グスターヴ・ホルスト作曲組曲「惑星」は、「地球」を除く、「火星」、「金星」、「水星」、「木星」、「土星」、「天王星」、「海王星」(作曲された当時まだ「冥王星」は発見されていなかった)をそれぞれ音楽で表現したものだ。「木星」(歌手の平原綾香がその曲の一部のメロディーを「ジュピター」として発表して有名になった)は、僕が高校生の頃、全日本吹奏楽コンクールで、自由曲に取り上げる楽団が、多くあった。「天王星」は、高校の吹奏楽の定期演奏会で、オーケストラの曲をアレンジしたものを演奏したことがある。組曲「惑星」をまとめて聞いたのは、その後のことだった。「海王星」(副題が神秘の神)などは、太陽から最も離れ、宇宙の静寂の中で、ゆっくり漂っているとい感じがよく表わされていると思う。「火星」(副題が戦争の神)を聞いていると、映画の「スター・ウォーズ」の音楽が連想される。
1989年、ベルリンの壁が崩壊する以前の、所謂「東欧圏」のオーケストラとしては、レニングラード・フィル(現サンクトペテルブルグ・フィル)とシュターツカペレ・ドレスデンの来日公演を会場で聞いた。残念ながら、チェコ・フィルは、録音でしか、聞いたことがなかった(嬉しいことに、今年3月のチェコ・フィルのコンサートのチケットが手に入った)。この三つのオーケストラを聞いて僕は、ある一つの事に注目した。この三つのオーケストラには、ソロを吹くとき、ビブラートをかけるホルン奏者がいるという事だ。所謂「西側」のオーケストラでは、たった一つの例外(昔、N響のホルン奏者の千葉馨は、ビブラートをかけていた)を除いてホルン奏者がビブラートをかけているのを、僕の記憶では、聞いた事がない。ホルンのビブラートが東西の文化の違いを象徴的に表わしているなどと言ったら、これは、あまりにうがった見方に成ってしまうが、少なくとも、「西側」では、ホルンは、ビブラートをかけて吹くべきではな い、という暗黙の了解があったのではないかと思う。余談になるが、昔、バーツラフ・ノイマン指揮のチェコ・フィルのドボルザークの九番「新世界」の録音を聞いた時には、クラリネットもビブラートをかけて演奏していた。
アルト・サックス奏者のマーシャル・ロイヤルは、「カウント・ベイシー楽団」のリード・アルトでコンサート・マスターである。同楽団の中期から後期にかけて活躍したプレイヤーだ。僕は、「カウント・ベイシー楽団」の独特の演奏スタイルを確固たるものにしたのは、リーダーのカウント・ベイシー(ピアノ)と、マーシャル・ロイヤルだと思っている。彼がバンドに居ると居ないのとでは、バンドの演奏の質に微妙な違いが出てくる。だから、「カウント・ ベイシー楽団」を初めて聞く人には、マーシャル・ロイヤルがメンバーに入っている、「Breakfast Dance and Barbecue」、「April in Paris」、以前このブログで取り上げた「THIS TIME BY BASIE(CD版は、11曲目までがオリジナルで、12曲目から16曲目は、他のアルバムからのものである)」、「Atomic Basie]を薦めたい。