こんにちは、久田和弘です(^^)

桐子と春樹が「キルコ」になるまでの経緯は、子どもひとりでは抱え切れないほど重々しいものです。しかし幸いにも人格を支配しているのは春樹…タフで、射撃が得意で、サバイバル上手で、シスコンで、そしてちょっと、いやかなり夢見がちな性格の彼が主導権を握っているからこそ、魔境でなんとか生き抜いてこれたのでしょう。

そんなキルコは、自身と姉に手術を施した医者と、孤児院で面倒を見てくれたリーダー格の青年を探しながら、少年マルを「天国」という場所までガードする旅をつづけています。

 

 

「天国」と「自分の正体」を求めて魔境を彷徨うふたり2

一方、キルコにガードされながら彼女とともに天国へと旅をつづける少年「マル」。彼は身体能力がずば抜けて高くケンカ慣れしているため、一見ガードは不要そうです。が、サバイバル能力が皆無で一般常識も危ういため、恐らくひとりではすぐ死にます。公共の乗り物が機能していないこの世界での移動に車は不可欠だから運転技術は必須、自力で食べ物を見つけてもほとんどが賞味期限切れなので焼いたり似たりする料理スキルもいる…というように、サバイバルにはとにかく経験と知恵が不可欠ですが、マルはそのどちらも持ち合わせていません。
その理由は、彼がずっと「大人の言うことを聞きながら後ろをついて生きてきた」からです。不思議なことに、彼の出自について知る者はほとんどおらず、また彼自身も「自分の正体」をほとんど把握していないのです。