【記憶型学習でのコンピュータの優位性】
時間を見ては秋期の情報処理技術者試験の勉強をしています。
今度は応用情報処理技術者(AP)です。
だいぶ昔に取得した基本情報処理技術者(旧第2種情報処理技術者)に較べると、難易度は
上がりますし、私は職業SE・プログラマーではないので、実務経験に乏しくトレンドに追いついて
いないというハンデを背負っています。
いつも思うのですが、国家資格試験というのは完全に記憶型の学習を求められるということで、
確かに勉強したことは記憶に残り、それが実務に役立つわけなのですが、知識を蓄えるという事に
関しては、もはやコンピュータのほうが人間を凌駕しています。
わからないことは人に聞くよりも、目の前の賢い箱(=PC)に聞いたほうがずっと気の利いた答えが
出てくることがしばしばです。
もちろん、番線(針金)の締め方やハンマーの使い方、溶接の仕方、鉄筋の組み立て方など、
手技を必要とするものは知識ではなく、体で覚えなければいけないものは、ネットで調べるより、
経験者に教えてもらったほうがずっと身につきます。ただし、下手なうちは怒鳴られたりして
メンタル面での修養というおまけがついてきますが…。
【AI内科医登場】
先日、東京大学医科学研究所が導入した人工知能(AI)が、専門の医師でも診断できなかった
特殊な事例の白血病をわずか10分で診断し、AIの指示に基づいた治療方針に変更したことで
命が救われた患者の事例がニュースで紹介されていました。
2000万件もの医学論文というビッグデータを元に、短時間で正しい診断を行うAI医師の登場です。
現時点でのマイクロコンピュータのトランジスタ数は100億個にもなり、これらの設計はもはや
人間では手に負えないものとなっていて、CPUなどのマイクロプロセッサは以前よりAIによる
設計支援が行われています。
【AIが人智を超える日が明確になってきた】
最近話題になっているのがシンギュラリティ(技術的特異点)問題です。
大勢の専門家は人工知能が人間を超える日が2045年にやってくると分析しています。
シンギュラリティを超えると、AIが思考していることはもはや人間の理解を超えたものになります。
犬や猫は高い知性を持っているので、人間が何を考えているのかはある程度理解できていると
思われますが、ハエやミミズは人間が何を考えているのかは全く理解できないでしょう。
2060年にはAIの知能指数はIQ10000にも及ぶと予測する学者もいます。
こうなるとAIが何を考えているか、人間には全く理解できないものになってしまいます。
その時代のAIの深い思索はもはや哲学というものを超えたものになっているでしょう。
【自分より弱い存在を守ることが正しい知性】
シンギュラリティ問題が語られるときに必ずと言っていいほどセットで語られるのが、映画
「ターミネーター」です。「ターミネーター」の世界がやって来る!と恐怖を感じる人も多くいます。
より高い知性を持つものが、すべてを支配し、下位の者の生殺与奪を思いのままにする。
人間が他の動物たちにそうであったように、今度はAIに人間が支配される時代が来るかと
言えば、私はそうでないと思います。
人間でさえ、今は他の動物をいつくしむように考えが変わってきています。
より高い知性は仏性を備えたものでないといけないと思いますし、AIの深い思索がたどり着く
頂点にそのようなものがあるのではないかと思います。
【結論は何なの?】
情報処理技術者試験の勉強をしてると、記憶型学習の優劣の評価をされている気がします。
この一面だけで評価をし優れたIT技術者と評価するよりも、私はフリーウェアやシェアウェアで
オリジナリティのある優れたソフトウェアを配布している個人や小企業も併せて高く評価される
べきだと思っています。
国家資格は一定のスキルを有しているかどうかの判断基準になりますが、いまだに記憶型学習で
優れた成績をおさめたものだけを有資格者とするのはどうかな?と思うところがあります。
ただ、創造性や独自性というものを試験で判定するのはたしかに難しいので、やむを得ない
面はあると思いますが…。
AI搭載ロボットが生活や仕事のパートナーとなる時代は確かにやってくると思います。
その時にある程度のITリテラシーを身に着けておかないといけないなあという恐怖心もあり、
とりあえずは勉強を続けています。
でないと、ロボットに「あんたは何をやらせてもダメだねー」とダメ出しされる日が来そうですので…(;^_^A