【切符ネタ】 磁気カード時代の終焉 | 鉄マイラー修行中

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2014年トワイライトエクスプレスのスイートに乗車。
寝台特急の魅力にとりつかれてしまった筆者。
2015年にカシオペアに乗車するも、寝台特急はほぼ全廃。
現在は特典航空券を活用し、観光列車の旅を中心に楽しんでいる。
2017年(不通区間を除き)JR完乗達成。

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いつも読んでいただきありがとうございます。

今回は切符ネタです。

 

かつて、鉄道各社は各種磁気カードを多数発行していましたが、その時代も終わりを告げようとしています。

ICカードの普及のための廃止と鉄道各社は発表していますが、筆者はそれ以外にも理由があると思っています。

 

今回はスルっと関西、パールカード、オレンジカード、Jスルーカードについて解説したいと思います。

 

【1】 スルっと関西

 

 

 

近鉄(一部エリア)、南海、阪神、阪急、京都市営地下鉄など関西圏の多くの私鉄で共通利用が出来ました。

額面通りでプレミアはありません。

自動改札を通過できるなど便利なカードでしたが、2018年1月31日をもって共通利用を終了し、2023年1月31日まで発行会社で払戻できます。

 

このように各社でオリジナルのカードが発行されていました。

 

【2】 パールカード

 

 

 

パールカードは近鉄で使用できた金券タイプのカードです。

額面通りでプレミアはありません。

当初は乗車券、特急券に交換できましたが、昨年ごろからシステム更新に伴い特急券への交換は出来なくなりました。

発売自体は12年前に終了していますが、2020年5月31日まで使用できます。

その後、2020年6月1日から9月30日まで払戻できます。

趣向を凝らしたデザインのカードが多く、筆者も何枚か集めていました。

 

【3】 Jスルーカード

 

 

近鉄の青山町以西の駅とJR西日本(主に大阪近郊区間)で利用出来たプリペイドカードです。

額面通りでプレミアはありません。

自動改札を利用でき、鶴橋駅の連絡改札も通過できる便利なカードでしたが、こちらも10年ほど前に発売を終了し、当面の間払戻対応になっています。

 

【4】 オレンジカード

 

 

 

オレンジカードは旧国鉄が発行したプリペイドカードです。

500円、1000円、3000円、5000円、10000円のカードがあり、5000円高額カードには300円の 10000円高額カードには700円のプレミアが付いていました。

高額偽造カードが発見されたことから、1997年をもって高額カードの発売は終了し、1998年からは利用も出来なくなっています。(現在は少額カードに交換可能です。)

2003年までは1000円、3000円券は同時に50枚買うと1枚サービスしていたようです。

JR各社は増収の一環として、オレンジカードを車内やイベントなどで積極的に販売していましたが、2014年をもってオレンジカードの発売は終了しています。

現在でも、自動近距離券売機にて乗車券類への引換が可能です。

 

【4-1】 JR各社がオレンジカードの払戻をしない理由

 

筆者の推測の部分がありますが、JR各社がオレンジカードを払い戻さない理由としては旧国鉄の絡みがあるのではないかと思っています。

スルっと関西、Jスルーカードなど共通発行していたカードを払い戻す場合、発行会社での払い戻しとなります。

オレンジカードを払い戻すとなった場合、JR各社が発行したオレンジカードはJR各社の駅に持ち込めば問題ありません。

ですが、旧国鉄が発行したオレンジカードはどこに持ち込めばよいのでしょうか?

国鉄の債務などは国鉄清算事業団に引き継がれ、現在は解散し存続していません。

なので、国鉄清算事業団に払い戻しを請求することは出来ません。

旧国鉄発行のオレンジカードであっても、現在もJR各社の券売機で利用できる以上、旧国鉄のオレンジカードは払い戻せないという対応もうなずけません。

すると、JR各社で払い戻すのが妥当と思われますが、旧国鉄発行のオレンジカードを払い戻されると請求先がありません。

例えば、JR北海道発行のオレンジカードをJR西日本で使われた場合、JR西日本がJR北海道に対しお金を請求できます。

ですが、旧国鉄発行のオレンジカードは請求先が無いため、使われた会社は使われただけ損することになります。

使われるだけなら、会社から現金は出て行かないので、まだ良いのですが

払い戻すとなると、旧国鉄発行のオレンジカードを持ち込まれただけ受け取った会社が損することになります。

そうなると、当分の間オレンジカードの払戻が行われることは無いのでしょう

 

 

【5】 鉄道各社が磁気カードを発行していた理由

 

実用性から考えると、利用者にしてみれば小銭の支払いが不要、自動改札をそのまま通れて便利ぐらいの理由しかありません。

コレクション的に考えると、珍しいデザインのカードが手に入って嬉しい、しかも額面通りの金券として使えるので損はしないぐらいの理由しかありません。

そんな理由のために、コストをかけて鉄道会社が磁気カードを発行していたのにはちゃんと理由があります。

磁気カードと言えど、発行費用はせいぜい数十円と思います。

鉄道会社は利用者から前払いで現金を受け取ることに価値があったのです。(当時は)

分かりやすく言うと、記念カードで100万円の売り上げがあったとします。

記念カードなので大半の人はそのカードをすぐには使わず大切に保管します。

実際に使われるのは、1年後かも10年後かもしれません。

となると、鉄道会社は利用者からほぼほぼ無利子で(カードの製造費用のみで)借り入れが出来るのです。

銀行から借り入れると、当時は数%の金利がかかっていたので、銀行から借りるよりも安くお金を調達できたのです。

オレンジカードのプレミア分も同様です。

プレミアを付けたとしても、銀行から借りるよりは安い的な考えで付けていたと思われます。

 

ここ最近、磁気カードの取り扱い終了が増えています。

確かに、ICカードの普及もありますが、それ以上に高金利時代の終焉が強いのではないかと考えています。

ほぼ、ゼロ金利で銀行から借りれるこの時代において磁気カードという方法で利用者から借入する方法はもう風前の灯火なのかもしれません。

 

一つの時代が終わるようで寂しいですが、これも時代の流れです。

磁気カードを愛用していた筆者ですが、磁気カードから卒業する日はもう遠くないのかもしれません。

 

次回もよろしくお願いします。
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