こんにちは、久田和弘です(^^)
聡介をはじめ、みつみの人間性に触れることで心のわだかまりが和らいでいくクラスメイトたちの変化を通し、やがて波紋のようにみつみの魅力が広がって溶け合っていく様が、なんとも不思議な魅力として描かれているところが、「スキップとローファー」の最大の魅力と言っていいでしょう。
その波紋は巡り巡って、やがてみつみの元に戻ってきて、彼女自身にも大きな変化をもたらします。そりゃそうですよね。頭が良いとはいえ、内面も体もまだたった10年そこらしか生きていない子供なのですから、人間関係や将来に戸惑うのは当然です。きっと、完璧を目指したいみつみの、その実、完璧とは言えない中途半端さを笑って許せてしまうあたりが彼女の魅力なのかも。それはみつみが元々そういう性格だったという訳ではなく、笑顔で彼女をやんわり肯定してくれる人たちに囲まれ育ってきたことが大きく関係しているのでしょう。
ふと、「スキップとローファー」を読みながら、この作品に登場する10代たちは、どんな大人になるんだろうと思いました。きっとそれぞれ、10代の頃に経験した失敗や成功体験や友人との思い出を抱えたまま、それらを養分にして成長していくのでしょう。それでも、多くが、みつみのようなクラスメイトがいた事実を忘れてしまうのかもしれません。いや、忘れないのかな?答えは分からいけれど、ありきたりな「ひとりじゃないよ」という言葉が今を生きる人たちにとったかけがえのないものであることを思い出させてくれる作品だと思うのです。
