誰かがドアをノックした。
「岸田さん?入りますね。」
「あ・・・、どうぞ」
岸田・・・?俺の名前は岸田というのか。
「気分はいかがですか?」
歳は20代後半だろうか、まさに明るいという言葉がぴったりな女性だ。名札に「松本」と書いてある
「頭痛がします。すみません、私はどうして病院にいるのでしょう?」
松本は一瞬驚いた顔したが、すぐに業務用の笑顔に戻っていった。
「覚えてないのも無理ないですよね、一週間近くも目を覚まさなかったんだから。」
岸田は驚きながらも、もう一度質問した。
「それで、なぜ病院にいるんです?」
「先生、九〇一号室の患者さんが目をさまされました」
ショートヘアーで色白の松本は、いつもの活発な声で藤原に話しかけた。
「そうか。すまない、先に行って様子を見ていてくれないか。すぐに行く。」
白髪混じりの藤原は、患者のカルテを見ながらいった。
「はい!」
松本は少し小走りで、九〇一号室に向かっていった。