大橋トリオ | My favorite is …

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好きな音楽や本、映画に出逢った時、そこに関わるエピソードが必ずあります。

人間は時間的存在である。

それゆえに、過去の断片化した記憶を綴り、書き記していこうと思います。



- 優しい歌を聴くと人は優しくなれる



あの頃、仕事に打ち込んでいたあの頃
休みの日も返上して会社に通い詰めていた


周りから出来る人間に思われたくて
その小さな小さなプライドを
守るために必死だった


それが私の全てだった…




郊外に借りていたアパートは
帰って寝る為だけの場所でしかなかった


大勢の見知らぬ人と共に電車から降り
駅前のいつものコンビニに寄り
いつの間にか暗い夜道を独りで歩く



灯りのついていない家に帰り
寂しさを打ち消すように
徐にテレビを付ける


部屋の照明は
テレビの明るさだけで事足りる


お湯を沸かしてカップ麺に
やかんのまま勢いよく注ぎ足す


一人で食事をするのに
慣れてしまったのはいつからだったろう…





そういえば、あの当時

店頭でみかけたキャッチコピーが
妙にずっと気にかかっていて
聴いてみようと思っていて

でも結局…
それきりだったアーティストがいたっけ…


一人なのにトリオ!?
大橋トリオを知っていますか?



-ピアノの音色が心地いい弾んだ曲
bing bang
裸の王様


-ミディアムテンポの軽ろやかなナンバー
自由の街
HONEY


-心に染みる優しい曲
アネモネが鳴いた
ホルトノキ












人と深い関係を築くのは
煩わしいだけだった

上辺だけの付き合いが楽だった
踏み込んで傷ついてしまうのが怖かった

それなら何もしない方が
ずっとマシだと思った



それでいいと思っていた…




誰にも心を開かなかった、
それがいちばん楽だったから


それに対して空しさを感じてはいたが…
気付かない振りをしていた



あれほど仕事に打ち込んできた日々
それでも少しの人付き合いはあった事を
遠く微かに淡く思い出す



信頼してくれた取引先の営業マン

共に仕事をするのが誇りだった担当者

よく気にかけてくれた上司

衝突して打ち解けた年配の女性

共に残業しながら談笑した同僚たち




あなたは決して独りじゃなかったよって…
その人たちがそう言ってくれたような

そんな気がして少し心が軽くなった
















P.S 
木を切るのに忙しくて
斧をみる暇がなかったあの頃の自分へ


一人なのにトリオ、大橋トリオを知っていますか?
たまに玄人ぶってこういうアーティストの曲をチョイスしてしまいます。


さて、それでは前置きはこのくらいにして、君の話を聞かせて下さい。


時に休んで斧をいたわる現在の自分より