自由の風なにをも考えずに過ごす休日だって そんなに悪くない。自由の風が 一日中部屋に入るよう五月の窓を開けておいた。何気ない外から聞こえる会話窓辺の風にのってレースのカーテンをくすぐるようにクスクス…クスクスと僕の部屋に届くのだ。自由の風よ 初夏の風。僕の腕を掴んで 街へといざなう。何も考えず 縛らない風よ。これまでとこれからを決めず認めない自由の風よ。
素晴らしい音楽とは誰もが安らぎを求めて幾千年や幾万年聴いてきた音が明日ピタリと止まるならあなたは鳴らないイヤフォンを耳にする。両手で耳をふさぐ仕草でまた新しい空虚な音をかき集めるのだ。僕はそこから始めるだろうよ。こんどこそ、一つひとつを大切にして。
誰のことも誰として僕のことを思い出せない。そうだ 僕は一人として生まれてきた。初めから一人 静かな低音が鳴り続く部屋から僕は一人として出てきたんだ。この世の終わりより 僕の終わりが先に来るそう信じて 明日太陽が、あがらなくても