気になる現場を大調査!雑誌「せんだいタウン情報S-style」ができるまで 後編
もう4月になりました。そろそろ桜が咲いてくるころですかね。
暖かくなったら皆でワイワイとお花見をしたいです!
さて、せんだいタウン情報S-styleの編集部への取材(その1) (その2)を覚えているでしょうか?前回は雑誌の掲載情報ができるまでをお送りしました。
今回私たちはS-styleをはじめ様々な印刷をしている、株式会社ユーメディアの印刷工場にCOLORweb学生編集部かぁーぽんと潜入調査をしてきました。
今回、工場を案内してくれたのは工場管理を担当している片岡さんです!
■印刷について■
私たちは工場を見学する前に印刷について少し勉強をしました。
印刷というものは世界で一番精密な機械と言われています。
流れとしては、印刷データが印刷工場に届くとそのデータをもとに印刷用のハンコである「刷版(さっぱん)」を作ります。次に作られた刷版を使って印刷していきます。
そこで活躍する機械は2種類!
1分間に700枚のスピードで印刷し、発行部数が多いものを印刷するときに使われる「輪転印刷機」と、1分間に250枚を印刷し発行部数が少ないものを印刷するときに使われる「枚葉印刷機」です。
ちなみにS-styleは表紙が枚葉印刷、中身は輪転印刷で作られています。
後で、こちら2種類の機械も登場するのでお楽しみに!
話は戻りますが、印刷にも種類があり、平版(へいはん)、凸版(とっぱん)、孔版(こうはん)、凹版(おうはん)などがあります。
ここの印刷工場では平版印刷という水と油の分離する性質を活かした印刷方法を使って印刷しています。
そして、みなさんが見ている雑誌や広告が「細かいドット」からできていることをご存知ですか?この細かいドットのことを「網点(あみてん)」といい、印刷物はこの網点からできています。また、色はシアン、マゼンタ、イエロー、ブラック(以下C,M,Y,K)の4種類のインキで印刷され、たったの4色で印刷物のほとんどの色は再現されるのです!
また「グリーンプリンティング工場」に認定されており、環境に有害なVOCを出さないように配慮し、資材も紙を作るために植林された木を使用して紙を作っています。環境を守るために様々な工夫がされていました。
工場に入ってみると、独特のインキの匂いがしました。
こちらの青い版にデータをコピーし刷版を作ります。
こちらは25倍のルーペを使って網点の乱れや版のズレが無いかなど、チェックする場所です。
かぁーぽんが、実際にルーペを覗いています。
本当に網点からできていることに驚きを隠せない様子でした!
基本色はC,M,Y,Kの4種類とお話ししましたが、どうしてもその4種類で表せない鮮やかな色は、こちらの機械で作り上げています!!!その他にも金や銀といった特殊なインキもあるようです。
ふと、壁に目を向けてみると
印刷チームの3か条がありました。
これは印刷チームのリーダー、安部さんが作ったものだそうです。働いている方もこれをモットーに仕事に励んでいます!かっこいいですよね!
こちら2枚の写真は輪転印刷機です。
トイレットペーパーのような大きなロール紙に一気に印刷していきます。
現場で働いているみなさんが耳栓を付けるほど輪転印刷機の現場は音が大きかったです。
ここ輪転印刷機の担当をしている鈴木さんにお話を伺いました。
Q「気を付けていることはなんですか?」
A「品質ですね。ダメなものは出すことはできないからね。あとは安全!怪我をしたら大変だから、そこは絶対気を付けています!」
Q「やりがいはなんですか?」
A「本屋へ行って、自社で作ったものを見たとき達成感を感じます。」
Q「辛かったことはなんですか?」
A「覚え始めはわからないことばかりで苦労しました。ずっと立ち仕事だから体力仕事だけど、慣れてしまえばこんなものかって思えるようになります。」
Q「作業をするうえで大事なことはなんですか?」
A「コミュニケーションをとることですね!やっぱり、大きな機械を扱うからチームワークがとっても大事なんです!」
耳栓をした状態でも仕事が滞りなく進むのは、普段からコミュニケーションを大事にしている証拠だと感じました。
鈴木さんにいろいろお話をお聞きした後は、枚葉印刷機を見学しに行きました。
こちらの写真が枚葉印刷機です。
現場を担当している伊藤さんにもお話を伺いました。
Q「気を付けていることはなんですか?」
A「体力管理です。肉体労働だから、体力的にも身体的にも負担がかかる仕事、だからこそ、on/offの切り替えができるようにしています。」
Q「on/offの切り替えが大事とお聞きしましたが、offのときは何をしているんですか?」
A「ドライブなり、買い物なり、あとは子供たちと遊ぶ時間も大事にしていますよ!」
Q「やりがいはなんですか?」
A「街なかで印刷したものを見かけたときです。あとは、つい最近東京で行われたコンクールに出展してカレンダー部門で金賞を受賞したことが最近一番感じたやりがいですね。他社と比較してどこよりもいいものを作りたいと思うことが仕事を続けていく要因ともなっています」 出展
Q「今後、伊藤さんはどのように働いていきたいですか?」
A「大企業では作れないものを作る!ユーメディアの品質が落ちないように保ち、自分が受け継いだことを後輩に引き継いでいきたいです。」
現場はとても暖かく、湿度も一定に保つように工夫がされていました。
温度が変わるだけで印刷の質も変わると聞き、印刷はとても精密なものだなと改めて実感しました。
お話をお聞きした後は、いよいよ最終ステップである製本機と納品倉庫を見学!
こちらの製本機で雑誌の表紙と中身を重ねます。
この後ホチキスで止め、余白の部分を切り落とし完成です。
完成した雑誌は、こうして倉庫で出荷の時を待ちます。
工場見学をしながらたくさんのお話を聞いた後は、印刷工場の代表である佐々木常務とお話しすることもできました。
Q「どういった会社であり続けたいですか?」
A「世の中から必要とされる会社を目指したいです!」
Q「トップとして何を大事にしてきましたか?」
A「リーダーシップ!信念を持って皆を引っ張っていくことが大事です。あとは、スタッフに恵まれたと思います!決して一人じゃここまでできなかったと思うし、スタッフが支えてくれたおかげで今があるから周りに感謝しています。」
みなさんお忙しい中私たちのために時間を割いて下さり、短い間でしたが貴重なお話を、興味深く聞くことができました。
今回の印刷工場の調査はどうでしたか?
私も「普段自分が手に取ってみているものがこのように作られているんだ!」と一緒に行ったかぁーぽんとともに感動し、とても貴重な体験をすることができました。
さて、3回にわたるS-style編集部と印刷工場の「気になる現場を大調査!」はおしまいです!楽しんでいただけたでしょうか?私もたくさんのことを学ぶことができました。
以上、あっくんがお送りしました!