東北・関東大震災後から、テレビで大量に流れていたACジャパンのCMを振り返ってみました | 続きは、CMのあとすぐ!

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インターネットの企業サイトや、動画サイトにあるテレビCM動画を中心にご紹介しながら、CMや動画、CMソングについて、私独自の視点でいろいろと感想を述べているブログです。

この記事は、2010年3月30日更新の、東北・関東大震災後に、テレビで大量に流れ始めたACジャパンのCM 一般CMは福島第一原発の状態次第 の関連記事で、ACジャパンのCMに的を絞った内容となります。


では、ここからは3月11日の東北・関東大震災発生から、各在京キー局の震災特別番組を経て、朝の情報番組から大量に流れるようになり、現在でもオンエアされているACジャパン(以下、AC)のCMについて取り上げてみたいと思います。


この記事を書いている時点では一般CMも多く流れるようになり、ACのCMも、震災特別キャンペーンとして制作された最新のCMがオンエアされるようになりました。


現在ACの公式サイトでは、大震災後から大量に流れていたACのCMがテレビCM動画として公開されています。


それでも、みなさんにとっては、


「ただでさえしつこくてウザいのに、わざわざACの公式サイトにアクセスしてまで動画で見る気になれない!」


と思われるかもしれません。


もちろん私もそうです。


けれども、私のブログでは、曲がりなりにもCMをテーマにしていますし、ACのCMの正式なタイトルを知るためにもACの公式サイトにアクセスしてチェックする必要がありますので、そのような選り好みはしてられません。


そのことをおわかりいただいたうえで、私がACの公式サイトにアクセスして調べた、大震災後や、現在でもテレビで流れているACのCMの数々を、今回の記事で振り返ってみることにしましょう。


◆60秒バージョンも存在していた! 「♪ポポポポーン」のフレーズでおなじみの、2010年度全国キャンペーン「あいさつの魔法。」


はじめに、みなさんにとっては、「こんにちは(こんにちワン) ありがとう(ありがとウサギ) まほうのことばで たのしいなかまが ポポポポーン」という15秒バージョンのCMで「♪ポポポポーン」のフレーズでもすっかりおなじみとなったCMから振り返ってみたいと思います。


ACのサイトにアクセスしてチェックしてみたところ、このCMの正式なタイトルは、挨拶の励行「あいさつの魔法。」(以下、「あいさつの魔法。」)であったことがわかりました。


震災特別番組を経て、朝の情報番組から流れるようになったACのCMのうち、唯一アニメーションであったこのCMに登場する動物の名前には、挨拶の言葉+語尾に動物の名前を組み合わせたものになっていました。


具体的には次のようになります。


こんにちは(こんにちワン)
ありがとう(ありがとウサギ)
こんばんは(こんばんワニ)
さようなら(さよなライオン)
おはよう(おはよウナギ)
いただきます(いただきマウス)
いってきます(いってきまスカンク)
ただいま(ただいマンボウ)
ごちそうさま(ごちそうさマウス)
おやすみなさい(おやすみなサイ)


これらのフレーズを見ていて、いただきマウスのところで、あののりピーこと、覚せい剤所持・使用で逮捕、起訴され、懲役1年6ヶ月、執行猶予3年の有罪判決を受けた、元女優の酒井法子さんがまだアイドル歌手として活躍していたころによく使っていた「のりピー語」のうち、「いただきマンモス」を思い出しました。


★チョコっと一言!

ネットのユーザーさんの中には、「いただきマウスではなく、いただきマンモスだろ!」と、「挨拶の魔法。」のCMソングのフレーズの一部に異論を唱えていた方もおられました。


けれども「いただきマンモス」はすでに商標登録されていて、CMでは使うことができないみたいでした。


◆「あいさつの魔法。」のCMソングは、歌手の松本野々歩という女性だった


次に、「あいさつの魔法。」のCMのCMソングを歌っていた女性について、


「あのピアノを使った曲調や声の感じから察するに唄ってるのは矢野顕子さんに違いない!」


と予想されていた方もおられました。


ACのサイトには、CMソングを歌っている歌手の名前は記載されていません。


そこで調べてみたところ、歌手の松本野々歩さんという方であったことがわかりました。


松本さんは熊本県出身で、ふだんは「野々歩」名義で、2006年に結成された歌ものバンドのショピン(chopiiin) や、2009年に結成の子供向け音楽ユニットの on's (オンス)で音楽活動をしているとのこと。


ソロとしてはCMソングも歌っていて、たとえばジョンソンの「カビキラー除菌@キッチンアルコール除菌」。


ということは、「♪カビキラー除菌@キッチン」のサウンドロゴは松本さんが歌っていたことになりますね。


それと、女優の栗山千明さんが出演の、「♪ネットで借りて 自宅に届き ポストヘ返却」のDMM.comの「ネットレンタル」篇のCMソングや、同じく女優の深津絵里さんが出演の、ヤクルトの、主に30~40代の女性のための乳製品乳酸菌飲料「SHEs(シーズ)」の第2弾としてオンエアされていた「食べるSHEs・洋館」篇のCMでは、バイオリンを弾いていた2人の女性の一人として松本さんも出演されていたそうです。


◆「あいさつの魔法。」のアニメーションは、イラストレーターのyukkyさんによるものだった


「あいさつの魔法。」のCMについては、CMソングだけでなく、アニメーションについても、


「ありがとウサギの口の感じは、ありゃ『おでんくん』でしょ!」 


「イラスト書いてんのはリリーフランキーさんだろ」


「さよなライオンは、ミスタードーナツの『ポン・デ・ライオン』のキャラクターに似ている」


など、ネットのユーザーさんの間でも、「あいさつの魔法。」で登場した動物のキャラや、誰が描いたのかについて、掲示板上ではいろんな意見が寄せられていました。


その、「ありがとうの魔法。」のアニメは、北海道札幌在住のイラストレーターの「yukky」さんという女性によるものであったことがわかりました。


下の参考リンクは、yukkyさんの公式ホームページです。


参考リンク
yukkyweb


たしかに、表示されたページの左側に描かれていたyukkyさんのイラストを見ると、なんとなく「あいさつの魔法。」で登場した動物たちをイメージさせるタッチのものがありましたね。


◆見られたらラッキーなCM? ACの公式サイトにも公開されていない「あいさつの魔法。」60秒バージョンが存在していた!


実はですね、ACの公式サイトで視聴できるテレビCM動画では30秒バージョンしか視聴できないんですが、YouTubeのサイトで60秒バージョンも存在していたことがわかりました!


下にリンクをご用意しましたので、まだご覧になったことがない方はぜひ視聴してみてくださいね。


YouTube-ACジャパン CM あいさつの魔法1分フルバージョン 2010年度全国キャンペーン  1分1秒

(視聴プレーヤー:Frash)

(視聴形式:サイト内)


「あいさつの魔法。」の60バージョンのCMは、テレビだとなかなか見ることができないためか(私もYouTubeで初めて見ました)、ユーザーさんの間では見られたらラッキーなCMにもなっていたようでした。


◆実はいちばん流れている回数が多いかもしれない、2010年度全国キャンペーン 子どものコミュニケーション「あなたの手当て」



前の項目の「あいさつの魔法。」のCMは、オンエアされている回数が多いと思うんですが、実はこのCMがいちばん流れている回数が多いかもしれません。


そのCMとは、同じく2010年度全国キャンペーンで、


「ようちえんでお花つくったの」


と、幼児が母親に話しかけると、


「えっ、何?」


と尋ねる母親。


すると幼児は、


「あかいお花」


と、幼稚園で赤いお花を作ったことを幼児が母親に話しかけるという内容で、


「忘れないでください。

 あなたの手で伝えられることがたくさんあるはずです」


というナレーション(声は、作曲家でドラマーでもある鈴木さえ子さんが担当していたことがわかりました)の、「こどもに、あなたの手当てを」がキャッチコピーのCM。


正式なCMタイトルは、子どものコミュニケーション「あなたの手当て」(以下、「あなたの手当て」)です。


15秒と30秒バージョンがあるこのCMでは、やたらと15秒バージョンが多く流れているように感じます。


なにしろステーション・ブレイク(番組と番組の間に流れるCMのこと)で流れるCMでも、ひどいときには「あなたの手当て」の15秒バージョンが3回も流れることがあります。


ACのサイトでは、


子どもが成長する上で必要なものは、いい暮らしや、いい教育や、それらを支えるためのお金だけではありません。

大切なことはこどもたちが、親から「愛されている」と実感できること。

だから、もっとスキンシップを。
親子の間にあるあたたかい手を中心に、そこから生まれるあたたかい関係を描きながら、「あなたは、毎日きちんと子どもに触れていますか」と、親たちに問いかける企画です。


と紹介されていましたので、CMの内容そのものはそんなに悪くはないんですけどね…。


◆東北・関東大震災後に、テレビで大量に流れていた本年度支援キャンペーンのCM「大切なあなたへ」で、仁科親子も困惑


以下にご紹介のCMは、まさに、東北・関東大震災発生後に、震災特別番組から朝の情報番組が復活したときに、頻繁に流れていた、ACで表現するところの「本年度支援キャンペーン」のCMです。


【本年度支援キャンペーン】

日本脳卒中協会「オシムの言葉」
国境なき医師団「国境を越えた医者」
3R推進団体連絡会「ちょっとだけバイバイ」
文字・活字文化推進機構「知層」
日本対がん協会「大切なあなたへ」
国連UNHCR協会「難民のふるさと」
あしなが育英会「ありがとう あしながさん」


みなさんもタイトルを見ただけで、それぞれどんな内容のCMだったのかがすぐに映像が思い浮かぶくらいしつこく流れていたCMでしたが、最近ではほとんどといっていいほどテレビでは見かけなくなりましたね。


この中で、視聴者から思わぬ苦情が寄せられたのが、日本対がん協会「大切なあなたへ」という、子宮頸がんと乳がんに関するCMでした。


このCMに出演していたのは、俳優の松方弘樹さんの元妻で、女優の仁科亜季子さんと、その娘で、タレントでモデルの仁科仁美(ひとみ)さん。


大震災の影響で、企業やメーカーがCMを自粛する中、仁科親子が出演するCMがくり返し流される結果となってしまいました。


これに対し、視聴者から、


「しつこい!」


「時代にそぐわない」


「こんな大変なときに乳がん検診なんか行けるか!」


などの苦情がACに殺到し、AC側が謝罪する騒動となっていました。


また仁美さんのブログでは、2011年3月21日に更新の記事の中で、仁科亜季子さん、仁科仁美さんの連名で次のようなメッセージを掲載。


「今、私達母娘のCMが沢山放送されています。

 この状況は私達母娘も、想像もしていませんでした。

 それと同時にどうする事も出来ないのが現状です。

 長年に渡り子宮頸がんの啓発活動に力を注いできた私達は今とても悩んでいますし、心が痛みます」


と、苦しい胸の内を明かしました。


そして、


「私達は、少しでも力になりたくて、思いを込めやらせていただいたお仕事です。

 ですが、今回の災害の状況、日に日に大きくなる被害や被災された方々の事を思うととても複雑な心境です」


というメッセージで締めくくられていました。


まあ、元々企業やメーカーのCMを差し替える形でACのCMが流れていたわけですから、仁科親子は何も悪くないはずです。


それを、視聴者がACを通じて仁科親子に向けて苦情の電話が殺到するというのは筋違いであるといえるでしょうね。


◆2010年度地域キャンペーンのCM


この2010年度地域キャンペーンのCMについては、地域によってはみなさんもご覧になったことがないCMがあるかもしれません。


そこで、下に一覧としてご紹介いたします。



【2010年度地域キャンペーン】

北海道 北海道のためにできること「見方を変えよう。」 30秒
東北 地域活性「誇ろう!ふるさとの元気。」 30秒 
東京 コミュニケーション「こだまでしょうか」 30秒
名古屋 生物多様性を知ろう「里山のばっさまに学ぶ」 30秒
大阪 ボランティア「ボランティアは生涯現役」 30秒
中四国 思いやり「思いやりも日本の国技に。」 30秒
九州 自転車運転マナー「自転車も車です。」 30秒
沖縄 青少年の育成「いちばんの栄養は家族です。」 30秒

(視聴プレーヤー:Frash)

(視聴形式:各画像をクリック後サイト内)


私は西日本に住んでいますが、ケーブルテレビ近県のテレビ局も見ていることから、九州や、中四国、大阪、東京の地域キャンペーンのCMはテレビでも見たことがありました。


今回、北海道から沖縄まで一通り視聴してみたところ、いちばんいいCMだなと思ったのが、中四国の思いやり「思いやりの日本の国技に」でした。


内容もさることながら、なんといっても「思いやりも日本の国技に」というキャッチコピーがとてもいいじゃありませんか!


国技というと、かつて日本の国技といわれていた大相撲も、力士たちによる野球賭博や、大麻、八百長メールなどの問題により、もう国技ではなくなってしまいましたね……。


◆くり返し流れていることで、思わぬ反響も? 金子みすゞの詩が引用されたCM 地域キャンペーン(東京地域) コミュニケーション「こだまでしょうか」


何度も書くように、東北・関東大震災の影響で、企業やメーカーがCMを自粛したことで、現在でも一部くり返し流れているACのCM。


そんな、くり返し流れているACのCMですが、思わぬ反響があったCMがありました。


そのひとつが、前の項目でリンクでもご紹介の2010年度地域キャンペーンのうち、コミュニケーション「こだまでしょうか」(東京)(以下、「こだまでしょうか」)のCMでした。


ACの公式サイトでは、


たった一言で、人は傷つく。

たった一言で、人は微笑む。

自分がやさしく話しかければ、きっと相手も、おだやかに答えを返してくれる。

ことばは、人から人へ「こだま」します。

この広告が、人と人のやさしい会話のきっかけになることを願っています。


と紹介されていた、「やさしく話しかければ、やさしく答えてくれる」がキャッチコピーのCMです。


実は、このCMについても60秒バージョンがあったことがわかりました。


30秒バージョン、60秒バージョンともに引用されていた詩の内容は、


「遊ぼう」っていうと 「遊ぼう」っていう。

「馬鹿」っていうと 「馬鹿」っていう。

「もう遊ばない」っていうと 「遊ばない」っていう

そうして、あとでさみしくなって、
「ごめんね」っていうと 「ごめんね」っていう。
こだまでしょうか、いいえ、誰でも。


で、大正時代の童謡詩人・金子みすゞの「こだまでしょうか」という作品であったそうです。


★チョコっと一言!

ちなみに、「こだまでしょうか」のCMのナレーションを担当していたのは、歌手のUA(ウーア)さんであったということでした。


私は、そのハスキーな声から、お笑い女ピン芸人の椿鬼奴さんではないかと予想していたんですけどね。


元々金子みすゞは生前は無名で、1980年代に口コミで世の中に知られるようになった詩人であったとのこと。


私も、以前テレビで金子みすゞを見て、単行本も読んだことがありました。


大きな注目を集めている理由としては、「こだまでしょうか」は、相手を思いやるという詩なので、東北・関東大震災という未曽有の災害が発生した時期だからこそ人を惹きつけているのかもしれません。


実は、あの阪神・淡路大震災のときも金子みすゞの詩集を被災地に送る動きがあったということでした。

◆くり返し流れていることで、思わぬ反響も? 宮沢章二の詩「行為の意味」の一部が引用されたCM 思いやりの気持ち「見える気持ちに。」

金子みすゞと同じく、もうひとつ引用された詩が思わぬ反響を呼んだACのCMがありました。

それが、


「こころ」はだれにも見えないけれど
「こころづかい」は見える
「思い」は見えないけれど
「思いやり」はだれにでも見える


という、詩人の宮沢章二さんの詩「行為の意味」が引用された、思いやりの気持ち「見える気持ちに。」(以下、「見える気持ちに。」)というタイトルのCMでした。


★チョコっと一言!

宮沢章二氏は、あのクリスマスソングでおなじみの「ジングルベル」を作詞した方でもあったそうです!


この詩が収録されている詩集のタイトルは「行為の意味―青春前期のきみたちに」。


CMのタイトルは、思いやりの気持ち「見える気持ちに。」となっていました。


なお、「あいさつの魔法」と「見える気持ち。」の2作品は、「2010年度AC・NHK共同キャンペーン」として、ACの公式サイトでもテレビCM動画として公開されていました。


★チョコっと一言!

「2010年度AC・NHK共同キャンペーン」には、生物多様性(NHK制作)「命のかげ」というCMもあって、ACのサイトでも視聴ができていました。


それから、電車に妊娠した女性が乗り込んでくるも、席を譲り損ねた高校生役を演じていたのは、あの俳優の大和田伸也さんの息子で、同じく俳優の大和田健介さん。


ナレーションを担当していたのは、女優でタレントの岡本玲さんであったということでした。



本来ですと今回でACジャパンのCMの記事を完結させようと思ったんですが、東北・関東大震災後から大量に流れていたACジャパンのCMを紹介しただけで長くなってしまいました。

そこで、次の記事では、ACジャパンが視聴者からの苦情を受けて、震災臨時キャンペーンのCMを制作。


「みんなでやれば、大きな力に」をスローガンに「今、わたしにできること」のCMについて取り上げてみたいと思います。

 


 


 

今回、久々に書いたCMの記事はいかがでしたか?

 


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