楽園のカンヴァス | My favorite is …

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好きな音楽や本、映画に出逢った時、そこに関わるエピソードが必ずあります。

人間は時間的存在である。

それゆえに、過去の断片化した記憶を綴り、書き記していこうと思います。






その瞬間——、
閃光が走ったかのように芯から震えた





伝説のコレクターと噂されるコンラート・バイラーより、一通の招待状が届く。Mr.ブラウンは招かれた先で、アンリ・ルソーの秘められた名作(マスターピース)と相対する。


彼に課せられた命題は7日間で7章から成る物語を読み、この絵の真贋を見極めること。



偽りのモダンアートの権威と競うのは、美術史学会で注目を集める新進気鋭の天才学者オリエ・ハヤカワ。


知力と眼識がぶつかり合う一騎打ちとなった勝負の行方は…その見事なまでの結末と秘められた真実に心震える。










アンリ・ルソー作「夢」は謎の多い作品だった。





なぜ密林なのか。それともこれは楽園を模したものなのか。なぜ女性は裸で長椅子に寝そべっているのか。その指先は何を指しているのか。いや、元々何かを持っていたのか。


物語の鍵を握るのは、
絵の中の裸身の女性「ヤドヴィガ」。


彼女が横たわる赤いビロードの長椅子は、夢と現のはざまにたゆたう方舟。貧しい老画家が恋い焦がれた永遠を生きる女神(ミューズ)。










あの楽園の下には—ピカソの「青の時代」の大作が眠っているのよ。





ルソーとピカソの世にも稀な二重作品(ダブルワーク)を巡る裏の攻防。


美術界においてサーの称号を持つ学者
アンドリュー・キーツの影

ティムを脅迫するオークションハウスの統括者
ポール・マニング

暗躍するバイラーの法定代理人
エリク・コンツ

そして、栗色の髪の謎の女性
ジュリエット・ルルー









この作品には情熱がある。画家の情熱の全てが。


ルソーは20世紀美術の大変革に一役買ったアーティストであり、彼がいなければピカソは絵画革命を進められなかったし、シュールレアリズムの誕生もなかったと評されている。


パブロ・ピカソ作
「アヴィニョンの娘たち」
「青い母子像」


アンリ・ルソー作
「詩人に霊感を与えるミューズ」
「飢えたライオン」




かの時代の研ぎすまされた感性と新しい表現への希求。 セザンヌ、ゴーギャン、マティス、ドラン… 彼等の絵画にはその情熱が、飽くなき情熱とその魂が込められている。




そういえば少し前にフェルメールの展覧会が話題になっていた事をふと思い出した。



真珠の耳飾りの少女
絵画芸術の寓意
牛乳を注ぐ女



そして私が最も感銘を受けたのが
「窓辺で手紙を読む女」










画家を知るには、何十時間も何百時間もかけてその作品と向き合うこと。その意味では、キュレーター、研究者、評論家、どれもコレクターの足元にも及ばない。だが、それ以上に名画と向き合い続ける人もいる。


それは誰かって?

…美術館の監視員だよ。











P.S.   偉大なる画家ルソーとピカソへ

先駆者にして革命家、探求者にして情熱家、破壊者にして創造主。
モダンアート、キュビズム…芸術という名のカタルシス、名画の洗礼。
げ、芸術は爆発だ…


名画を理解しきれない一般庶民より