夜勤明けのコマオである。
コマオは夜勤中に仕上げた企画書を業務主任に提出し、前回の会議における議事録のコピーを各部署に配布した。
さて、そろそろ倒れそうだから帰宅しようと狭い男子ロッカーで更衣をし、静かにドアを開けたところで同僚のYさんに出会った。
出会ったというよりは待ち伏せされた形だ。
Yさんと嫁は仲良しで、一緒に旅行したりする仲である。
旅行の際の駅や空港への送迎は勤務に支障がない限りコマオが駆り出される。
「コマオさん、ちょっと早いですけど」
と、Yさんはコマオにロフトの包みを手渡した。
もうそんな季節かとコマオは絶望した。
若かりし頃は時期が近づくにつれ、やっぱりドキドキしたものである。
二十代も終盤に差し掛かり、入籍も果たしたコマオは異性へのドキドキを失い始めている。
コマオのあかんたれ。
Yさんは毎年、何かと面白いチョコレートを下さる。
今年は夫婦で作ってくださいと、手作りチョコレートのキットをそのままくれた。
めんどくせぇなと言うコマオの表情に満足したYさんはさっさと去っていった。