ホラー洋画劇場Vol.27

●The Mephisto Waltz
(1971・アメリカ)
監督:ポール・ウェンドコス
原作:フレッド・マスタード・スチュアート「メフィストワルツ」
脚本:ベン・マドー
音楽:♪ジェリー・ゴールドスミス
はい、みなさんまたお会いしましたね

今日の映画は、「悪魔のワルツ」ですね。
原題を「メフィスト・ワルツ」いいます。
メフィストワルツ、あら、どっかで聞いたことあるな、
チョコレートのハイカラなお菓子の名前みたいだな
メフィストワルツ、
サラブレッドの馬の名前みたいだな
何、くだらんことしゃべらんと映画のこと話せ?

そうですね、メフィストワルツ、
皆さんよくご存じのハンガリーの有名な作曲家、
フランツ・リストのピアノ曲のタイトルですね

映画の中にも出て参りますけれども
この曲は、
悪魔が愛人の女と踊っている姿を
ピアノ曲にしたものなんですね

悪魔の音と言われる激しい和音が使われていて
ちょっと気味悪い音楽なんですね

ですから、
このメフィスト・ワルツいうタイトルで、
これは、もう悪魔の話だとわかるのね

それも、
有名なファウストとメフィストの魂のやりとりの
怖い怖い悪魔の話ですね
はい、
メフィスト言いましたら、なんとも知れんずるがしこい、
人を騙すためにいやらしいことばっかり考えてる悪魔ですね

これちょっと、
悪魔崇拝の邪教が、都会の町の中で
堂々と根づいている怖さを見せた
あの「ローズマリーの赤ちゃん」みたいな話ですね
崩壊する女性の心理を見せるいうところも
似てますね。

お化けが出てくるホラーと違って、
だんだんだんだん、恐ろしいところに追い詰められていく
心理ホラーですね

けれどもこの作品、おもしろいのは
なんとも知れん妙な儀式で、悪魔を呼びだすいうことですね
皆さんご覧になって、ゾッといたしますよ

はい監督は、ポール・ウェンドコス、
元々戦争映画や西部劇を撮っていましたけれども、
次第にテレビに移って職人芸を見せた監督さんですね

主演は、
主人公の若い奥さんを
「ザ・ディープ」「料理長殿、ご用心」の
ジャクリーン・ビセット、
セクシーな女優さんですな

ピアニストの夫を演じておりますのが
アラン・アルダ、
いかにもニューヨーク育ちのインテリの顔した
ウディ・アレンの映画にちょくちょく顔出してる
おなじみの俳優さんですね

それから、
ドイツの名優、クルト・ユルゲンスが
高名なピアニストに扮して出て参ります。
威厳のある顔した、軍服の似合う役者でしたな

その娘を、ミリー・パーキンス、
「アンネの日記」で知られるミリー・パーキンスが
ちょっと怖い感じで、令嬢の役をやっとります

娘と別れた実業家が、
「燃える昆虫軍団」の
ブラッドフォード・ディルマンですね

音楽は、あのジェリー・ゴールドスミスですね
不気味な旋律でムードを出しましたな
はい、これはいっせんきゅうひゃく71年度の
アメリカ映画です

みなさん、この薄気味悪い魔族の怪奇、
どうか、じっくりご覧くださいね
それではあとで、またお会いいたしましょ

若い夫婦がベッドで眠っておりますと
猫がギャアギャア騒ぐ声がする
うるさいなあ、気色悪い、何の音やろ言うて
奥さんが目を覚ますと

なんとも知れん
鳥が鳴き叫ぶような声もしてますな
ねぇあなた、あれは何の啼き声?
あれはな、サヨナキドリが子供を叱る時の啼き声だよ
言うんですね

はい、この鳥は
「メフィストワルツ」いう曲の元になった物語の中で
ファウストが若い女連れて、
夜の森の中に消えて行く時に、
ピーピー啼いている鳥なんですね
この映画は、そんなはじまり方をしますね

この夫は
一度はピアニストを目指したけれども
才能が無いと、あきらめて
今は音楽評論家をやってるんですね
ある日、この男のところに
世界的に有名なピアニストから連絡が来るんですね。
さあ、これはいい記事になりそうやいうことで
男は勇んで出かけて行きますね

立派なお屋敷に呼ばれて、
中へ入りますと、いかにも上品な、
紳士風の初老のピアニストが
部屋へ招き入れますな
そこで、しばらく話とったら、
このピアニスト、いきなり
あんた、ちょっと手を見せなさい
言うんですね。

男は言われるままに手を差し出しますな
そうしますと、この年老いたピアニストは、
いかにもいやらしいのね、

男の手をいじりまわしながら、
はあ、君の手、いい形しとるな、
このわしでも、うまいこと弾けない
ラフマニノフの手と指を持っとるな、
うらやましいな、
あんた10万人に1人の手を持っとるな
言うんですね

自分の娘まで呼んで、どうだお前もそう思うだろ?
言うて、そこで男にピアノを弾かせるんですね

演奏が終わりましたら、
ピアニストが、いかにもうれしそうに、
やっぱり君は見事な腕前だ、
わしの目に狂いは無い言うて、
褒めて、褒めて、褒めて
褒めちぎるんですね、

若い男はちょっと調子に乗ってきた。
これは、あの有名な悪魔メフィストが
ファウストにこの世でいい思いさせてやる代わりに
お前の命をよこせ言う話をなぞったような場面ですね

うまいこと口車に乗せて、
魂を奪い取ろうとするメフィスト、
うっかりその気になったファウストの
危険な駆け引きのくだりを思わせる場面、

怖いですね、怖いですね
そんな恐ろしい、邪悪な匂いが
だんだんだんだんたちこめてくるんですね

いつしか男は、
若いきれいな奥さんを放っぽり出して
このお屋敷に出入りするようになっていくんですね
そのうち夫婦でパーティに招かれて、
ご近所付き合いみたいな事が始まるんですね

夫はすっかりこのピアニストとその若い娘に
心を許してる…

奥さんは、なんかおかしいな思い始める。
けれども、夫は高名なピアニストに
ピアノの才能を見いだされたし、
うまいこと文句も言えない…
女として、妻として悩むんですね

そんな妙な思いの中で、
ある時、奥さんも一緒に仮面舞踏会に呼ばれますね
そこで、えらいもんを見てしまうんですな

あの年取ったピアニストと
娘が抱擁して、人目もはばからずキスしとる
とても親子とは思えない、恋人同士みたいな
キスしとる…

どういうことかしらん思うて、
パーティが途中でいやになって、
屋敷の中をフラフラするんですね

そうしまして
うっかり迷い込んだ部屋の、戸棚の中を覗くんですね
うわっ!
びっくりした。何にびっくりしたか、
気味悪いコウモリの剥製が飾ってある

それだけやない、
聞いたこともないような怪しい本がある
何の本やろ?
何か儀式に使いそうなけったいな道具もある
何の道具やろ?

薄気味悪いな、怪しいないうところから
この若い妻は、
怖い怖い悪魔の世界の扉を開いていくんですね…

はい、いかがでしたか?

夫が一流のピアニストになっていく姿を見て
妻は
「朝が来るたびに、あなたが私から離れて行く」
言いますね

夫が浮気しとるようにも思えてくるんですね
そうしまして
妙な夢を見て、うなされるようになってきますね

夫に
何か昔のあなたと違う人のようだ、
昔はもっとやさしかった、言うと
夫は
「あの頃は貧乏だったからだ」
言うんですね。

なんとも知れん冷たい言葉ですな
こんなこと言うたらいけませんね
妻は、そこで見た目は私の愛する夫やけれども
心は別な人やと思い始めるんですね、

この女の心の寂しい寂しい気持ち、
この映画の中心はこれですね
どこまでも愛する者を思う気持ち、
それが強ければ強いほど、
これが、実は最も怖いことにつながっていくこと

悪魔なんかよりよっぽど怖いもの、
本当は、それは
人の心の中に住みついてるんやないかいう
そんな、
本当に怖いものは何かを見せるお話でしたね…

はい、もう時間きました。

それでは次の作品、ご紹介いたしましょ
次回は、

ブライアン・デ・パルマ監督の
異色のサスペンスホラー
『悪魔のシスター』をお送りします。

どうぞ、たのしみにお待ち下さいね
それでは
次回もこの時間、お会いいたしましょう
それでは、
サイナラ、サイナラ、サイナラ
★★★
採点基準:★…5個が最高位でマーキングしています。★…は★の1/2です。





































































































































































