今日は、同じ英語科の先生から、「今、どんなことやってますか?」と聞かれた。「読むこと」の活動について語り合った。
僕は、読むことの活動がずっと苦手だった。読むことにおける「コミュニケーション」っていうのが、よく理解できなかったので、「英文読解」の領域を抜け出せなかった。
でも去年、「読むこと」について研究する機会をいただいて、その時にけっこう勉強したから、今はなんとなく、「読むこと」のコミュニケーションについて、自分なりの解釈があって、理想の形も何となく掴みかけている。そんなことについて話してみた。
まず、教科書のつくりだが、だいたいの教科書は、短めのステートメントやダイアログが2~3くらい(いわゆるパート1、パート2…みたいな感じのページ)あって、そのあとにReadingのパートという感じだろう。そして最後には書く・話す、というアウトプット、プロダクションの活動でレッスンが締めくくられるパターンが多いと思う。それをどう料理するか。。。
僕は、最初の小パートは、ステートメントかダイアログかで少々扱い方を変えている。ステートメントの場合は、「単元全体のウォームアップ」のような感じで、話し手の言いたいことを読み取ったり、文法の練習をして自分の表現につなげる橋渡しのように扱っているような気がする。
ダイアログの場合は、相手意識をもって行うやり取りにつなげられるように、コミュニケーションの目的・場面・状況に注意を払いながら、そのコミュニケーションの流れを確認して、音読練習を行って追体験を行うような感じで進めていると思う。
つまり、「教科書」は間違いなく「読み物」だから、どんなテキストであっても行っている動作としては「読むこと」以外にはあり得ないのだけど、最初の短いテキストは、「読むため」ではなく、「話すため」に活用する意識が強い。話すことにつながるように、音読したり、目的・場面・状況に応じた文法を用いて伝え合う練習をしたり、そんな感じの授業をするようにしている。
このことについては別の記事で詳しく書くとして、今日、同僚から質問された、「読むこと」についてまとめる。
教科書のReadのパートについては、今使っている教科書は非常にボリューミーだ。その長いテキストを、どのように読んでいけばいいのか。僕が大事にしているのは、「目的・場面・状況」と「テキストタイプ」に応じた読み方だ。これを、3年間かけてマスターしていくようにするとよいのではないか、と考えている。
読むことの目的・場面・状況は、テキストタイプと関係があると考えている。勝手な持論だけど、例えば「物語」であれば、読むことの目的・場面・状況は、物語全体のあらすじや、場面ごとの、登場人物の心情の移り変わりなどを読み味わうこと。「説明文」であれば、何のテーマについて、全体として何を伝えようとしているのかを読み取ること。「メール」であれば、書き手の伝えたい要件を読み取ること。「ガイドブック」であれば、書き手が読み手に伝えたいその地の魅力や注意点を読み取ること。
前者2つのテキストタイプであれば「概要」、後者2つであれば「要点」。とまあ、こんな感じで、テキストタイプと目的・場面・状況は、切り離せないと思っている。
そして、それらに応じて読むために、いろんな手掛かりがある。タイトル、件名だけでも、つかめる情報はある。そして何よりも、段落読みをつかませていくことが大事だと思っている。ここからは、国語の授業と通じる部分がたくさんある。形式段落と意味段落、序論から結論に至る話題の展開、こういうことを、「読むこと」を通して掴ませていく。これが、3年になって効いてくる。そう思っている。一つの段落を取りあげて、初めに主張があり、支持文があって…という構造を学んでいく。次のステップとしては、そういう段落一つ一つにも関係性があって、筆者の主張にあたる段落を、根拠を示すことで支持する段落があり、そうやって論が強められて結論に向かう、ということも学んでいく。文と文の関係性から、段落と段落の関係性を読むことへと、発展的に読めるようになっていくことで、書き手のメッセージを、テキストタイプと目的・場面・状況に応じて読み取ることができる力を付けていく。これが、読むことのコミュニケーションではないか、と今は思っている。
なんて、こんなことを言い合いながら時を過ごせる同僚がいてくれるのは、とてもありがたい。自分も、今日の記事を書くきっかけになった。そんな話をしていると、隣の席にいる数学の先生も話に入ってきて、盛り上がる。
今、とっくに限界を迎えた(と思って半ばあきらめている)公立学校でも、このような同僚がいてくれることで、自分を高めることができている気がする。そして、僕も誰かを高め合っていれば、とてもいいな、と思う。主任の中では若手なので、若手を束ねる立場にいると思っている。今の自分は、かつて自分が若造だったころ、あの先生が担っていたポジションだな、と、何人かの先輩先生方の顔が浮かぶ。そんな立派な存在には到底なれていないけど、もっともっと、今の居場所を充実させていくんだ。お互いの力を高め合っていくんだ。