前述の、StarterというReadingパート。どのように授業をすればいいのでしょうか?

「読むこと」の言語活動はどうあるべきか。学習指導要領を見ると、「必要な情報」「概要」「要点」を読み取り、内容を理解したり、それに対する自分の考えを述べたりすることが、例として挙げられていました。

 

つまり、①読むことに「目的・場面・状況」があること、②読んだ内容について自分の考えを述べる場があること、などが、授業で考えうる言語活動かな、と思います。

 

3年生では「Stand By Me」と「True Colors」という二つの楽曲の紹介記事を、2年生では「Peter Rabbit」と「Sherlock Holmes」という二つの物語の紹介文をそれぞれ読み、僕の場合は最後に生徒に問いかけました。”Which do you like?”または、”Which book do you want to read?”です。

 

読んで、理解して、終わり。そんな授業はこれまで自分も山ほどやってきましたが、最近は、できるだけ読んだことについての生徒の考えを問うようにしています。そうすることで、「読むこと→話すこと、書くこと」の技能を統合した言語活動が可能になります。これもなかなか、生徒が自分の考えを英語で言えるようになるには時間がかかりますから、こちら側にも「耐える力」が必要です。できるだけ生徒と英語でのやり取りにチャレンジしていますが、多くの生徒は、言える部分だけ英語で言って、あとは日本語に逃げます。そういう時も、生徒が日本語に逃げた表現を「What's ○○ in English?」と教室全体に問うて、英語での表現を確認するようにはしていますが、前途多難・・・道は果てしなく遠く感じます。

 

でも、これ、やはり僕が逃げてしまってはいけないんですよね。たとえ生徒の回答に日本語が混じっても、それを英語で言うにはどうしたらよいかと考えるマインドを、常にこちらが諦めない。そういう姿勢でやっていこうと思います。

 

言語活動。とても工夫のし甲斐がありますね。

教科書のLesson1の最初に、StarterというReadingパートがあります(New Crown)。僕は読むことの指導が苦手ですが、去年から、それなりに頑張って研究をしてきました。今回は、3年生では「Stand By Me」と「True Colors」という二つの楽曲の紹介記事を読む、2年生では、「Peter Rabbit」と「Sherlock Holmes」という二つの物語の紹介文を読む、というものでした。

 

2年生には、まだパラグラフ・リーディングを教えていないので、新出語句を確認した後、本文をアニメーション付きの音声で聞き、その後T/FクイズやQ&Aで少しずつ理解をします。

 

(T/Fは、1回尋ねて、分からなければそこを読むという目的意識を持たせ、もう一度読んでから再度問うようにしています。Q&Aは、一通り読んだ後に、内容を確認する意味で行っています。)

 

そのあと、日本語の穴埋めをあらかじめ用意しておき(配布はしない)、スクリーンに表示して、生徒と一緒に、そこに入る語句を確認していきます。そのようにして、文章全体の内容を理解していくようにしています。一文一文を日本語に訳す指導は、数年前から一切していません。そういう読み方を教えても、目指す力は身につかないと思っているからです。

 

まあ、2年生はこんな感じです。

 

3年生は、T/Fクイズあたりまでは2年生と同じ感じですが、すでにパラグラフ・リーディングを教えてあるので、段落ごとに、主に述べられている情報を、全体で一緒に共有していきます。個人で読む時間を5分くらい、友達と共有する時間を2分くらいとって、徐々に理解を深めていきます。その後、全体共有して、内容を整理していきます。

 

このように、段落ごとにどんなことが話題になっているかを、途中で解説や日本語訳を入れずに、文章全体を読ませながら確認していくようにしています。

 

これが正しいのかは、分かりませんが、読む力は付いているような気がしています。

 

 

このような読み方を進めていくためには、「分からなさに耐える力」(ネガティブ・ケイパビリティーという言葉でいいのでしょうか?)が必要だなと感じています。

自分が担当する生徒たちや、僕自身の息子の姿を見ていても感じることなのですが、最近の子どもたちは、すぐに結果や効果を期待しすぎているように感じます。情報でもなんでも、すぐに手に入る時代。自分がしたいと思ったことを、さほど苦労せずにできてしまう時代。そんな中を生きている子どもの中には、すぐに結果や答えや成果が分からないと、嫌になってしまう子が多いような気がします。

 

しかし、英語という、日本で生まれ育ってきた子たちにとっては未知の言語を前に、「分からない」は当たり前であって、「たとえ分からなくても伝えようとする」とか、「お互いに理解しようと努力してコミュニケーションを取る」とかいうことが、絶対に必要不可欠であると思うのです。そういうマインドを、英語の授業で育てていかないといけないと思っています。

 

もちろん、「分からなさ」は、英語以外の教科でも存在します。数学でも理科でも、分からないことはいくらでもある。でも、特に英語は、身の回りに、英語から日本語に「誰かが訳してくれて」存在しているし、パソコンでもスマホでも、すぐに翻訳ができる時代です。分からない英語が、即座に日本語になる。そんな環境にいては、「なぜわざわざ英語を学ぶの?」と思うことも、「さっさと日本語に訳せば内容が分かるのに」と思うことも、当然でしょう。そう、当然の世の中だと思うのです。

 

 

でも、そうではない。コミュニケーションとは、「分からなさ」の中を、互いが協力して距離を縮め、理解していくことなのではないか。そうやって、初めて知り合った人と仲良くなっていったり、互いのことを深く知っていったり、自分の考えを相手に理解してもらったりしていくものだろう。と思うです。

 

だから、英語は、言語を学ぶだけではない。コミュニケーションの力を付けるのだ。それには、「分からなさを耐える力」が必要だ。

 

 

そんな考えもあり、日本語で意味が分からなくても、全訳をしたりせずに、少しずつ内容を理解していくようにしています。すぐ「分からない」「難しい」「(´・д・`)ヤダ」という生徒は、確かにいますが、1年もそういうことを僕がやっていくと、それがだんだんと当たり前になり(諦め?)、英語の授業ってこういうもんなんだな、と思ってくれるのか、だんだんと読み方を身に付けるようになります。すごいことだなと思います。

 

でも、これを続けるには、僕自身に最も「分からなさを耐える力」が必要なんですけどね(笑)。生徒がついてきてくれるか、正直分からない、つい日本語で教えたくなってしまう、つい訳したくなってしまう…そういう気持ちを「持ち堪える」ことが、英語教師には必要なのだと、言い聞かせながら頑張ります。

いやー。久しぶりにやったわ。Simon Says。

 

もう言わずと知れた超ド定番の活動ですが、面白いですね。

 

でも、僕はあまりテンポよくやれなくて盛り上がりに欠けるので、若い頃はよくやったけど、近年は全然やってなかったんですね。

 

 

今回、なぜそんなSimon Saysをやったかというと、Classroom Englishの導入にやってみようと思ったからです。

新任の先生で、授業づくりのことについて僕にいろいろと質問してくれる先生がいます。その先生から、「Classroom Englishってどうやって導入してますか?」と訊かれたんです。

 

その時の僕の返答。

「そうだなぁ・・・Classroom Englishって、教え込むってよりは、何度も使う中で浸透させていくような感じだと思っているからなぁ。」(つまりそのページはあんまりちゃんと扱ってないってことだよ…)

 

それでも、最初に「先生は授業中に英語で指示出すよ」ということは伝え、「それはこんな英語だよ。こんな意味だからね」くらいの導入はしておこうと思って、それで、「英語での命令文といったら、Simon Saysかなぁ」と、まあそんな感じで。

 

 

でもやってみて、1年生の子どもたちは盛り上がっていたね。これは、やってみてよかった。

 

 

いろいろな活動、教育法、勉強しては試して、失敗してここまできたけれど、やはり折に触れて再考して、追試して、新しいものを発見していくことは大切だなと思った。

授業が始まり、だんだんと日常生活が戻ってきた。この時期は、まだ心が熱く燃えていて、授業づくりも本当に頑張っている。やる気に満ちている。それがだんだん忙しくなってきて、疲弊してきて、こちらも手を抜きたくなる。じきに子どもたちの中にもいろいろ出てきて、対応に追われるようになる。だから今のうちに、今年の決意が揺らがないように、授業づくりにかけるこの想いを確固たるものにしていくことが必要だ。そんなことを思う。

 

・・・具体的な策はなく、結局根性論なところもあるけれど。。。

 

 

さて、金曜日は各学年の授業で前年度の復習的なことをやった。例えば3年生であれば、

・「こんなとき、こんな気持ちになる」という会話(接続詞when)

・「○○するためのものがほしい」という会話(不定詞の形容詞)

・「~したことある?ない?」という会話(現在完了の経験)

 

こんなことをやった。特に不定詞は、今回は形容詞用法の復習だったけど、なかなか面白かった。

 

A: I want something to eat. Do you have something?

B: Ah... I have 〇〇(ワークシートのリストの中から). Here you are.

 

こんな簡単なやり取りをしながら、できるだけたくさんの人と会話し、人からものをもらうゲーム。よくやりがちなやつだ。

でも、これじゃひと昔前にやってたアクティビティーと変わり映えしないなぁと、眠い目をこすって考えて、ちょっと「しばり」を加えることにした。

【しばり①】人にあげちゃったものは、なくなる(二人目にはあげられない)

【しばり②】目当てのものと違っても、相手の好意を無駄にしない(断らない)

【しばり③】リストを少なめにしておく(全部の枠は埋められないようになっている)

 

これでやってみた。そうすると、

しばり①の効果により、いろいろな人と会話をしている様子が見られた。

しばり②と③により、食べ物がほしいのに、変なものをもらったりする生徒がたくさんいた。

 

活動の後に、生徒とやり取りをする。

T: What did you get from your friend?

S: I got "サボテン" to talk to. 

 

ちょっとしたことだけれど、クラスで笑い合える場があるのはいいな、と思った。

 

新学期。僕は最初からできるだけ飛ばすけど、生徒にとっては、授業が嫌にならないように、去年の復習を大切にしながら、緩やかな助走で始めていきたい。

令和6年度の授業開き。年度始めって、どうしてこんなに忙しいんでしょうね。準備の時間なんで全っ然ありませんでした(笑)。

 

と、言い訳するのは止めて、何があってもその時のベストを尽くすことを、今年度は誓った。がんばる!

 

 

初めてのクラスの授業で、まあみんながすぐに楽しめるのは「クイズ」かなと思って、Teacher's Quizを出題するのがここ数年の自分の授業です。イラストを使って三択にしておくことで、英語が苦手な生徒や、文字に慣れていない1年生でも楽しめることを意識しています。

 

例えばこんな感じ。フリーで種類も豊富な「いらすとやさん」には感謝感謝です。

 

で、クイズを使ってひと通り教科担任の自己紹介をしたところで、

 

 

このように、自分のことを相手に伝えるための内容や表現をリピートして、私が使った表現を生徒に手渡します。そうすることで、次はペアワークにすれば、ペアで自己紹介ができます。全部の項目を言う必要はありません。言えるところだけ、ということにしてみました。

 

出だしはけっこう、いい感じ。しっかり授業の流れを作っておくと、オールイングリッシュの授業でも生徒はしっかりとついてきてくれたなぁって感覚があります。

 

さて、これから、どんな言語活動ができるかな?楽しみながら頑張ろう!