おばあちゃんの教え 2 |  とある尼さんの誰にも言わないお話
一つは

『他人が言った悪口には
絶対便乗しない』




お寺は
昔は特に
村の社交場の一つでしたから、

色々な話が
祖父や祖母のもとに
持ち込まれました。


隣近所の愚痴を言っていく方などは
山ほど居たでしょうが、

適当に相槌を打って
慰める祖父とは対照的に

頑として
頷きもせずに
話を聞いているだけの祖母の姿が
そこにありました。




亡くなってからも
「気難しかった」
と評される祖母の由縁ですが、


そこには
彼女なりの
智慧がありました。


こういった場での
「ここだけの話」というものは、

たいてい
「ここだけではない話」
になってしまいがちです。

よそさまに対しての愚痴話に
うっかり「んだよね~」
などと言おうものなら、

次の日には
「お寺の奥さんに、
○○さんの事話したら、
やっぱり××だって言っていた」
と村中に広まってしまいます。

愚痴る相手を思いやって
放った相槌が、
いつの間にか悪口を
自分が言った事にされてしまう…

そんなはずじゃなかったのに…
なんて思ってももう遅い。

覆水盆に還らず
後悔先に立たず…。




状況に飲み込まれて

自分を見失う様な事はするな。





まだ小学に入ったかどうかの孫娘に、

真剣な眼差しで語った

その横顔が忘れられません。