影二つ その2 |  とある尼さんの誰にも言わないお話

私が父に連れられ
寒行に付いていっていたのは
小学2年生頃から中学に入るまででした。



教員と兼業だった父は、
学校が終わると
すぐに着替え、
私を寒行に誘いました。

その時刻がいつもちょうど
大好きな
『プリンプリン物語』の最中だったりしたので、

「え~~~~?!
これ終わってから~」
なんて言ってました(笑)


好きなテレビを
アノラック(懐かし~*)着込みながら
父を待たせ、
何とか最後まで見せて貰って
出掛けるのです。



今からおよそ
30年程の昔…。



外は雪だらけだし、
圧雪道路はツルツルすべって転ぶし、
ちょ~サッムイし、

本当は行きたくなかったけど
(実は今も…;;;;)






けど、

私が本当に嫌そうに
「え~~~~。」と言った時の
ちょっと悲しそうな
父の顔と、

寒行に廻っていると
外に布施に出てきてくれた
おばあちゃんたちの
「エライなあ~」
と言ってくれる
褒め言葉が嬉しいのとで、


ついつい、
誘われるがままに付いていく
幼いワタクシでありました…(笑)




猛吹雪の時は
父の脚にピタッと寄り添って
父の黒衣に顔を埋め、
降り懸かる雪を
防ぎながら歩きました。


足元の悪い雪道のなか、
犬コロの様にじゃれつく私を
当時40過ぎ程の若い父はものともせず、
時に笑いながら(タブン…←あれ?笑)

力強い脚どりで
経を唱え歩を進めるのでした。







そんな父を見上げながら
たどたどしい心経を唱え
歩いた暗い冬の道


真っ黒な空から
どんどん白い雪が
落ちてきて

その結晶の美しさと
父の読経の声と匂いと
濡れた冷たい手袋の感触と。。。







今でも昨日の事の様に
ありありと。


















そんなことを想いながら
歩いた今日の夕刻、

ふと

街灯から伸びた影が
二つに分かれているのに
気づきました。



網代笠を被り
鈴を持った
長い衣の…。



手前の一つは私

もう一つは…






【同行二人】





外は寒いけれど

胸の中はすっごくあったかいよ。。






お父さん、
いつも
側に居てくれているんだね。