いつも訪のう居酒屋(ほんとは呑み屋と呼びたい)がある。ただ、毎日そこに通う常連のような存在になるのは、あまり趣味ではない。回遊魚のように月に1度とか3ヶ月に2度とかのペースで呑み歩くのが性に合っている。
そんな呑み方のできる店をいくつももっている幸せ。
ただ、新しい店にも果敢に(そんな大げさか?)チャレンジしてみたい。好みはやはり昔っからあるような佇まいをもつそんな店だ。汐入にある「一平」も今年に入って発見したそんな店である。ま、老舗といっていいくらい古い店なので、ここまで発見できなかった私の不徳の致すところである。
さて、今の時代はそういう店をネットで見つけやすくなった。そこで見つけたのが、追浜の「あんぽんたん」である。散歩でもよく歩いたこの街で一本路地というか小路を入ったところにあるらしい。前を通ったこともある気がするけど、気付かなかったなぁ。
店の前に行くといい感じ。おずおずとその戸を開けて、「いいですか?」。L字型のカウンターだった。その中から、ちょっと派手目の服を着たご亭主がうなずく。先客はなし。カウンターの端に座った。
マイ定番通りにホッピーをもらう。初めての店でホッピーを注文すると必ずチェックするのが、このホッピーの焼酎の量。横須賀仕様(つまり他の地域より多い)だね。
お通しが出てきた。ぶり大根のような感じ。魚はぶりかな(馬鹿っ舌なのでわからん)。魚にも大根にもよく味が染みていて美味い。
品書きを開く。そこにいきなり一面使って犬の写真があった。「当店No.1 てん」と書いてある。2014年の生まれなどプロフィールまで。へぇ、と思って店内を見まわしたらいた。それも歩いて、こっちへ来る。慌ててカメラを向けたら、ぶれた・・・
昨日書いた汐入の「一福」の店内にも白い犬がいる(ことがある)。「あんぽんたん」のてんちゃん、かなり大きな犬だけどもおとなしい。
改めて品書きを。目の前に焼き台があるし、焼き鳥が美味いということは調べていた。ということで、焼き鳥を数本。
それから、とろろ焼き?を注文。
ご亭主が焼き始める。焼きあがるまで、お通しでつなげるのがありがたい。それから初めての店だから、店内の観察もいいつまみになる。
カウンターの端の席と書いたが、その壁際にこんなのがあった。懐かしいね。昔は喫茶店や中華料理屋なんかにも置いてあったね。こんな感じで、ピーナッツが出てくるのもあった。
これは占いのやつ。一瞬、引いてみようかとも思ったけど、占いは信じない(というか無視するタイプ)ので・・・
ボンボジ(この店ではぼんじりをこう呼ぶようだ)とシロ。結構大振り。塩たれをお任せにしていたため、これはたれできた。焦げ目の通り、香ばしく焼きあがっている。美味いなぁ。あちこちで焼き鳥を喰うが、同じように串に肉を差して焼いているだけなのに、なぜこんなにも個性があるのかね。
白レバがきた。こっちは塩。そして、輪をかけての大振り。他所の2倍くらいレバーのワンピースがでかいのではないか。
こちらも表面が香ばしく、そして中はトロっとレバの旨味がたまらん。
途中、ホッピーのお代わりをしたあたりでとろろ焼き。
浅い鉄鍋で焼いてある。こういうとろろは初めてだな。熱を加えると、とろろってでんぷんぽさが出てくるんだな。はるか昔、とろろを海苔に包んで喰った時のことを思い出した。確かその時も、そんな風に思った気がする。
サクッと偵察のように呑んでいこうと思ったが、なかなかのボリュームになっちゃった。
この頃には、他の客も数名。そろそろ退散しよう。
そして・・・この店も回遊に加えたい。
ところで、このブログのことを書きながら「あんぽんたん」のことをググったら、このご亭主 facebookやってる。渋めのおっさん(失礼!)なんだけど、なかなかやるな。