私的には、横浜で現在最も好みの居酒屋の1つ(ナンバーワンというには選択肢が多すぎて、悩んでしまう)。
いわずと知れた市民酒場の1つでもある。
横浜で10年働いて、ここに通い出したのはどれくらいたってだろう。確か、東神奈川ではまず「みのかん」にたどり着いてそっちにはまっていた時期がある。通いやすさからいえば、もう駅前にあるこっちの「根岸家」の方が圧倒的に地の利があったのにね。
この大衆酒場の看板。暖簾をくぐって中に入る前に、そっとカウンターの状況を眺める。「あぁ いっぱいだ」と、そのままあきらめて通うこともあった。ともかく人気店なのである。
3月、この日はすんなりと入れた。おっと、以前出ていた切り干し大根の酸っぱいやつ(以前は冬はこれ、夏はところてんがお通しとして供された。コロナ禍で休業があった後、一時切り干し大根の煮付が出されていた)。最後の最後で(いや、またいっちゃうかも)、このお通しに巡り合えたのはラッキーだった。
呑みものは、キリンのラガーで始める。ここは後瓶ビールでいうと、一番搾りとアサヒのスーパードライがあるんだ。
コの字型のカウンターで、内側ではおかみさんがいそいそと働いている。愛想がよくて、声をかければすぐに答えてくれる。壁に並べられた品書きの短冊(これが気をつけないとどんどん品切れになって外されていっちゃう)から、○○と〇〇とお願いすると、奥の厨房にむかって「〇〇一丁 〇〇一丁」とたんたんと畳みかけるように注文が通っていく。
「お世話になりました呑み」であると同時にそろそろシーズンも終わるカキ そのフライ。この店を買っているのは、魚介系の品書きの多さとその新鮮さ。カキフライのシーズンになって、それが短冊にあればほんとファーストチョイスだ。
そして、巡り会わせか初めてこの店でみた。のれそれ。
これが出てきて、すかさず日本酒もオーダーしちゃった。
しってる?のれそれ?
非常に珍しく箸あげの写真なんぞも撮ってみた。
のれそれというのは、アナゴの稚魚。穴子のしらすといったらいいのかね。もちろん生で供されるわけだが、生しらすと同様に鮮度が大事。こうやって透明なのが新鮮な証拠。
最近あまり横須賀でもみかけなくなった。あんまり取れないのかな。
味というよりも食感を楽しむ。熱燗がよく映える。
親の方もいっちゃいましたよ。穴子の煮付。この店の煮付の出汁がまた美味い。ちょいと辛子をなすりつけてね。温めなおしてくれたやつを口に放り込む 熱燗をキュッとやる。もうね、絶妙のコンビネーション。
横須賀人として魚介系は横浜には負けねえという自負があるわけだが、この店だけは違う。
もちろん高い金を出せば美味い魚を出す店も多いだろうさ。瓶ビールにお酒2本、でこんだけ喰って3000円でお釣りがきちゃうんだからね。
女将さん それから店の皆さん 今までありがとう。また、絶対にうかがいたいわ。それまでお元気で。