金土にかけて大阪に行く。金曜の夜、大阪駅を出て大通り沿いにあるホテルに行こうとしたのだが、この大阪駅前というのは、車優先で設計されていて、歩行者に優しくない。
いつだったか、酔っぱらったサラリーマンが車道を横断しようとして車に跳ねられ、そのまま何キロも引きずられた、という現場あたりで、案の定道に 迷ってしまった!! あとで地図を見てわかったのだが、あるべきところに横断歩道がない。ああ、だからあのサラリーマンは車道を横切ろうとし、運悪く無法 者の車に跳ねられ、無惨な最後を迎えたんだ、と実感。
迷ったところに、なにやらたくさんの人が吸い込まれて行く商店街がある。方向的にこっちだろうと、その流れに沿って自分も入ってみることにした。
一応、iPhoneで目的地と現在地が分かる設定にしたので大丈夫だろうと思っていたのだが、どういうわけかこのiPhoneのGPSが正確でない。東京ではかなり正確に道をトレースしてくれるのに、大阪では明らかにずれている。
なんとか大通りに出て、勘で歩いて行ったら、ようやくホテルに辿り着いた。
やれやれ。
ホテルの裏側に、さっきの商店街の続きがある。
ちょっと歩くと、なにやら不気味な光景に出くわした。商店と商店の隙間の向こうに、暗い空間がぽっかりと空いているのだ。明かりに照らし出された 建物の感じから、神社らしきものであることはわかったのだが、行ってみようという気にはならず、そのまま踵を返して、四天王というラーメン屋に入る。
梅とカイワレ大根をトッピングしたラーメンが美味。
さて、先ほどの不気味なゾーンであるが、「露天(つゆのてん)神社」、通称「お初天神」といい、近松門左衛門の「曾根崎心中」のもとになった心中 が実際にあったところだとわかった。そして、商店街の名前も「お初天神通り」という。おいおい、だったら、もっと神社を大事にしろよ、もっと、正面にだー んと鳥居がかまえているだとか、そういう配慮はないのかね、といいたくなった。Googleのストリートビューで確認してみると、どうやら別の入口には、 それなりの鳥居が構えているみたいなのだが、にしても狭い。

http://www.tuyutenjin.com/

大阪駅前は、まがりなりにも区画整理がされていて、大きなビルが林立しているのだが、そのすぐ脇に、こういった猥雑な商店街が息づいているというところが面白い。
土曜の帰りは、地下道を歩いてみることに。
ともかく地下道がけっこう張り巡らされていることはわかったが、やたらと段差が多く、もっとスロープがあってもいいのにと思ったが、せわしない大阪人には邪魔臭いものなのだろうか?
大阪駅で買った「諸国めぐり」(?)といったような名前の弁当は、よかった。よく煮染めた椎茸、大きめの大根、人参、カボチャ、里芋、蒟蒻、パプ リカ、湯葉、煮豆、ハム、白身魚、卵焼き、白ご飯に紫の紫蘇ご飯、梅干し、大根と昆布の漬け物。これだけ入って1,000円は安い。

comdesignのブログ-梅カイワレ大根ラーメン comdesignのブログ-四天王 comdesignのブログ-諸国巡り弁当(?)


その昔、『秀吉と利休』(野上弥生子)という小説を読んだことがある。どんな小説だったか、すっかり忘れてしまったが、表紙だったか挿絵だったかの利休の姿だけ、強烈な印象があって、それだけは忘れないでいる。
と、先週の「歴史秘話ヒストリア」で「”ひょうきん”に命がけ~戦国武将・古田織部 美の革命~」を見たところ、利休の弟子であった織部が、時の権力者、家康に切腹を命じられ、利休と同じような最後を遂げていることを知り、驚いた。
利休の首を一条戻橋で梟首にした秀吉も凄まじいが、織部にまつわる一切を破壊し、徹底的に歴史から抹殺しようとした家康も凄まじい。
番組では、織部焼きが当時のゴミ捨て場から大量に発掘された様子を映し出し、難を恐れた大名や町人が一斉に、織部にまつわる焼き物を処分したと解説していたが、なるほど徳川300年の始まりというのは、そういうことだったのかと合点する。
時は1615年、大阪夏の陣が家康の勝利に終わり、豊臣の世から徳川の世に代わろうとしていた中、豊臣恩顧で茶の湯の師匠、織部の人脈、文化的影響力は、家康にとって最後にして最大の脅威だった。織部の目から見れば、家康は権力の簒奪者以外のなにものでもない。
昔から、織部焼きのアバンギャルドなところが好きだったけど、利休、織部のアートをつきつめていくと、その自由な精神は市民革命までつながりかねない。
そういう意味では、戦国時代は日本のルネサンスであり、その躍動は洋の東西を通じて脈打っていた、ということを改めて感じた。
割れを愛でる織部好み、その味わいが一段と深まった。

http://www.nhk.or.jp/historia/backnumber/34.html
「笑う門には福来る」は立派な経済理論である。
NHK「ご近所の底力~我が街を元気にしたい~」を見て、そう思った。

http://www.nhk.or.jp/gokinjo/backnumber/100205.html

山梨県大月市が、ご当地B級グルメ「おつけだんご」(高速道路サービスエリアメニューコンテストで最優秀賞を取っている)や農産物の直売所で町起こしをしようとして、真面目に地域活性化に取り組んでいるのに上手くいかない。
それはどうしてか? 真面目すぎてつまらないからである、というのがその答え。

富士宮やきそばで町起こしに成功した静岡県富士宮市。そのきっかけは、「だじゃれ」だったという。町おこしの会の名前を「やきそば学会」、メン バー名を「やきそばGメン」と名付けたことで、NHKローカル局のニュースでちょっとした話題に。最初は苦笑や冷笑であったかもしれないが、「やきそばア カデミー」と名付けた講習会を地道に続けているうちに、富士宮やきそばの良さが口コミで伝わって行ったという。
ここで、もちろん最も重要なことは、富士宮やきそばが「美味しい」ということ。しこしこした歯ごたえの堅麺と、イワシなど旨味たっぷりのスパイ スが、どうやら「美味しい」の秘密らしいのだが、これがB級グルメのコンテスト「B1グランプリ」で2年連続グランプリをとったことで、ブームに火がつい た。その経済波及効果は、217億円(地域デザイン研究所調べ)に及んだという。
仕掛人のふじのみや本舗 渡辺英彦さんの「だじゃれ」の悪のりぶりは半端じゃなく、その軽さが「不景気」をぶっとばすエネルギーの原動力となっている。

お金をかけずに直売所を成功させている長野県伊那市の産直市場グリーンファーム。年間50万人が訪れ、10億円の売上があるという。直売所の責任者、小林文磨さんが語る成功の秘密は「楽しい」。
蜂の巣や鹿の角、落ち葉、たわしで作った狸、錦鯉の稚魚、ぺんぺん草、使わなくなった農機具、など、農作物だけでなく、「なにこれ?」というものがいろいろあって、ここに来るのが楽しいというわけである。
辺鄙な場所で、耕地も小さい。そんなハンディを克服したのは、「笑い」の精神であった。
これまで、農家は一生懸命農作物を作っても、市場が価格を決め、安売り競争に巻き込まれて全く儲からない。これが、市場原理至上主義の欠陥。
直売所では、価格を決めるのは農家自身。直売所のマージンが2割と決められているため、消費者はスーパーで買うより安く買え、農家はスーパーに売るより儲けることができる。

リーマンショック以前に、「笑う門には福来る」は立派な経済理論であるといったら一笑に付されたことであろう。しかし、リーマンショック以降は、市場原理至上主義者や金融工学専門家こそ、一笑に付されるべき存在である。
「笑う門には福来る」は、「笑う門には幸福が来る」という意味でもあり、「笑う門には福沢諭吉が来る」という意味でもある。
というのは冗談だが、「円」が「縁」から来ているということを理解できない経済学者には、なんら建設的な発言はできない。なぜなら、経済活性化の鍵は「縁」の構築にあるからである。