あくまでも、僕が聞いた範囲内での独断の選曲になってしまうが、まずはチック・コリアのアルバムの「リターン・トゥ・フォーエヴァー(1972年)」から3曲目の「What Game Shall We Play Today」をあげたい。聞いていると、「楽園で妖精と戯れている」という気分になってすがすがしい。次にウェザー・リポートのアルバム「ヘビー・ウェザー(1977年)」から最初の曲の「バードランド」。これを初めて聞いた時は興奮してしまった。この曲は「マンハッタン・トランスファー」もカバーしているが、こちらも実に楽しめる。それからザ・クルセイダーズのピアニスト、ジョー・サンプルのソロアルバムである「虹の楽園(1978年)」から1曲目のアルバム・タイトルと同じ「虹の楽園」。メロディーもピアノソロも美しいが、ギターの演奏も印象深い。それからスパイロ・ジャイラのアルバム「モーニング・ダンス(1979年)」の1曲目の「モーニング・ダンス」。これは「リゾート気分」にしてくれる。最後にラリー・カールトン(G)のアルバム「Strikes Twice(1980年)」から1曲目の「Strikes Twice」。何と言う平和で明るい「スペース・ミュージック(?)」であることか。




「フィール・ソー・グッド」や「サンチェスの子供たち」などで有名なチャック・マンジョーネ(1940年~)は、イーストマン音楽大学卒のアメリカのトランペット、フリューゲルホルン奏者、作曲家だ。過去にはアート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズにも所属していたことがある実力派だ。30年以上前に、僕にビリー・ジョエルの「素顔のままで」をテープに録音してくれた友人が、チャック・マンジョーネの曲も録音してくれた。しかし僕はそのテープを紛失してしまい、また曲名も覚えていなかった。いい曲で、今日まで頭から離れることがなかった。しかし最近になって、それが「MAIN SQUEEZE」というアルバムの2曲目の「IF YOU KNOW ME ANY LONGER THAN TOMORROW(1976年)」という曲だとわかった。久しぶりに聞いた時は嬉しかった。この曲はフージョン・ナンバーだが、アンサンブルよりもソロに重点を置いていて聞きごたえがある。サウンド的にはギラギラしてなく、個々の楽器の自然な音が聞けシンプルな仕上がりになっている。この曲を聞いていると「満天の星空の下にたたずんでいる」という気がしてくる。

妻と結婚する前に、二人でジャズ喫茶に行ったことがある。その時、ザ・クルセイダーズの「STANDING TALL(1981年)」というアルバムがかかった。僕にとっては、「UNSUNG HEROES」以来初めて聞くアルバムだった。彼女はこのアルバムが気に入ったようで、後に僕にプレゼントしてくれた。1976年にオリジナル・メンバーだったウェイン・ヘンダーソン(Tb)と準メンバーのラリー・カールトン(G)が脱退しているのだが(ラリー・カールトンは「SUTANDING TALL」にはゲストとして参加している)、「STANDING TALL」にはチョッパー・ベースで有名なマーカス・ミラーがゲストで参加し、サウンドに躍動感と重量感を与えている。また2曲ほどボーカルのジョー・コッカーをフィーチャーしている。ラリー・カールトン以外にはバリー・フィナティー、デヴィッド・T・ウォーカー、ディーン・パークスのギターがゲストで参加している。そのサウンドは時代の潮流に乗りシンセサイザーも使われより電化され、また音楽的には編曲に趣向を凝らし、よりポップなものになっている。印象に残る曲は、1.「STANDING TALL」、2.「I‘M SO GLAD I‘M STANDING HERE TODAY」、3.「SUNSHINE IN YOUR EYES」、5.「LUCKENBACH TEXAS」だ。