突然の解散からあっという間に過ぎ去った選挙期間だったが、その間いろいろなことが起きた。

 

選挙結果も踏まえて振り返っておきたい。

 

この振り返りはコーチングの基本で、里山成功哲学でも重要視している。

 

まず選挙結果。

 

自公で過半数を超え、安倍政権続投となった。また、改憲勢力で3分の2を超える結果となり、惨敗だ。

 

力が及ばなかった。

 

ただ、立憲民主党が大きく伸び、希望の党を議席数で上回ったことで野党第1党となり、当初懸念していたシナリオは食い止めることができた。つまり、希望の党が与党、もしくは野党第1党となって、改革という名の下に改憲に向けた動きが加速してしまう事態。

 

安倍さんに不意打ちをかけられた選挙で、短期間で敏速に動かなければならないという不利な状況下では、ここまでが精一杯だろう。

 

それを考えたら十分健闘したと思う。

 

特に、立憲民主党の誕生を促したのは、市民連合があの時点で動いたことで、その後も「下からの政治、草の根からの政治」というキーワードと共に、市民との共闘ということが選挙戦を通してアピールできたからだ。

 

共産党は議席数を落とし残念な結果となったが、ここで注目すべきなのは、各選挙区で、立憲民主党候補と共産党候補の得票を足した数字だ。あるいは民進党から希望の党に移った候補者と共産党候補者の得票を足した数字。

 

例えば滋賀4区で見てみよう。

 

小寺さん(自) 79988票

徳永さん(希) 64580票

西沢さん(共) 22871票

 

民進党から希望の党に移った徳永さんの票と共産党の西沢さんの票を足すと、87451票となり、小寺さんの票を超えている。

 

つまり、当初の予定で野党共闘をしていれば勝てた選挙だったのだ。

 

共産党は多くの選挙区で得票が少ないが、野党共闘をした時に、その票が意味をなすのであって、今後の選挙を考える上でそこは無視できない。実際、立憲民主党の躍進は共産党が候補者を下ろしたことも影響している。

 

このことは民進党や連合の人たちにはしっかり認識していただきたい。

 

そして、市民はどちらかを選ばなければならない状況になった時は共産党側につくということも。なぜなら、政策的に、共産党のほうが、今回選挙に関わった「市民」の多くの考え方(安保法制反対、憲法改正反対、原発反対、消費税増税の代わりに大企業への増税、少人数学級など)と近いからだ。

 

逆に、僕たち市民が希望につけばうまくいったのではないかという見方もあるだろうが、それは無理だったのだ。政策的に違いすぎる。まさに枝野さんが言っている「妥協する必要はあるけれど、超えられない1線がある」ということ。

 

今回も、民進党内部で、「立憲民主が左に傾きすぎず、希望が右に傾きすぎなければ、より大きな勢力がつくれる」といような発言があったことが報道されていたが、彼らの言う「左」が何を意味しているのかわからないけれど、それは共産党だけでなく、市民も含まれていることを忘れないでもらいたい。

 

つまり「立憲民主が市民のほうを向きすぎなければ」と言っているのと同じようなものだ。

 

そして、これは左でも何でもない。僕ら市民も、共産党も、人間として当たり前のことを言っているだけなのだ。多くの憲法学者が違憲といった集団的自衛権の行使を含む安保法制に反対することは左翼なのか?

 

現憲法から自民党改憲草案に見られる明治憲法へ戻そうとする動きに意義を唱えることが左翼なのか?

 

福島であれだけ大きな事故を起こし、未だに収束していない状態で、なおかつ核のゴミの置き場所も決まっていない状態で、原発再稼動に反対することが左翼なのか?

 

ちなみに、自民党はずっと原発を推進してきた張本人だ。福島で事故が起きる前の第一次安倍政権の時に、福島第一原発が構造上地震や津波に耐えられないということを市民団体が伝えているのに安倍総理が無視したという事実を含めて、事故の責任を事故当時の民主党政権に押し付け、再稼動どころか海外に輸出までしていることに反対することは左翼なのか?

 

自分の言っていることが何なのかしっかり考えてもらいたい。

 

そもそも、そうした言動の背景には、市民を軽視した思いがあるからだと思う。たかが数万票しか取れない勢力など無視してもかまわないと。

 

それは、市民の会しがでここ2年間ずっと市民・野党共闘で活動してきた人たちが民進党の人たちから感じていることだ。林久美子さんは参院選後、1度も市民の会の集まりには来ていないし、今回の選挙でも元民進党候補者の3人が市民よりも連合等の組織票を選んだことでもわかる。

 

それに対して共産党は市民に協力的だった。そこまで譲っていいのというぐらい譲ってきた。こういう姿勢を僕たちは見ているのだ。政策だけでなく、人間として信用できるのかどうかという部分は大きい。

 

立憲民主党がなぜ、希望の党よりも民進党よりも市民から評価されていることをしっかり考えてもらいたい。

 

立憲民主党は永田町ではなく、市民に寄り添い、そして市民と同じ政策を掲げる共産党や社民党と協力することで、より大きなうねりになるのだ。右と左の戦いではない。永田町と市民の戦いであって、エスタブリッシュメントと草の根の戦いなのだ。

 

今後の改憲への動きに対しても、この新しい勢力を国会内・外で大きくしていくことが鍵だと思う。

 

そして次の選挙に向けても道筋が見えてきた。

どの選挙区で候補者を一本化すればいいのか。

組織票に対して市民票をどうやって伸ばせばいいのか。

共産党アレルギーをどうなくしていくのか。

メディアにどう働きかけるか。(最初から自公・希対民・共・社の2極の戦いという図式を報道しなかったことなどメディアの責任は大きい)

憲法についての認識をどう広めていくか。

 

今回は、雨の中、候補者も応援スタッフも本当に頑張ったと思う。いや、なんでここまで降るかというぐらい不利な状況でみんな大健闘したと思う。

 

みなさん、本当にお疲れ様。僕は講演会と重なり、十分に関われず申し訳なかった。

 

そして、選挙カーに乗って市民が演説したり、新しい試みもたくさんできた。共産党が受け入れてくれたのだ。選挙戦において市民からもアイデアをどんどん出し、それを受け入れ反映させてくれた。これを通して共産党も市民もお互いに学ぶことがたくさんあったと思うし、今後の動き方のヒントになったのではないだろうか。

 

共産党アレルギーをなくしていくためにできることは、今後も市民と共産党で話し合い、アイデアを出し合っていければいいと思う。

 

選挙は終わった。ただ、選挙中に出てきた様々な争点はまだ終わっていない。農業政策や教育政策も含めて。この辺は今後も学び続けていきたい。

 

ということで結果は惨敗だったが、僕たちの能力の範囲では十分頑張ったと思うし、その結果立憲民主党の躍進と新しい草の根政治の流れをつくることができたということで、成功といえるのではないだろうか。

 

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