平時には、今日は寒かった、今日は暖かい、春は近いなどと季節を愛でていれば気の済むことも、
被災地や各地の避難所で過ごす方達のことを思うと、胸が痛みます。
出来るだけ早く、本当に暖かい春が訪れて欲しい。今、そんな思いで一杯です。
宮城県のある地方都市で病院経営をしている友人がいました。
たまたま同年だったので、親しくしていただいていたのですが、医師としてだけでなく、人間として
素晴らしい方で、長年尊敬していました。
天災は無情なもので、もちろん彼の病院も免れることはありませんでした。もちろん電話は繋がらない。
やむなく携帯電話にメールを入れて無事を祈っていました。
すると数日後、共通の友人から「無事」の便りが届き、ホッとしていた直後に、思いがけず本人から
わざわざ電話をいただきました。
「秀ちゃん、いやー、これから価値観が変わるよ、絶対!世界が変わるわ。
72時間で生死を分けるものが何なのか、ハッキリと分かった。」
と、入院患者さんと被災者のケアで疲れきっているはずの彼から、凄いエネルギーが伝わってきます。
「え、何が分かったんですか?」
「人との繋がり。支え合うこと。それが生き死にの境目を作るということがハッキリ分かった。
今度会った時にゆっくり話そう!じゃまた連絡するわ!」
と言って、その電話は切れました。
たったこれだけの短い会話でしたが、彼が言わんとしていることはひしひしと伝わってきました。
持つもの持たざる者に別け隔てなく訪れた天災。
そこで命をつないだ人たちに共通していたことは、そこまでの人生でどう人と繋がり、支えあって
きたのか、ただそれだけ。
どのくらいモノを持っていたか、どのくらい稼いでいたか、地位や名声は一切考慮されなかった。
お互いを支え合った人たちだけが、命を繋いだと彼は伝えたかったのだと思います。
もしこのことを価値基準として世界が再構築されるとしたら、3.11という日は、日本人にとっても
人類にとっても忘れえぬ日になることでしょう。
このことからわたくしはしっかりと目を離さず生きていきたいと思っています。