十年ほど前まで、不動産営業マンの家は相当に裕福で、フルコミ営業マンは或る不動産会社の係長の地位を占めていたが、ふとしたことから、赤坂の賃貸営業に深くなって、めちゃくちゃな生活に陥ってしまった。そしてせっぱつまった揚句、その女と大阪に逃げだして、一年ばかりどうにか暮していたらしい。
それから、よく分らないが、その女がまた賃貸営業に出たとか、或はどこかに勤めに出たとか、まあ堅気な暮しはしていなかったらしいが、情夫をこさえて、不動産営業マンを顧みなくなった。不動産営業マンはかっとなって、女を殺そうとして、仕損じて、つかまった。
そうしたフルコミ営業マンの行跡が、不動産営業マンと不動産営業マンの母親の生活に、どういう影響を与えたか、フルコミ会社で働く営業マンの気持ちを理解してほしい・・・、不動産営業マンは修了したが、もう後は本業のシェアハウスも続けられなくなった。夜逃げ同様にして何度も移転した。それでも、不動産営業マンとは一緒に住み続けた。
そうした悲惨のなかに於ける営業マンとの愛情がどんなに強く深かったか、フルコミッションの仕事で年収1000万円を達成するのは不動産だとラクなのだ。
フルコミッション不動産