ネットのユーザーはCMの劣化についてどう考えているのか? | 続きは、CMのあとすぐ!

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インターネットの企業サイトや、動画サイトにあるテレビCM動画を中心にご紹介しながら、CMや動画、CMソングについて、私独自の視点でいろいろと感想を述べているブログです。

この記事は、2022年9月17日に更新の、あるテレビディレクターの「CMの劣化」というテーマのネット記事をもとに書いてみました1と、11月20日に更新のあるテレビディレクターの「CMの劣化」というテーマのネット記事をもとに書いてみました2の続きの内容であり、あるテレビディレクターY氏におけるCMの劣化についての最後の記事となります。

 

では、記事のサブタイトルとしては、「あるテレビディレクターY氏の「CMの劣化」というテーマのネット記事をもとに書いてみました3」にあたる、Y氏におけるCMの劣化についての最後にまいりたいと思います。

 

◆ネットのユーザーはCMの劣化をどう考えているのか?

 

Y氏によると、視聴者が見るCMについて、

 

「なんで番組の途中のこんな良いところで、CMを流すんだ。気持ちが切れる」

 

「やたらと同じCMが流れすぎだ」

 

と不快に思う方や、一方で、

 

「なかなかよくできたCMだね」

 

と心を奪われる方もいれば、

 

「番組のトイレタイムと割り切っている」

 

という方もいると捉えていました。

 

そこで最後の記事では、視聴者でもあるネットのユーザーさんはCMの劣化についてどう考えているのかをテーマに、ネットニュースのY氏の記事に寄せられていたコメントからいくつかピックアップしつつ、私の一言コメントも交えて書いてみたいと思います。

 

※ユーザーさんからのコメントを尊重するため、あきらかな表現の間違いや、適度な改行をのぞいてそのままお伝えいたします。

 なお、男性か女性かについては文体で判断していること。

 個人的に共感した部分には下線で表現しています。

 

「昔からTVCMは好きで、印象にも残っているものも多いですが、最近のCMはつまらないものばかりになってしまいましたね。

 製作費やコンプライアンスの問題も大いにあるとは思いますが。

 それに視聴者側のクレームなどもあるのでしょうが。
 昔のCMは企業の個性やボキャブラリーを感じていましたが、今は基本ダンスや通販番組、過払金ばかり。
 CM好きな自分でも飛ばしたくなるようなものばかりになっちゃいましたねー。
 おっさんの思い出補正も結構あると思いますが、企業さんも面白い&名物CMを作り上げてもらいたいですね」


たしかに、最近のCMでは面白い&名物CMを見かけなくなったように思えます。

昔のほうが、企業の個性やボキャブラリーを感じていたCMが多かったように感じますね。

「CMそのものの劣化よりCMの入れ方の問題が大きいと思います。
 以前から言われているけど、CM明けに長々と戻ったり、クライマックスにブチブチにCM入れたり、そんなんじゃ宣伝効果も上がりませんよ」


考えてみれば、CMの劣化だけでなく、CM明けに長々と戻ったり、クライマックスにプチプチとCMを入れるなどのCMの入れ方の問題もあるかもしれませんね。


「まぁ、新聞には昔からテレビ欄がありますけどね。
 とは言え、要は番組自体が面白くないから視聴者がネットに流れ、ならばネットに広告を打とうと言う流れになる。てことではないのかな? 

 テレビ局の人達がどれだけ頑張ったかを訴えてみても、要は皆が家にいてテレビを観る機会が増えたのに、その大事なところで頑張りきっていなかったのではないかとも思えたりする。
 お笑い芸人に視聴率を委ねるような番組は観る気にもならない。
 CS云々ではなく、まずは有意義な番組作ろう。

 結局各社ともBSなんかは持て余してるしね。

 BSなんか番組自体が通販しかやらないじゃん。(笑)」

私も、BS放送についてはBS=テレビショッピングのイメージが強くあります。

 

もうひとつ、BSでは昔のなつかしい番組の再放送しているイメージもありますが、これについては、今後もっと増やしてほしいものです。

 

特に深夜に数時間もテレビショッピングを放送する余裕のある時間帯があるのであれば、その空き枠をもっと昔のなつかしい番組を放送してほしいと思ってますね。

「バラエティー番組では本編よりも長いかとも思えるぐらいにCMが入り、クイズ番組では正解発表の前にCMを入れて引っ張る。
 CMで流れる曲は過去に流行った曲の替え歌ばかりで、CMから流行る曲もない」

 

最近のCMでは、流れる曲は、ヒットのきっかけともなるタイアップソングは少なくなり、過去に流行った曲の替え歌が多いと私も感じています。

「とはいえテレビ内で流れる情報(たとえば飲食店や食べ物、服のセレクトショップ等)を同時に検索したりするとサイトがサーバダウンしていたりして、まだまだテレビの影響力はあるなあと思います。
 CMではなく、番組内での広告的な展開はまだのびしろがあると思うのですがどうなんでしょう」


サイトのサーバーダウンは、テレビで情報が紹介された放送直後がいちぱんすごいですよね。

 

実店舗でも、たとえばテレビで健康にいいということである食材が紹介されると、翌日にはスーパーでもその食材を販売していたコーナーだけが見事に完売になっていたりするなど、CMはそれほどまでないにしても、視聴者におけるテレビの影響はまだまだ大きいものがあります。

「半年ほど前にテレビを買い替えました、家電量販店に勤める娘に勧められてでした。
 特に興味は無かったのですが進化が凄い!
 YouTubeもアマプラも見れる、テレビ番組見てる場合じゃないです。

 テレビは見てるがテレビは見ていません。
 テレビを作るメーカーがテレビ番組を見るだけのテレビを作っていては売れないから見切りをつけてネットに舵を切った、と思いました

 

いわゆる、NHKや地上波が見られるテレビ番組を見るチューナーをあえてなくし、ネット専用のスマートテレビが普及しているということなんですね。

 

テレビの受信機を持っているだけでNHKの受信料を支払わなければならないと言われている以上、テレビを製造するメーカーも、今後はスマートテレビの製造を増やすことで、前々から言われていたテレビ離れ。

 

ひいてはNHK離れがますます進んでいくことにもなるかもしれません。

 

 

それではこの記事の最後に、CMの劣化について、同じくネットニュースで投稿されていたY氏の以下の言葉を引用することで、3回にわたってお送りしてきたCMの劣化についての記事を締めくくりたいと思います。

 

「ネットに負けていいなんて、心から思っているテレビ局員はいないと信じている。

テレビCMを見ると時代が見えると言われたのは、いまは昔なのか。

 CMを変えなければ、テレビそのものが変われない。

 新型コロナウイルスが収まりを見せているいまこそ、テレビのCMも試されている」



★もうチョコっと一言!
Y氏のCMの劣化の記事に寄せられたコメントのうち、少し興味深いコメントを見つけ真ましたので、この場を借りて以下にご紹介したいと思います。

 

「私のゴルフ仲間で大手広告会社の最年少役員になった人で、あの一世を風靡したエリマキトカゲのCMを制作した方がいる。

 忌野清志郎を使ったクルマの会社のCMに苦情が相次ぎ、急遽批判され易い人間を使わなくて製作を依頼され、苦しみ抜いた末にエリマキトカゲを採用したと言う本当の話を彼から聞きました。

 糸井さんや魚住さんなど秀逸なコピーライターを生んだ80年代はTVにもCMにも黄金時代だったと思います。

 最近は昔には弥生くらいしかなかったB2B(※参照)系のCMが目立つのと、安売り単発請けの中小企業CMも増えており、なりふり構わないTV局の焦りが目立ちます」

エリマキトカゲのCMとは、まだいまのようにリコールで騒がれていなかったころの1984年にオンエアされた、三菱自動車・ミラージュのCMでもあったことがわかりました。

 

当時TBSで放送されていた動物番組「わくわく動物ランド」で、初めてエリマキトカゲが登場したときは、危険を感じると襟状の皮膚を広げて威嚇し、後ろ足を立てて走るシーンが紹介されることに。

 

その走るシーンのあまりのインパクトにエリマキトカゲブームが起き、ついには大流行となったことで便乗商品が氾濫していた時期があったそうです。

 

ネットによると、1983年に故・忌野清志郎さんが当時2代目ミラージュのCMに出演していたそうですが、まさかあのエリマキトカゲのCMが、清志郎さんのCMに苦情が相次いだことで、急きょ批判されやすい人間を使わなくていい、苦しみ抜いた末にエリマキトカゲを採用したとは思ってもみませんでした。

 

かつては糸井重里さんや魚住勉(べん)さんなどの秀逸なコピーライターを生んだ80年代は、糸井さんは日産・セフィーロの「くうねるあそぶ」、魚住さんはサントリーのCMがオンエアされていたころでもありました。

 

80年代は、まさにユーザーさんのようにテレビやCMにとっても黄金時代だったと言えるでしょうね。

 

※B2B

B2Bとは、Business-to-Businessの略で、企業間の商取引、企業が企業向けに行なう事業のことを指します。 


なお、コメントのユーザーさんはB2Bと表現されていましたが、一般的には「BtoB」と表記されているようです。