ネットがつながったりつながらなかったり。サクが合格してたり。気づけば月半ば。

「アメリカンヒストリーX」
久しぶりに家族の顔を見に、実家に帰ろうかなと思いました。
ある出来事からナチズム・白人至上主義に染まった兄を見て育った弟は、殺人の罪で兄が刑務所に入っている間に全く同じ道を歩もうとします。兄は3年(短い!)の刑期を終え出所してくると・・・
「蛇イチゴ」を絶賛したのは、たった1日で家族の断片を描ききったからなんですが、この映画も然りです。それと同時に、差別という社会の根本の問題を顕わにしています。
なんて書くと「それっぽい」映画や「それっぽい」啓発書みたいですが、問題をそのまま描いているのと「それっぽい」問題解決策を提示しているのはまるで違います。
この作品で描かれるのは人種差別で、「なぜ、『黒人だから』という理由で本当は能力のある白人よりも仕事がまわってくるんだ?」「『黒人だから』やつらは保護されている、それが平等か?」という現代白人の一部が持ち得る疑問が随所に出てきます。
以下は、私の持論ですが。日本における人種差別といえば「男尊女卑」の問題でしょう。男女雇用機会均等法といった法律によって女性の地位を向上させなければならない、という動きが存在します。そして上の『黒人だから』という理由と同じ『女性だから』に反発を覚える男性(一部の女性)の反対意見も存在します。「男女平等を謳うのであれば、本当に性別関係なく能力でみるべきだ」と。
ここで全く話が脇道に逸れるようで恐縮ですが、「スラムダンク」というマンガを読んだことのある人は覚えておいででしょうか?主人公の花道が山王戦でいったんベンチに下げられ安西監督から「味方のシュートミスをリバウンドするのが君だったらどうなるか?」と問われ、「相手の速攻のチャンスが無くなり、もう一度シュートチャンスが生まれる。つまり失う2点が無くなり、逆に味方に2点が入る。計4点分の働きか!」
ここで本題に戻ると、差別が行われている状態とは道が異常な状態にブれている状態だと思うのです。その振り幅を正常な状態に戻すのに必要な労力は、一度ブれた振幅分の2倍の労力であると。上のリバウンドの話に当てはめれば、「失う2点」は過去において正常から異常な状態へ向かった「振幅」であり、「得る2点」が異常から正常にもどるための「振幅」、ということです。
だから現在、白人そして男性は過去のツケを払わされているんだといえば、また話がおかしな方向に向かってしまいそうなのですが、みもふたも無く言ってしまえば「Yes」です。その差別の振り幅が完全に元に戻るまでは(それがいつになるか見当もつかないことがこの問題の根深さを物語っていると思いますが)、「今は平等だ」なんて優位者の方からは発言できません。
色々と書きたいことが尽きない映画です。
「ハイ・フィデリティ」
ジャック・ブラックが観たいだけでした。恋愛映画を普段観ないので、「?」と思うコトが多数。
主人公(ジョン・キューザック)が過去の失恋TOP5の女性に「何で俺はふられるの?」と訊きにまわる、ってんだからありえねー
そして意外にもこやつがモテること限りなし。浮気もしまくるし。これで、完全に趣味のレコード屋経営してんだから羨ましいこと、羨ましいこと。
ベルセバ、ベータ・バンド、ジザメリ、ベルベッツと馴染みのあるような無いような名前も出てきたり、可愛い音楽ライター(ほんと可愛い)も出てきたり、夢のような映画かと思いきや、「ふーん・・・」と思う私はまだまだ日本人かつオコチャマのようです。
ジャックが歌うシーンは必見です。
個人的に主人公が知り合いのレコ屋の店長にかぶって見えました。この1年で、結婚・奥さんおめでた、で最近会ったら嬉しそうにベビーの写真を見せてくれて、見事なパパぶりを発揮して幸せそうでした。
「羅生門」
芥川龍之介の「藪の中」を下敷きにした、黒澤映画の傑作。なんて言わんでいいですな。再生ボタンを押した瞬間「?やばい、これ最高に面白いかも!」と躊躇ってしまいタバコを吸いに一度換気扇の下に行きました。ビールが欲しかったですが、無かったので牛乳で我慢しました。
最高に面白かったです。観やがれ。
「隠し砦の三悪人」
黒澤続きですが。絶対に年食って観た方が面白い映画ってありますよ。高校生の頃に観た「七人の侍」よか、それから5,6年経って観る「七人の侍」は全然違う!
といいますか、黒澤明の作品がどんどん面白くなってってしょうがない!
「三船敏郎はダイコンだ」というのはうちのグランマの意見ですが、そこまで言えるほどまだまだ私はクロサワが足りないので、とにかく次に何を観ようか楽しみでしょうがないのです。
観やがれ。この映画のミフネはめっちゃ渋くてかっこええです。クロサワ作品によくあるミフネ笑い(顔を突き出してわざとらしいほど豪快ぶって笑う)は全く出てきません。先日このミフネ笑いを身近なクロサワ好きと真似しました。爆笑しすぎて疲れて寝ました。みなさんも、ぜひどうぞ。
ああ、この「クロサワええなあ」感覚ってビートルズが今になって「本当にええなあ」って思う感覚と一緒だと思うのです。