稚鮎の天ぷら | 酒と散歩の日々                                               

 あちこち居酒屋で呑んでいるけど、この時期になると旬のものを楽しみにしているというつまみは意外と少ない。

春は筍、秋には・・・思いつかないな(笑)ただ、この時期になると、目がこの品を品書きに探している。

 稚鮎の天ぷらである。

 

 それほど、鮎に執着はない。もう30年位前になるが、初めて訪れた岡山で喰った鮎は美味かった。いや、鮎が美味いことをこの時知った。それから、金沢の近江町市場でいただいた落ち鮎の美味さも未だ記憶に残る。

 そんなわけで、鮎というと西のものというイメージが私の中にある。

 

 が、ある時、横須賀市内の居酒屋で稚鮎の天ぷらに出会った。はまったね。小振りの稚鮎がそのまんま揚げてある。本来、頭から魚を喰うのは、ちょっと苦手だった(アジの南蛮漬けとかね)。その初めての時は、特に鮎のサイズが小さかったこともあってか、何の抵抗なく頭から喰えた。そして、はまった。

 

 今年、この稚鮎に出会ったのは「中央酒場」。毎年、この時期になるとホワイトボードにその名がある(いや、あったり、なかったり だから、あることもあるかな ややこしや)。

 この日、暖簾をくぐってカウンターへ。振り返って、ホワイトボードを見ると、待望の「稚アユの天ぷら」が書かれていた。

 

 

 呑みものはもちろんホッピー、氷入りで。

 

 

 こいつが運ばれてきたタイミングでつまみを注文するのが、「中酒」のルール。もちろん、この時点で決まっていなければ、決まってから店員さんをよべばいい。

 稚鮎の天ぷらとポテチキャベツ少な目。「天ぷらは天つゆじゃなくて抹茶塩で」と言ったら、稚鮎はデフォが抹茶塩みたい。他の天ぷらの時は断らないと、天つゆなのだ。

 

 

 ホッピーをぐびり。で、すぐにポテチキャベツがくる。「中酒」は仕事が早いのだ。

 

 

 そろそろ、横須賀市民のソウルフードにしてもいいのにな・・・なんて思うが、考えてみれば知っている居酒屋などの飲食店でこの品を出しているところはない。もともとは、ポテチパンの具だからね(こっちはよくTVでも紹介される)。

 千切りキャベツに砕いたポテチ(海苔塩味)にフレンチドレッシング。シンプルながら、美味いのだ。

 

 

 で、稚鮎の天ぷら。時期によって、供されるサイズは変わってく鮎。この日のは、小振り。このサイズが一番好き。

抹茶塩をチョイとつけて、レモンを絞って頭から。このサイズでも一口では無理だ。

 ほろ苦さがたまんねぇ。美味いな。

 旬のものをいただくと寿命が延びるというけれども、ほんとに旬のものって命をいただいてるって感じがする。

 

 ホッピーの中お代わりちょうだい。