言葉の音符 -9ページ目

言葉の音符

短歌のブログです

 

ビルとビル あわいで開く 花の火よ

すべての思い 浄火し尽くし

 

 私にも、黒い感情が沸き上がる時があります。花火を見ていると、それがきれいに浄化されていくような気がします。花火が、私の黒い心を持ち去ってくれるような気になります。

 

 だから、美しいものを見ることは大切だなと思うのです。

 

 そして、同時に思います。その陰で、地道な作業を費やして、危険な実験を繰り返してきた人達のことを。すべての夢には、舞台「裏」がある。スタッフの皆さん、本当にありがとうございます。

 

 写真は、ずっと昔の、たぶん長岡の花火大会かと思います。最近写真を撮っていなくて、昔のを引っ張り出しています。写真俳句をしていた時の物です。

 

 夏の夜、良い夢を。

 

いつか昔になる今日の始まりを 

      挽きたての豆 ふたつのカップで

 

メルカリで 昔持っていた物を買う 少女時代の思い出拾い

 

欲望が 渦巻く街の映画館

まとったアングラ 脱ぎながら、外へ

 

 先日行った「第7劇場」が、「アングラ」という言葉がぴったりな雰囲気の映画館だった。古くて小さい。びっしりと貼られたチラシ。薄暗さ。ビルのある通りには、食事処と呑み屋、パチンコ屋くらいしかない。ふらりと寄れるカフェがなく、少し戻って、チェーンのカフェに何とか入った。

 

 昔、よく似た場所に通っていたな、と思い出す。ライブハウスとしては老舗な「荻窪グッドマン」 今は場所を変え「高円寺グッドマン」として営業されている。薄暗い室内。中古のピアノ。カウンターの中のマスター。今は亡き、鈴木いずみや阿部薫の話ができる、唯一の場所だった。通うきっかけとなったシンガーソングライターは、今どうしているのだろう。ググっても、めぼしい情報が出てこない。彼のことだから、何かしら活動していると思うのだが。

 

 帰りも、行きと同じカフェで休憩して駅まで歩く。雑然とした商店街、昭和のままで時が止まっているかのよう。いくつかの店には、行列ができていた。まさに、欲望に忠実な街。シャッター通りよりは、生きる力がみなぎっていていい。並んで買うほどの体力は残っていなかったので、最寄り駅で半額になったパンを買って帰った。