【3人の003】
003(みどりちゃん) 「大変!ネオブラックゴーストがミサイルを発射したわ!!」
ギルモア博士(校長) 「どこに落下するかわかるかね?」
003(みどりちゃん) 「それが、コンピュータの計算精度が悪くてよくわかりません」
003(童子さん) 「大丈夫よ、そのミサイルは威嚇ね。東京から東200kmの海上に落下するわ」
003(麦ちゃん) 「博士、ケチって単精度のフォートランなんか使わせないでよ-」
ギルモア博士(校長) 「おかっぱの003のコンピュータのほうが正確とはなあ…」
【数学最強のポケットコンピュータ】
童子さんが手にしていたのはシャープのポケットコンピュータPC-1470U(1988年)です。
上のイラストの右手前にある計算機です。
初期のパソコンには小数点以下が扱えず、桁数も6桁までの加減乗除計算しかできない単精度整数BASIC言語が搭載されていました。
それでは技術計算や事務処理には使えず、本当に趣味としてマイコンを使う人がゲームを作ったり、鉄道模型を制御したりといった目的で使うもので、それでも十分なものでした。
1980年頃になるとパソコンの処理能力や記憶容量も大きなものになり、技術計算や事務処理にパソコンを使うという時代の流れになりましたが、それでもプログラムを組むためのBASIC言語は加減乗除計算でこそ16桁の倍精度計算ができるようになりましたが、科学技術計算で使う三角関数や対数、平方根、3乗根などの数学関数の計算精度はあいかわらず6桁の単精度のものがほとんどでした。
【計算精度の高いポケットコンピュータ】
1980年にBASIC言語でプログラミングができるポケットコンピュータをシャープが発売しましたが、そこに搭載されていた数学関数は10桁の精度があり、当時のパソコンを上回るものでした。
また、パソコンのBASICで扱う数値は内部では2進数を使っているために説明は割愛しますが、計算誤差が発生し、高度な技術計算や何度も反復して計算を続けるとその誤差が無視できないほど大きなものになってしまいます。
ポケットコンピュータは関数電卓から発展したものだったため、当初から内部で10進法での演算を行い、計算結果の誤差を最小限に抑えていました。
そのため、科学技術計算用途ではパソコンを上回る精度を出すことができ、世界中の科学者・技術者がポケットコンピュータを愛用していました。
上の3DCGイラストのPC-1480Uは、特に数学関数や統計関数が豊富で、キーボードに刻印された数学記号を見るだけでその多機能さがわかるかと思います。
また計算精度は20桁を誇り、最強の数学ポケコンでした。
PC-1480Uは大学生協限定で発売されたもので、理工系学生向けポケコンとして理学部・工学部の大学生が愛用していたものです。
今回はまた昔のコンピュータネタですみませんねえ(^_^;