沿道の木々が秋の装いを終え、冬の装いへと移り変わる頃
駅前の公園で1人のホームレスを見かけた
ベンチの横に座り込み
お腹を空かせ切ったのか
虚な目をして地面を見つめていた
寒さで身を縮こめているからだろうか
その姿はひどく小さく見える
ふと、塾の自習室で食べようと1本だけ残しておいたカロリーメイトの存在を思い出す
分けてあげた方がいいのだろうか
あまりの見窄らしさに自分の中の良心がそう思わせる
しかしすぐに考え直す
もしこれを渡し、
それがわずかな腹の足しになったとしても
寒空の下、眠りにつけば
目覚めた時にはまた空腹に苛まれるだろうか
それに比べ、
このまま何も食べず
寒さから身を守るようにして深い眠りにつく
どちらの方が楽なのだろうか、と
良心とは一体何なのだろうか
同情との区別はあるのだろうか
その答えは分からず、
ただその場に立ち尽くし
ポケットの中のカロリーメイトの箱を握りしめていた