この記事は、２０１０年３月３０日更新の、東北・関東大震災後から、テレビで大量に流れていたＡＣジャパンのＣＭを振り返ってみました の関連記事で、視聴者からの抗議や苦情を受けて、ＡＣジャパンが緊急制作した「震災臨時キャンペーン」のＣＭの内容となります。
２０１１年４月３日に更新の記事でもご紹介しましたように、これまでＡＣジャパン（以下、ＡＣ）では、
【２０１０年全国キャンペーン】
挨拶の励行「あいさつの魔法。」
子どものコミュニケーション「あなたの手当て」
【本年度支援キャンペーン】
日本脳卒中協会「オシムの言葉」
国境なき医師団「国境を越えた医者」
３Ｒ推進団体連絡会「ちょっとだけバイバイ」
文字・活字文化推進機構「知層」
日本対がん協会「大切なあなたへ」
国連ＵＮＨＣＲ協会「難民のふるさと」
あしなが育英会「ありがとう あしながさん」
【２０１０年度地域キャンペーン】
北海道 北海道のためにできること「見方を変えよう。」
東北 地域活性「誇ろう！ふるさとの元気。」
東京 コミュニケーション「こだまでしょうか」
名古屋 生物多様性を知ろう「里山のばっさまに学ぶ」
大阪 ボランティア「ボランティアは生涯現役」
中四国 思いやり「思いやりも日本の国技に。」
九州 自転車運転マナー「自転車も車です。」
沖縄 青少年の育成「いちばんの栄養は家族です。」
と、躾から、コミュニケーション、脳卒中の警告、乳がんや子宮頸がん定期検診の促進、人との助け合い、ふれあい、守るべきマナーなどを訴えるＣＭが放送されていました。
けれども、これらは大震災のために作られたＣＭではないうえに、放送局が無料で使用できることから、テレビでは同じ内容のＡＣのＣＭが何回も大量に流れる結果となってしまいました。
これにより、視聴者からＡＣに「不快だ」といった苦情や抗議の電話が相次いだとのこと。
ＡＣでは、その対策として、ＣＭの最後のサウンドロゴ「♪ＡＣ～」の音声の削除を放送局にお願いしていたんですが、それとともに、「東北・関東大震災」という未曾有の大災害に対して、直後より震災臨時キャンペーン制作を決定。
全国の広告会社からの自主提案企画を受け、また各界で活躍中の方々の出演ご協力により制作し、震災から一週間後の３月１８日から、今回記事でご紹介の「震災臨時キャンペーン」のＣＭのオンエアがスタートしたのでした。
なお、震災臨時キャンペーンという特殊な内容のＣＭからか、ＡＣの公式サイトでは、４月を迎えてもこの臨時キャンペーンを特集したテレビＣＭ動画の公開はありませんでした。
◆「みんなでやれば、大きな力に」をスローガンにして「今、わたしにできること」を文字で呼びかけた「文字篇」を放送
ＡＣでは、震災臨時キャンペーンのＣＭとして、「みんなでやれば、大きな力に」をスローガンに、「今、わたしにできること」を文字で呼びかけた「文字篇」というタイトルで、まずは２種類が放送されました。
このＣＭでは、再生紙で作られたノートの表紙をイメージさせるような色をバックに、大震災の大規模な影響を鑑み、節電、買いだめの自制、無駄なメール・電話の自制などを促すメッセージを文字で表示。
ナレーションも、女性と男性ともに、ＣＭの最初の「今、わたしにできること」と、最後の「みんなでやれば、大きな力に」のみといったシンプルなものとなっていました。
まず、女性のナレーションによる30秒バージョンのＣＭのメッセージは、
使っていない電化製品はコンセントから抜いておこう。
無駄な通話やメールはひかえよう。
災害時の連絡方法を決めておこう。
必要がないのに買うのをやめよう。
被災者の人の気持ちになって考えてみよう。
男性のナレーションによる30秒バージョンは次のようになっていました。
部屋の電灯はこまめに消そう。
使わないときはパソコンの電源を切ろう。
被災地の人が本当に必要なものは何か考えよう。
デマに惑わされないようにしよう。
むやみに買い占めるのはやめよう。
なお、「今、わたしにできること」の「文字」篇のＣＭのうち、女性のナレーションを担当していたのは、なんと、資生堂「エリクシール シュペリエル」のＣＭソング「Gift ～あなたはマドンナ～」
◆「サッカー」篇からスタートした、「みんなでやれば、大きな力に」シリーズのＣＭ
「文字」篇に続き、ＡＣでは、世界で活躍する、サッカーの岡崎慎司選手、長友佑都選手、内田篤人選手からの、電話からと思われる応援メッセージと写真を通じ、「サッカー」篇として、電話を通じて送られたと思われる以下のメッセージが含まれたＣＭが制作されました。
ブンデスリーガ シュツットガルト 岡崎慎司選手
「小さいころ、阪神大震災を経験しました。
日本の強さは団結力です。
ぼくも精一杯協力します」
セリエＡ インテル・ミラノ 長友佑都選手
「ひとりじゃない、みんながいる。
世界中の人たちが日本を応援しています。
みんなが笑顔になれますように」
ブンデスリーガ シャルケ 内田篤人選手
「ひとりひとりができることをやりましょう。
日本がひとつのチームなんです」
このうち、内田選手の「日本がひとつのチームなんです」は、日本をひとつの株式会社にたとえた「日本株式会社」以来、なかなかいいたとえだなと思いましたね。
◆ＳＭＡＰのメンバーとトータス松本による「日本の力を、信じてる」篇
続いて、ＳＭＡＰの香取慎吾さん、草剛さん、稲垣吾郎さん、木村拓哉さん、中居正弘さんの５人のメンバー＋歌手のトータス松本さんによる、「日本の力を、信じてる」篇と題した以下のメッセージのＣＭのオンエアもスタートしました。
香取慎吾さん
「あなたはひとりじゃない」
草彅剛さん
「僕らがみんながついています」
稲垣吾郎さん
「互いに譲り合い助け合いながら」
木村拓哉さん
「強く強く未来を信じて」
中居正弘さん
「今ひとつになる時」
ＳＭＡＰのメンバー全員「日本の力を、信じてる」
トータス松本さん
「日本は強い国。
長い道のりになるかもしれんけど、みんなで頑張れば絶対に乗り越えられる。
そう思う」
このＣＭについて、私個人としては、ＳＭＡＰのメンバーであればＳＭＡＰのメンバーだけでひとつのＣＭにしてほしかったと思っています。
そこにトータス松本さんが入ると、俳優の佐藤隆太さんもそうなんですが、どうも顔からして張り切ったようなあの表情。
私はそれを「ハリキリ顔」と捉えているんですか（笑）、そのハリキリ顔と張り切ったメッセージが少しウザく感じてしまうんです。
まあ、トータスさんだけによる別バージョンのＣＭだったらまだいいと思いますけどね。
◆芸能人や有名人も続々出演！ 「今、わたしにできること・呼びかけ篇」
そして、「今、わたしにできること・よびかけ」篇では、ＳＭＡＰやトータス松本さんに続き、芸能人や有名人が続々と出演していました！
オンエアされた順番については、先ほども書いたように、ＡＣのサイトでもテレビＣＭ動画そのものが公開されていませんでした。
そこで、私から見たオンエアの順番で、メッセージが書かれたフリップを持ちながら、出演された芸能人と有名人とお名前と声によるメッセージの内容を通じて以下のように振り返ってみました。
なお、フリップの文字と、出演者による声のメッセージとが一致していなかった場合は、（ ）でフリップに書かれていたメッセージを表記させていたただきました。
●「今、わたしにできること・呼びかけ」篇 30秒バージョン パート１
西田敏行さん
「部屋の電灯はこまめに消しまょう」
三浦和良さん
「助け合う心をなくさないように」
AKB48（前田敦子さん、大島優子さん、高橋みなみさん）
「被災地の人が本当に必要なものは何か考えよう」
アントニオ猪木さん
（「間違った情報に惑わされないようにしよう」と書かれたフリップを持ちながら）
「間違った情報に惑わされないように」
松たか子さん
（「むやみに買い占めるのはやめよう」のフリップを持ちながら）
「それ、本当に必要ですか？」
●「今、わたしにできること・呼びかけ」篇 30秒バージョン パート２
ベッキーさん
「使っていない電化製品はコンセントから抜いておこう」
三谷幸喜さん
「災害時の連絡方法を決めておこう」
片岡仁左衛門さん
（「無駄な通話やメールはひかえよう」のフリップを持ちながら）
「それ、本当に必要ですか？」
大竹しのぶさん
（「必要がないのに買うのはやめよう」と書かれたフリップを持ちながら）
「買いだめは控えましょう」
嵐のメンバー（相葉雅紀さん、桜井翔さん、大野智さん、二宮和也さん、松本潤さん）
「被災地の人の気持ちになって考えてみよう」
●「今、わたしにできること・呼びかけ」篇 15秒バージョン パート1
江口洋介さん
（「部屋の電灯はこまめに消そう」と書かれたフリップを持ちながら）
「電灯はこまめに消そう」
内田恭子さん
（「むやみに買い占めるのはやめよう」と書かれたフリップを持ちながら）
「それ本当に必要ですか？」
為末大さん
「無駄な通話やメールはひかえよう」
●「今、わたしにできること・呼びかけ」篇 15秒バージョン パート２
中川翔子さん
（「使っていない電化製品はコンセントから抜いておこう」のフリップを持ちながら）
「使っていないときはコンセントから抜いておこう」
野口健さん
「間違った情報に惑わされないようにしよう」
テリー伊藤さん
（「必要がないのに買うのはやめよう」と書かれたフリップを持ちながら）
「買いだめは控えてください」
◆「ノーギャラに近い」契約というのが少し気になるかも？
以上の４パターンが制作された「今、わたしにできること・よびかけ」篇に出演の芸能人や有名人の名前を挙げただけでも、かなりのメンバーでしたね。
ＡＣによりますと、「ノーギャラに近い」契約で被災者や日本のために協力したということでした。
ノーギャラではなく、「ノーギャラに近い」契約という表現が、どうもしっくりいかないところがありますね。
でも、ノーギャラであれ、たとえノーギャラに近い契約でギャラをもらったとしても、そのギャラはすべて東北・関東大震災の被災者支援の義援金として寄付されたことでしょう。
視聴後の感想
◆いまからでも遅くない？ ぜひ追加してもらいたい義援金の協力をお願いするメッセージ
ということで、震災臨時キャンペーンのＣＭを振り返ってみたんですが、私としてはもうひとつ、ぜひ追加してほしいメッセージがありました。
それは、
「義援金の募金や寄付に協力しよう」
という、義援金の協力をお願いするメッセージです。
これは、「今、わたしにできること」の追加メッセージとして、いまからでも遅くないと思いますので、ぜひ追加制作してオンエアしてほしいですね。
★もうチョコっと一言！
つい数日前から、ＳＭＡＰ、トータス松本さんに続き「日本の力を、信じてる」篇の新しいバージョンと思われるＣＭのオンエアがスタートしました。
そのＣＭでは、まずＡＣのサイトでもあらかじめ出演が予告されていた、「EXCILE（エグザイル）」のリーダー兼パフォーマーのHIROさん。
次に、メガネをかけたスーツ姿のメガネ男子については、MCのVERBALさんとDJの☆Takuさんの２人からなる音楽グループ「m-flo（エム-フロー）」のVERBALさんが出演していたことがわかりました。
ただ、お２人が語りかけていたメッセージについては、テレビで見かけたばかりのこともあり、まだ完全には把握できていません。
さらに、最初15秒バージョンで見たんですが、後で30秒バージョンもあったことがわかりました。
「日本の力を、信じてる」篇の新ＣＭについては、メッセージの内容が詳しくわかり次第、私のブログのこの記事で追記するとともに、トップページで随時更新している最新の記事＆テレビＣＭ動画の更新情報の記事の「その他の情報」の項目でもお知らせしたいと思います。
【追記】
「日本の力を、信じてる」のＣＭで、エグザイルのHIROさんとエム-フローのVERVALさんが出演していたメッセージの内容がわかりましたのでお知らせいたします。
まずHIROさんは、
「日本は素晴らしい国だと思います。
一人一人が力を合わせて、勇気と希望を持てるように、これから一緒に頑張りましょう」
そしてVERVALさんは、次のようなメッセージとなっていました。
「一瞬の強い力も大切。
でも、続けていく力はもっと大切だと思います。
この国のみんなに笑顔が戻るまで、僕は応援し続けます」
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