夜勤明けのコマオは寝床へ戻るなり急いで支度をし、車検のためディーラーを訪ねた。
予定の時間より15分早く到着したコマオは担当のK下と握手を交わす。
K下とはもう7年の付き合いになる。
今回の車検は内容よりも日にちと価格を優先した。
結果、嫁の出産予定日に間に合うようK下が段取りしてくれた。
また、出産に伴う出費を考慮し、あまりお値段の張るプランは除外してくれた。
K下はそういう男である。
しかし、K下は非情でもある。
今回の車検は日にちを優先するあまり、代車が用意できないとコマオに告げた。
ディーラーから寝床までは徒歩で15~20分。
夜勤明けのコマオが真っ昼間に歩く時間ではない。
こちらの言い分ばかり通すわけにはいかないので、コマオは代車不要をK下に伝えた。
実際に歩いてみると、想像よりも容易いものではあったがやはり途中のローソンに吸い込まれてしまった。
ペプシをぶらぶらさせながら再びコマオは歩く。
肝心の愛車は明日の午後6時にとりに行く予定である。
つまり、また歩く。
嫁の出産に比べればと、コマオはより大きな物事に比べるがあまり上手くはない。