読書感想文を書かないうちに読んだ本だけがたまってまいりました。これはマズい!
六月は芦辺拓の怪人対名探偵から、いっきに芦辺ワールドに突入しました。
本を買う、または借りるとき、どうしても分厚いものを選んでしまいがちなのですが、自分の趣味に合わないものだったりすると凄く後悔します。長いだけに。どうも短編が苦手でして、今月はのめりこめる長編をさがした一ヶ月でありました。
本格派とあるとおり、乱歩をフューチュアーした怪人対名探偵はこれでもかの見事な殺しぶりと場面転換振りが、まさにジェットコースターのよう。ナンセンスグロの一歩手前なやり口が素敵。ですが少々ラストの意外性にかけ、そこが唯一の玉にキズ。霧舎巧のようなどんでん返しづくしに慣れすぎてしまったわたしが悪いのか。芦辺氏の書く探偵の人の良さが苦手なのかもしれない…。
ミステリ度 4 乱歩好きなら楽しめる。
グロ度 4.5 良い殺しぶり。 芦辺作品でここまでとは。ちょっと感動。
興奮度 4.5 怪人は読者をはらはらさせるために登場するもの。まさにセオリーどおり!
気を取り直して、柄刀一の奇跡審問間アーサー・神の手の殺人。良い感じに分厚い。吸血鬼ハンターDを思わせるような表紙が(もろイラスト)ちょっと恥ずかしいけど…。この人の作品も初めてだったので、ドキドキしながら読みました、が。カタカナの名前は覚えずらい!
エジプト十字の謎(クイーン)でアロヨ村長に惑った日々がトラウマになって脳内リフレイン。こんがらがりつつ、それでもどうにか読破。
でも…呆気なさ過ぎ。本格を期待していましたが、ちょっとばかし強引過ぎる気がしました。物語としては面白いけど、残酷さがもうちょっと欲しかった。登場人物の表にかけた伏線を生かしきれてなかったと思う。もっと犯人当てを楽しみたかった…感じ。
とは言え殺人における奇妙さはこれでもかこれでもかと出てきます。裏を考えるのが楽しくもありました。
本書の舞台は外国で宗教が大きく取り上げられています。ここもちょっと残念だった。まことに申し訳ありませんが、勉強の足りない仏教徒なもので、キリスト教の世界観がつかめませんでした。神を冒涜する、とか…どうしてあちらの人がそんなにこだわりをもつのかが、感覚として理解できない。いや、頭では分かってるんだけど。翻訳ミステリを読んでる気分だった…。
ミステリ度 3 なんか思っていたより大分あっさり。
異国度 5 文化の違いは大違い。壁は分厚い…。
謎度 4 キャラを楽しむ本。
芦辺も柄刀も初めてなら、いっそこれもと一念発起。京極夏彦の陰摩羅鬼の瑕。読み始めるなり関口君の鬱話でこっちまで鬱々としてきました。病描写のリアリティに背筋が凍える。もうこれだ、これ。鬱ってこういうのなんだよ!
粛々とページをめくりまして…ね、まさかとは思ったんですが。七分の一読んだだけで犯人が分かるってどうよ。
京極作品初めてだったんです…。ミステリと言うより物語り要素全開だとは知りませんで…。
作品世界にはどっぷり漬かれる、けど…。
林羅山が出てくるくだりは、柄刀氏のキリスト教ゴタゴタよりは理解しやすかった。あぁ、やっぱり日本人だわ…。
犯罪を楽しむ本ではない。これだけは言える。
ミステリ度 1.5 謎解きを楽しむ本ではない…。
密度 5 緻密だからこの分厚さかと妙に納得。ただ長いのではありません。
速度 1 イライラを通り越して泣きたくなるくらいの進行度。読んでも読んでも終わらない…。
高村薫のマークスの山(文庫版)も読みました。六月ラストはMスレイドの髑髏島の恐怖に取り掛かっています。
現代の海外ミステリって、昔の(というか古典)とは比べ物にならないシモ描写があるような気が。日本よりどぎつい。
これも文化の違い???