COMMON TIME 渋谷 byCHARMYのブログ

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皆さまこんにちは!
COMMON TIME渋谷店です!
 
年末年始の営業時間をご連絡させて頂きます。
2019年12月31日(火)11:00-18:00
2020年1月1日(水)休業日
2020年1月2日(木)11:30-21:00
※以降は通常通り11:30-21:00の営業となります。
今年もたくさんの方々にご愛顧賜り、誠にありがとうございました。
また来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
 
#COMMONTIME #渋谷 #コモンタイム #営業時間 #年末年始

皆さまこんにちは!

COMMON TIME渋谷店です。

 

前回、自動巻クロノグラフについて同年に発表された3社それぞれの特徴をお話しさせていただきました。ではその3社、いったいどこが一番最初なのか?!

そこについて今回はお話ししたいと思います。

 

前回の記事は↓↓こちら↓↓

https://ameblo.jp/common-time/entry-12509056720.html

 

まず、ゼニスのエル・プリメロですが発表は1969110日でした。しかし、製品化されたのは同年の9月です。

一方、ブライトリングを中心とした連合軍のクロノマチックは196933日に発表していますが、製品化はエル・プリメロより先でした。

そしてセイコーのキャリバー6139。発表は不明確でしたが、19695月下旬には製品化され店頭に並んでいたそうです

 

まとめると・・・

発表は、エル・プリメロ>クロノマチック≧キャリバー6139

となり、

製品化は、キャリバー6139>クロノマチック>エル・プリメロ

ということになります。

 

発表でいうならゼニスが最初、製品化でいうならセイコーになるのですが、そのどちらでもないブライトリングが世界初だ!という人も多くいます。それはなぜかというと、“世界的な発表”を最初に行ったのがブライトリングだったからです。

ブライトリングは同年4月のバーゼルフェアにて世界的な発表を行っておりこの発表が公的な最初の発表と解釈されたんですね。。

ゼニスが110日に発表した時は、創業の地スイス、ル・ロックルでの記者会見だったそうです。同じくセイコーも大々的な発表はせず発売に至っています。世界中にお披露目されたのはブライトリング率いる連合軍が最初だったわけですね。

 

余談ですが、セイコーは同じ19691225日に世界初のクオーツ時計である「アストロン」を発売しています。そこからクオーツショックの時代に突入していくわけですが、1973年にはETA社が7750というのちの時計業界に大きな変化をもたらす名ムーブメントを開発したりと、時計の歴史を語る上では決して外せない時代がこの1970年前後です。

今現在は技術も大きく進化していて、どのメーカーも最新のハイスペックムーブメントを開発しています。ところがエル・プリメロだけは細かな部分は改良しつつも、基本設計は当時のままで今なお現役で搭載されている唯一のムーブメントなんです!

電車に例えるならSLが現役で走っているのと同じだと思います。鉄道博物館などに行けば実物が見れますが、実際に動いているところを見たらロマンを感じませんか?

そう考えると、エル・プリメロの完成度の高さを感じますね。毎年のように目まぐるしく新たな素材、機構が発表されワクワクしますが、こういった良き時代の名機も手に取ってみてほしいな、と思います。

 

最後になりますが、結論として明確な世界初というのはないのかも知れません。各社とも世界初の要素は持っているので・・・()

大事なのは、各社ともそれぞれ時計への熱い想いがあり、しのぎを削りあったからこそ今日の機械式時計、自動巻クロノグラフが存在しているということではないでしょうか。

長い長い時計の歴史ですが、今でこそ当たり前の機能にもこれだけの物語がある、という魅力が少しでも伝われば嬉しく思います。

ここまでお読みいただきありがとうございました!

皆さまこんにちは!

COMMON TIME渋谷店です。

 

久々の更新となってしまいましたが・・自動巻クロノグラフが世に発表されたのが1969です。

今年2019年は誕生して50年の節目ということで、今回は自動巻クロノグラフについてお話してみたいと思います。

今でこそどのメーカーも必ずあると言ってよい程一般化された自動巻クロノグラフですが、

意外とその背景についてあまりご存じない方もいらっしゃるのではないでしょうか?

実はこの1969年になんと3つの自動巻クロノグラフが誕生しています!

 

まず1つ目は、ブライトリングです。正確には、ブライトリング社、ホイヤー社、ビューレン社、デュボア・デプラ社との共同という強力な連合軍です。当時のウィリー・ブライトリングとジャック・ホイヤーが手を組んだということですね。今考えると時計業界を揺るがす大変な出来事です!この連合軍が開発したのが“クロノマチック”。2005年に復刻されたので名前を聞いてピンとくるファンの方も多いのではないでしょうか?このクロノマチック、3針の自動巻ムーブメントをベースに、マイクロローター搭載のクロノグラフモジュールを取り付けた構造が特徴です。ブライトリングは「ナビタイマー・クロノマチック」、ホイヤーは「カレラ」「オウタヴィア」「モナコ」、ビューレンはハミルトンの「パン・ユーロ」にクロノマチックが搭載されました。

現行のブライトリングに使われているB01ムーブメントも、ラトラパンテのモジュールを取り付けるとB03ムーブメントになるので、当時の発想が今なおムーブメントの進化に影響を与えているんですね。

 

そして2つ目は、ゼニス。名機“エル・プリメロ”です。連合軍が3針ベースのモジュール式だったことに対し、こちらは完全一体型!さらに50時間のパワーリザーブに加え、36000振動ハイビートのおまけ付きという業界を震撼させる完成度を誇っていました。

この50時間パワーリザーブはクロノグラフとしてはエル・プリメロが世界初と言われています。のちにロレックス社がデイトナに搭載したのは有名な話ですね。実はデイトナに搭載されたエル・プリメロは36000振動ではなく、28800振動に落として使われていたことはご存知でしょうか?他社パーツを使わないことで有名なロレックス社が唯一搭載した社外ムーブメントです。この出来事がさらにエル・プリメロの評価を向上させる要因となりました。今年2019年は当時のエル・プリメロの復刻である「A384 Revival」が発売されます。

当時のオリジナルパーツをデータ化して、忠実に再現いるのでファンならずとも注目ですね。

 

そして最後3つ目は・・なんとセイコーです!クオーツ時計の発明の印象が強いので意外に思われるかもしれませんが、機械式でも当時のスイスメーカーに負けないくらいの技術力を持っていました。開発したのは“キャリバー6139”、セイコーファイブスポーツのスピードタイマーというモデルに搭載されました。一番の特徴は、「垂直クラッチ」を初めて取り入れたことです。ちょっと小難しい話をしますと・・・クラッチとは、ストップウォッチを使用するときは歯車に連結し、使用しないときは解除する、というものです。手巻き時計のクロノグラフは「水平クラッチ」というものが主流でした。名前の通り横向きのパーツなので、自動巻になるとローターなどパーツが増える都合上スペースを確保できなくなってしまいます。そこで開発されたのがこの「垂直クラッチ」です。今現在ほとんどの自動巻クロノグラフは垂直クラッチを採用しています。セイコーは質実剛健なイメージのあるメーカーですが、こういった革新的な設計を行ったり、クオーツやスプリングドライブの開発など時代を先取るチャレンジにも取り組んでいるメーカーなんですね。

 

以上、それぞれの特徴を簡単にお話ししましたが、同じ年に3つも開発されるなんて本当にすごいことだと思います。どのメーカーの方たちも時計に対して情熱と熱意を抱いているからこそ、良い意味での競争が生まれそれが技術として次世代に継承されているのでしょうね。こうした時代背景を知っていくのも時計の面白さの一つだと思いますので、何か少しでも時計の魅力が伝われば幸いです。

 

非常に長くなってしまったので続きは次回に・・・今日お話しした3社、結局どこが世界初なの!?と思っていらっしゃる方もいるでしょう。次回はそのお話を綴りたいと思います。

ここまでお読みいただきありがとうございます!