意外に多くの方がお悩みの多汗症。日本皮膚科学会の情報を基に、トラウマ的観点からそらとりの考えをまとめてみます。https://www.dermatol.or.jp/qa/qa32/q01.html
1.多汗症とはどんな病気?
多汗症には全身に汗が増加する全身性多汗症と体の一部に汗が増える局所多汗症があります。全身性多汗症には特に原因のない原発性と感染症、内分泌代謝異常や神経疾患に合併するものがあります。局所多汗症も原因のわからない原発性と外傷や腫瘍などの神経障害による局所性多汗症があります。原発性局所多汗症では手のひら、足のうらや脇という限局した部位から両側に過剰な発汗を認める疾患です。
2.原発性局所多汗症の患者さんの頻度は?
平成21年度の特発性局所多汗症研究班(班長:横関博雄)がまとめた全国疫学調査で、原発性手掌多汗症患者さんの有病率は人口の約5.3%と極めて高い割合であることがわかりました。さらにそのうち、医療機関へかかる割合は1割以下である事から、治療されていない患者さんが多い事も判明いたしました。これらの患者さんに対して、今後医療機関からのアプローチが是非とも必要でしょう。
3.原発性局所多汗症の原因は?
発汗を促す交感神経が人よりも興奮しやすいのではないかともいわれていますが、まだはっきりしたことはわかっておりません。
4.原発性多汗症の症状は?
幼少児期ないし思春期ころに発症し、手のひら、足のうらは精神的緊張により多量の発汗がみられます。図1のように症状の重い例では時にしたたり落ちる程の発汗がみられ、手、足は絶えず湿って指先が冷たく、紫色調を帯びていることがあります。この様な湿った手足はあせもができて表皮がめくれたり、カビや細菌の感染を起こしやすいです。昼間(10時~18時)に汗が多いですが、睡眠中の発汗は停止します。
また腋窩多汗症は精神的緊張や温熱刺激によって左右対称性に脇の下に多汗がみられ、下着やシャツにしみができる程です。手足の多汗を伴っていることもあります。
それでは、ここで一度基本に戻ります。
「汗をかく仕組み」について見てみましょう。
https://www.hisamitsu.co.jp/tenoase/sweat/
・汗をかく理由
①体温調節のため
②緊張やストレスによるもの
③辛い物を食べたとき
・汗はどうやって出てくる?
汗は、皮膚にある汗腺という器官から出てきます。
汗腺にはエクリン腺とアポクリン腺があり、ふだんかく汗はふつうは無色無臭です。
汗は暑い時や運動した時に体温調節のためにかくものだけではなく、興奮や緊張など精神的な要因がきっかけとなってかく汗、辛いモノを食べた時にかく汗などもあります。
汗腺には「エクリン腺」と「アポクリン腺」の2種類があり、それぞれに汗の性質や汗を出す仕組みが異なります。
エクリン腺は全身のほとんどに分布しています。主に体温調節のために汗を出す汗腺で、分泌される汗は無味無臭です。
一方、アポクリン腺はカラダの限られた部分にあり、特にワキの下に多く分布。独立して皮膚に開口しているエクリン腺と異なり、毛根に開口部があります。
アポクリン腺から出る汗は白く濁っていて、脂質やタンパク質などニオイのもととなる成分を多く含んでいます。もともとはフェロモンの役割をはたしていたともいわれています。
・汗をかく3つの要因…温熱性、精神性、味覚性
汗がでるきっかけとなるのは、体温調節のほか、緊張したときや驚いたときなどの精神的なもの、そして辛い食べ物など味覚からくるものの3つがあります。
また、ワキはエクリン腺とアポクリン腺が共存し、温熱性発汗と精神性発汗が両方起こる特殊な場所です。
温熱性発汗
暑いときや運動をしたときに、上昇した体温を下げるための汗。
手のひらや足のうらを除く、全身から持続的に発汗。
暑い時に激しい運動を行うと、1時間に2リットルほどの汗をかく。
暑いときや運動をしたときに体温調節のためにかく汗
汗をかく部位:手のひら、足の裏を除く全身
汗腺の種類:エクリン腺
精神性発汗
人前に出て緊張したとき、驚いたときに出る汗で、「手に汗をかく」「冷や汗をかく」といった言葉に関係するもの。
精神的な刺激にともなってでることから「精神性発汗」と呼ばれる。
汗が出る部位は手のひら、足のうら、ワキの下など限られた部位で、短時間に発汗するのが特徴。
ストレスや緊張など精神的な刺激によりかく汗
汗をかく部位:ワキ、手のひら、足の裏など局所的
汗腺の種類:エクリン腺、アポクリン腺
味覚性発汗
香辛料が効いた辛い物を食べたときに鼻や額などにかく汗。
味覚の刺激によって反射的に起こるもので、食べ終わると汗もひく。
辛いものやすっぱいものを食べたときにかく汗
汗をかく部位:特に額や鼻など
汗腺の種類:エクリン腺
汗をかくときは、脳の視床下部から汗を出す指令が交感神経に伝えられます。そして、交感神経から、アセチルコリンという発汗を促す物質が分泌され、エクリン汗腺にある受容体に結合し、刺激が伝わるとエクリン汗腺から汗が出てきます。
局所多汗症は、この指令系統が過剰になっている状態です。
クラニオ・バイオはじめ神経系の調律を専門にしているそらとりとしては、「視床下部」とか「交感神経系」と聞くと妙に気になってしまいます。
視床下部はストレス反応のHPA軸(視床下部-脳下垂体-副腎)とも関わるところです。
また、そらとりが関わる手掌多汗症でお悩みの方の多くが、出生時に陣痛促進剤や乳児の頃に手術を体験されているというのも大変興味を惹かれるところです。
まだ腹側迷走神経複合体が十分に発達していないため、まずは交感神経系をフルに稼働させて当時の状況に対応しようとしたことでしょう。。
その時の神経系の働きの名残が、成長後も「多汗症」として現れているのでは?
と、そらとりは見ていますがいかがでしょうか?
皮膚科でできることとしては、塗り薬で汗を抑制することくらいでしょうか?
汗が出ないようにする手術もあるようですが。。
脳へのダイレクトのアプローチと、神経調律、そしてトラウマ療法で、「手掌多汗症」が少しでも軽減しないか、注視していきたいと思います。
お問い合わせをお待ちしています。
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