デヴィッド・リンチ | My favorite is …

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好きな音楽や本、映画に出逢った時、そこに関わるエピソードが必ずあります。

人間は時間的存在である。

それゆえに、過去の断片化した記憶を綴り、書き記していこうと思います。



- 彼はシュールレアリズムをこよなく愛する



デヴィッド・リンチといえば、鬼才、カルトの帝王と呼ばれる程の著名な映画監督である。彼の真価は映画だけにとどまらず、美術界においても評価が高く、大規模な個展も幾つも開催している。


去年、ラフォーレ原宿で開かれていた個展を見に行ったことをふと思い出した…確か「暴力と静寂に潜むカオス」という副題だったかと思う。



具象絵画にこだわり続けた画家フランシス・ベーコンに多大なる影響を受けた彼が一貫して描き続けるのは「深層心理の潜在的ヴィジョン」

それは奇怪でいて歪んだ表現であり、
内包される狂気であり、
夢を見る時のように理解不可能。











■ ロスト・ハイウェイ

ディック・ロラントは死んだ…という謎のメッセージ。美しい妻と一見何事もなく幸福に過ぎる日常。そんなある日、家の前に置かれた謎のビデオテープによって、次々と不可解な出来事が起こっていく。



次第に現実と妄想が混乱していく様は正に悪夢そのもの。各シーンでクールな音楽を奏でているのは、ナイン・インチ・ネイルズ。

この斬新なサウンド、内省的な世界観を理解するのは、リンチの映画を理解することに似ていると…いまひとつ理解できない私は、やっぱり凡人なんだろう…いつかのあの人と比べると。










■ ストレイト・ストーリー

73歳のアルヴィンは、10年来仲違いしていた兄に逢うために時速8キロのトラクターで旅に出る。ゆっくりと人生の忘れ物を探しにいくように…


車で行けばいいのに?という問いかけに老人は静かに答える。
「最初の志を貫きたいんだ。」



長く生き、色々なものを見てきた老人の言葉は、まるで摂理を達観したかのように重く深い。
「(年を取って)最悪なのは…若い頃を覚えていることだ。」



展開にドキドキすることも、涙を流すこともないけれど、
兄がトラクターをみて「あれで来たのか?」と言った時のアルヴィンの目の輝きに静かな感動がもたらされる。











ロードムービーって元々あんまり好きではなかった。
旅の先に主人公が何か答えを見いだすというそのお決まり感が嫌で…
かといって結局なんなんだよってよくわからない終わり方も嫌で…



あてのない旅をしてみたいと思いつつ
結局そんな旅をした経験がないこんな私が
ロードムービーの良さを理解できる訳がないんだ、と。

いつかのあの人を理解できなかったように…








P.S 
私がこれまで出逢ってきたロードムービーたちへ


ヴィンセント・ギャロが最高にカッコわるくてイカしてる
「バッファロー'66」

ダスティン・ホフマンとトム・クルーズの名演が光る
「レインマン」

笑えて泣ける家族の再生への道程800マイル
「リトル・ミス・サンシャイン」

ウォン・カーウァイ監督作品でノラ・ジョーンズ主演
「マイブルーベリーナイツ」


旅に出た事のない旅人より