50年前に作られた現在のパソコン | こむぎブログ~猫とコンピュータ~

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3匹のお姉ちゃん猫と3匹の弟分猫たちの日常と6匹の猫たちが登場する変な猫マンガ。
そして昔のパソコンあれこれ。

【地球防衛隊猫山出張所の新型コンピュータ】

地球防衛隊日本支部猫山出張所に新型のコンピュータが導入されました。

 

麦ちゃん  「博士、これなら私でも使えそうです!」

童子さん  「今までのコンピュータは使うのが難しかったものね」

みどりちゃん「ねー、博士ー。このフリスビーみたいなの何なの?」

童子さん  「それはプログラムやデータを保存するディスクだから、落としたりしないでね」

 

 

【ゼロックスが50年前に開発した世界初のワークステーション[Alto]】

50年前の1973年に、ゼロックス社のパロアルト研究所が開発した世界初のワークステーション「Alto(アルト)」です。

 

現在のパソコンと同じく、マウスやグラフィック表示のできるマルチウィンドウシステムが使われ、縦置きのブラウン管ディスプレイに表示された画像や文書をイメージ通りに出力するWYSIWIG(ウィジウィグ:What You See Is What You Get…見たものをそのまま手にする)を実現した高性能コンピュータです。

 

それまでのコンピュータはプログラムを読み込んでデータを入力し計算結果を得るという、計算機としての使われ方がされていましたが、Altoの登場で、計算機の専門知識がなくてもアプリケーションをマウスで選択実行し、文字の大きさや書体を自在に選び、イラストやグラフを貼り込んだ文書を作成したり、アートワークやコンピュータミュージックなど、それまでの計算機の使い方として想定されていなかったクリエイティブワークができるようになりました。

 

また、ネットワークにも対応していて、LANでつながれたAlto同士あるいは他のコンピュータとデータを高速にやり取りすることができました。

 

 

【市販されなかったAlto】

50年前の事なので、当時のコンピュータは非常に高価なものでした。

Altoも現在の価格では1台1700万円もするものでした。

ですが、未来を見据えた画期的なこのコンピュータは、おそらく国の機関や大学の研究室などには相当な台数が販売できたものと思われます。

 

実際にはAltoは2000台ほどが生産され、それもすべて開発したゼロックス社内だけで使用され、市販されることはありませんでした。

 

ディスプレイ上に印刷物のように綺麗な文書が表示され、それをネットワークを通して共有できる。

現在のペーパーレスオフィスや電子書籍を実現できる機械の登場は、コピー機の製造販売を柱としていたゼロックス社にとっては屋台骨を揺るがしかねない存在であるということで、経営首脳陣の判断で、Altoは市販されることはなく、幻のワークステーションとしてその存在が知られるだけのものになってしまいました。

 

 

【MacやWindows PCにつながったAlto】

Altoの存在を聞きつけたApple創業者のスティーブ・ジョブズ氏やMicrosoft創業者のビル・ゲイツ氏はさっそくゼロックス社のパロアルト研究所を訪れ、Altoを見せてもらい、その先進性に衝撃を受けたようです。

MacintoshやWindowsはAltoをパク…いえ、目標に開発され、現在使われているパソコンにまで進化しました。

 

計算機として作られたコンピュータが、現在では絵を描いたりアニメを作ったり、音楽を作曲したり歌わせたりというクリエイティブワークに使われるようになったのは、今では伝説となったゼロックス社のAltoがあったからこそなのかもしれません。

 

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