警察庁にキュラソーを侵入させようとしていた事を公安警察が事前に察知していた事が伺えます。すなわち、公安と組織の情報戦が裏で行われているという事であり、これも私の考察する『大事』の内容の根拠になるのではないかと考えています。


以下、テキストボックス内はサンデーの内容に踏み込みますので、ネタバレが嫌な方は読み飛ばしてください。





 


黒田が京都に来た理由


これは、サンデー1088~1090で連載された「大岡紅葉の甘い罠(仮題)」に関してです。


この話では、FILE.1088で黒田が何らかの目的にために、京都に来た事が明かされていますが、その理由は結局明かされる事なく終わりました。

【伊織に会う事は目的ではなかったと思っています】


ここで、4.の考察内容を踏まえると黒田が京都に来た理由こそ、私が考察で書いた資産家に会うためだったのではないでしょうか。言い換えれば、黒田が京都に来た目的は『大事』の打ち合わせだったと考えています。



最後に登場した烏丸


最後に出て来た人物が烏丸だとすれば、なぜ烏丸は京都にいたのかが疑問ですが、これも『大事』が組織の存続にも関わる内容であり、その『大事』のキーとなる資産家が京都にいるのならば、組織のボスがじきじきに京都に訪れているのはおかしくありません。


(京都で『大事』があるのなら、ボスが京都に行くのはリスクが大きいとも捉えられますが、RUMがジン捕獲作戦で直々に現場に赴いた事例があるためこれは否定根拠にならないと思います)



伊織が潜入していた先


「大岡紅葉の甘い罠」では、伊織が元公安で、「榊原」という偽名でどこかに潜入していた事が明らかになりました。


ただ、その"潜入していた先"はどこなのかも、結局明かされずに終わりました。


私はこの伊織が潜入していた場所こそ"『大事』のキーとなる資産家"ではないかと考えています。このように考えると、黒田と伊織が知り合いである事も説明がつきます。


またこの資産家が大岡家とも知り合いであったとすれば、現在大岡家の執事をしているのも説明がつきます。


SDB100+で、伊織が大岡家の執事となった経緯についての質問がありましたが、「それは秘密」と回答されていましたので、設定自体はあるみたいですね。




6. おまけ



RUM編とベルモット編との比較


『大事』の考察とは逸れますが、おまけで書きます笑


これまで5つのブログに渡ってRUM編考察を行ってきましたが、その考察内容をベルモット編と比較してみると、RUM編とベルモット編では構図が非常に似ている事がわかります。


ベルモット編では、黒の組織(ベルモット)vsFBIが主軸で描かれましたが、RUM編ではベルモットがRUM、FBIが公安警察に置き換わっています。


さらにベルモットに個人的な恨みを持つジョディ。彼女はベルモットに"ジョディにとって大切な父親"を殺害されその復讐を企んでいました。一方、若狭はRUMに"若狭にとって大切な羽田浩司"を殺害され復讐を企んでいると思われます。このように、人物関係の構図も一致します。


さらにさらに、ジョディはジョディの父親の形見として、「ジョディの父親が生前身につけていた眼鏡を、常に身につけて」いますが、若狭も「羽田浩司が生前持っていた角の駒を常に持ち歩いて」おりこの部分までそっくりな構図である事がわかります。


ちなみに、完全に構図が一致するなら若狭は公安所属って結論になってしまいますが、黒田と因縁があるっぽいのでそれは違うでしょうね。


私は、若狭はどこかしらの組織に所属しているのではなく個人的にRUMを追っているのではないかと考えています。論理的にその根拠は説明できないんですけど、若狭がたとえばMI6に所属していた場合、『大事』は黒の組織vs公安vsMI6みたいになっちゃって収集つかなくなっちゃうような気がします…100巻でFBIを蚊帳の外にした意味がわかんなくなっちゃうんですよね…


若狭は個人的に組織を追ってはいますが、今現在は羽田家の執事兼ボディーガードをやっているのかなと考えています。羽田家の執事兼ボディーガードを務めながら組織の情報を追い続け、眠りの小五郎が組織に何かと関わっている事や江戸川コナンの存在に気づき、執事の仕事は暇をもらって帝丹小学校の教師としてやってきたんじゃないでしょうか…(大東さんみたいなw)


17年前に組織を抜けたはずなのに、灰原が組織を裏切った事を知っていたのは、羽田家と「『大事』のキーとなる資産家」にも交流があり、公安警察→『大事』のキーとなる資産家→羽田家→若狭の経路で、情報をもらっているのかなと思います。




RUM編クライマックス予想


最後、これは完全な妄想になります笑


17年前と現在で、同じような構図で『大事』が起ころうとしているのだとすればRUM編のクライマックスの舞台は17年前と同じホテルになる可能性が高いと思います。


ホテルの名前は…ラージヒルホテルとかですかね笑


バーボン編のクライマックスはベルツリートレインで、『ベル→鈴、ツリー→木』なのでそれの大岡家バージョン『ラージ→大、ヒル→丘(岡)』みたいな


そしてもう1つ予想している展開としては、若狭留美が死んでしまうのではないかという予感です。


若狭留美がクローバーを投げ捨てた事は、若狭は「自分の幸せなどどうでもよく羽田を殺害したRUMに復讐ができれば死んでも構わない」という信念の表れでしょうから、恐らく『RUMに復讐できれば自分は死んでも構わない』と若狭は考えていると思っています。


また、元組織の一員であるという設定や驚異の身体能力,頭の良さを兼ね備えている点も含め、ジョディのようにコナンサイドにつくのはかなり考えにくいように感じます。つまり、若狭留美は初めからRUMに復讐しそのまま死んでしまう設定で初めから登場させているのではないか…?私はそのように感じざるを得ません。


まあ、あくまで非論理的な妄想ですがw





今回の考察は以上です。読んで頂きありがとうございました。Twitterもやってます


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