カラーコーディネーターの武田珠佳です。
昨年の夏、とある場所へ「きこり体験」に行ってきました。
新月期に伐採され、天然乾燥される木材です。
新月伐採とは冬季の新月直前までに伐採される事を言うのですが、伐採後は葉をつけたまま山で自然な状態で枯れさせていきます。
切られた後も木は幹に蓄えている水分を葉に送り、葉が枯れるにつれ木材の含水率も下がることで、木材が軽くなり輸送コストが下がるしくみ。また、急激に乾燥させないため、反りや割れなどが少なく色や艶が向上すると言われています。
とは言え、今の時代、時間をかけて自然乾燥させた床材は少なく、特に一般消費者が目にする機会も触れる機会もなかなかないようです。
●無垢材とは木そのものの床材
天然の木を乾燥させてカットした床材のこと。
今回の新月伐採の葉枯らしの木はこちらのカテゴリーにはいるものです。一般的な無垢材(床材)は、伐採後に乾燥機で乾燥され出荷されます。
一方、複合フローリング材はカラーバリエーションも豊富で、メンテナンスも楽で、おシャレなインテリアを作りやすく一般的な床材です。(木材以外にもクッションフロアやビニールタイルなど安価な床材も多数あります。)
●合板床材(複合フローリング)とは加工された床材
複数の板を接着剤で貼り合わせてある床材で、表面はプリントシートが貼られている化粧材や、天然木をスライスした突き板が貼られている床材です。
この、無垢材の葉枯らし木材に初めて触れた時、その場の氣が一瞬で変わる体験をし、足元から冷える底冷えがないことに驚き、感動したのです。
現在多くの住宅で使われているのは、加工された床材です。隙間が出来ないよう精密につくられ、接着剤を使い木が呼吸・調湿できない形に加工が施されています。結果、硬く歪みのない均一なものになります。
私自身、生まれてからずっと集合住宅で暮らしてきたので、加工された床材が当たり前の中で生活してきました。
ですが、インテリアや建築の仕事に関わる中で色んな建材に触れる機会が増え、建材次第で身体に与える影響が大きく違うということを知って驚いたのです。
もともと無垢材は調湿効果があり、肌あたりもソフトで暖かく感じますが、ここの床材はもっと凄かった!こればっかりは体験しないと言葉では伝えられないので体験してみて欲しいです。
そんな経験をしてから、いつかは森に行って伐採の様子を見たい!と思っていたら、意外と早くその機会が出来たので行ってきました。
木の上にいるのが私です。笑
他にも火起こし体験や、木材を乾燥させている様子や、伐採風景を見せて頂いたり、まぁ、盛り沢山の楽しい会でした!
森を管理する人材の不足。
短い工期で歪みや隙間のない家が求められる。
メンテナンスのしやすさが求められる。
自然のものは商品が安定しない(個数や個体差)
戦後教育や政策で失われて来た”本当に大切で必要なもの”を、今後引き継いで行かないと!と思うのと同時に、自然災害に目が行きがちだけど、本来の自然(地球)は私たちに優しいはずなのに、私たちが気付けていない(視点が違う)だけじゃないかと思います。
現代の住宅、見た目がカッコよくて素敵でも、身体に与える影響や心にもたらす”豊かさ”とはかけ離れているような気がしてならないのです。
合理的で工期短縮出来て、コストが抑えられて、クレームが出ないように考えられた、ある意味優秀なケミカルな構造材や床材とビニールの壁紙に覆われた気密性の高い住宅で、除菌・殺菌・抗菌して、加工食品や添加物たっぷりの食事でいたら、気付かないうちにじわじわと体調を崩していくかも知れませんね。
こういうことに気づいた人が、古民家再生して田舎暮らしに移行したり、山を購入されたり、自然に近いところで暮らすという選択をしてらっしゃる気がします。
私もいつか庭付き平屋の自然住宅にオーダーキッチン入れて住みたいです。
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