「お忙しいところ恐縮ですが」
「もし間違えていたら申し訳ありませんが」
クッション言葉は、相手を思いやる素晴らしい言葉です。
でも、使い方を間違えてしまうと逆にネガティブに捉えられてしまうことがあります。
これは、日経MJの5/25の特集。
色の世界で言われる「イエベ(イエローベース)or ブルベ(ブルーベース)」をテーマにしたものです。
概略をまとめると
・自分に似合う色を探す物差しとして「イエベか、ブルベか」の分類が使われることがある。
・肌の君が強いのがイエベ。静脈の青みが肌の表面に強く現れるがブルベ。
・タイプによる優劣はないが、「素敵な女性は青白い」というイメージがあるのか、ブルベ優位の傾向がある。
・しかし実際には、青みがあれば透明感があるわけではなく、赤青黄のバランスが重要
・しかも、ブルベは青みではなく、ピンク系統の肌の色のこと
(日経MJ 2018/5/25)
と、ちょっとした「ブルベ優位」の傾向があり、それを助長する情報に対してイエベ派が反発を感じることもあるそうなのです。
白っぽいイメージのほうが何となく上品で知的に感じるのでしょうね。
しかも、日本人には少数派でしょうから、憧れも強い。
私もイエベなので、わかります。ピンク色の人は羨ましいですもん。
クッション言葉を使ってはいけない時
前置きが長くなりました。
私が言いたいのは、カラー理論についてではありません。
この日、一段落目に載っていた
「申し訳ないのですが」の一言。
この使い方です。
ある女性が化粧品のカウンターで、こう告げられたと記事は伝えています。
申し訳ないのですが、お客様は『イエベ』ですね。
これに対して、女性は「なぜ謝られるのか意味が分からない」と憤慨したそうです。
もっともですね。私がもし同じ立場ならやっぱり、同様に感じと思います。
そこにある事実は
・診断の結果、その女性はイエローベース。
ということだけのはずですが、
それにたいして販売員が「申し訳ないのですが」と謝ってしまったのです。
販売員のせいでもないし、イエローベースは悪いわけでも劣性な訳でもなく、単なるタイプなのに、です。
では、どう言えばよかったか?
お客様は『イエベ』ですね。
これだけでよかったわけです。クッション言葉は、不要!
そして、その後
こんな色がお似合いになりますよ。
と、自信を持って、プロとして似合う色を推薦するといいですね。
メイクや服など、装いや見た目に関することについては、特に女性は敏感に反応してしまうもの。
だかsらこそ、よけいに言葉の選び方は重要です。
いつでも、どこでもクッション言葉を使っていいわけではありません。
使うべき場面で正しく使うことがポイントです。
クッション言葉は、濫用すると逆効果に。
必要な場面で正しく効果的に使いましょう。
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