タマリンは、気づいたときには肥満児だった。
幼稚園の年長さんのとき、体重は35㎏
小学校1年生の身体測定では42㎏あった。
その頃、プライバシーはないので、
この肥満体のまま、上半身裸で
みんなの前で体重計に乗らなければならなかった。
体重計の針が40㎏を超えた時クラスは大騒ぎになった。
隣にいた可愛い女の子が、私の腹を見てすげ~と感嘆し、
「なんでそんなに太っているの?」
と本当に不思議そうに聞いてくるので、
タマリンは
「たくさん食べたからよ」といった。
(真面目なタマリン)
当時から背も高くて、横にも縦にも巨大なので
私をいたわる男子はもちろん一人もいなかった。
当時、教室では男女がペアになり、机を並べて座っていたので、
タマリンの隣の席になった男の子は、
「〇〇君かわいそ~~」と、本気でみんなに気の毒がられていた。
これは小学校3年生かな↓
その時、夕方「さすがの猿飛」というアニメがあっていて
そのエンディングテーマ「忍豚レゲエ」が、ものすごく頭に残る歌だった。
1トン(豚?)、2トン、3トン。デブ!
いんとん、にんとん、さんとび
って、これ作曲久石譲やんけ!(頭に残るはずだ)
みんながよくこれを歌っていた。
私が通りすがると、さらに合唱が聞こえてくる。
私はおかんにいつも泣きついた。
みんなが私をデブっていう、豚っていう。
おかんは(多分わ~わ~いう私に面倒臭くなって)いった、
「デブって言われたら、そうよ!といっておきなさい」
次の日、
いつもの男子が例の歌をうたいながらニヤニヤしながら話しかけてくる
「おまえ、1トンあるん?」
私は満を持して言い放った
「そうよ!」
そこから、トミータマリンは1トンあるらしいというまことしやかな噂が
あっというまに広がった。
そのうち私も自分は1トン級のデブなんだなと納得するようになった。
私の自分に対するイメージが「1トン級のデブ」として定着した。
私ってかいじゅうやん?
もはや人間ではなく、女の子でもない、奇妙な怪獣。
これはタマリンが怪獣から人間になっていく話である。
続く