MEGURU Project ドックの底 | 酒と散歩の日々                                               

 昨日から「MEGURU Project」のことを書いている。詳細については長くなる。昨日書いた内容を参考にしていただきたい。要は横須賀市が自ら持つ観光資源を再認識して、系統的に首都圏からの日帰り(もちろん泊まってくれればいうことなし)客を誘致していこうという取り組み。その1つとして、浦賀にある歴史的遺構を目玉にしていきたい。ついてはそのためのパイロット的な企画を立ててみた。これが、「MEGURU Project」である。あくまで個人的な解釈であるが、そうピントはぼけていないと思う。

 

 ここ浦賀には住友の造船所があり、戦前は戦艦も建造されていた。こういった船舶の修理に用いられたレンガ造りのドック。日本にはここにしかない。今回の「Project」では、ガイドをつけてこのドック(そもそも住友から昨年市に寄贈されるまでは一般人は近寄ることもできなかったのだ)を様々な角度から見学。それも上から見下ろす(ここは昨日のブログの内容)だけではなく、底部までおりて見学ができるというなかなかできない体験が織り交ぜられている。

 

 ちなみに昨日もアップした写真。

 

 

 ここに水が満たされ、船舶を入れた後水を抜いて修理を行ったのだ。右側の白い階段でガイドツアー一行は下へとおりていったのだった。

 

 

 階段上部からはこんな感じ。建物でいうと4~5階くらいの高さだろうか。

 

 

 壁面はこのようにレンガでできている。先ほども書いたが、このようなレンガ造りのドックは世界で5ヶ所しか残っていない。日本にはこのすぐ近くにある川間ドックもレンガ造り。ただし現在はヨットハーバーの一部になっていて、水が常に満たされた状態となっているそうだ。レンガの汚れが時代を感じさせる。

 

 

 ちょうど2階くらいの高さまでおりてきた。ドックの中央部に並ぶ構造は船舶の底を支えるためのもの。あとの写真でよくわかるが、船舶を受け止めるクッション材として木が使われている。コンクリートだけだとやはり傷がついてしまうのだそうだ。

 

 

 大体同じ高さからドックの前方を。船のへさきは尖っているがそれを受け止めるように真ん中がへこんでいる。あの上部が今日の最初の写真のあたり。

 

 そしてそこにたどり着いた。

 

 

 

 こちらはドックの後部。海側にあたる。奥にみえる壁が海との境。当たり前だが海面はあの壁の上部のあたりで、我々は海水面よりはるか下にいる。標高マイナスってやつだ。

 

 

 その壁をアップで。まずドックに注水した後、あの壁を外側に向けて倒す。そうしておいて船舶をドックに入れた後、水を抜きながら船体を固定して修理作業に入るのだ。実はここで最後に修理作業を受けたのは、久里浜‐金谷間を結ぶフェリーの「しらはま丸」。

 

 造船はこのドックとは別のエリアで行われていて、みなとみらいに飾られている帆船 日本丸もこの浦賀造船所で建造された。ちなみにこの浦賀ドックが造られたのは、1897年。当時は浦賀船渠とよばれていたことも書いておこう。

 

 

 上の写真でもわかるが、これが船体の下部を支えていた盤木(ばんぎ)。下のコンクリートブロックに針金で固定されている。当然のことながら、それぞれの船舶によってそこの形状も異なる。この盤木の組み合わせでそれに対応したようだ。

 

 このあたりでかなり気分はアゲアゲ。本来なら上に戻るのに先ほどの5階分ほどの階段を上るのも全く気にならなかった。さて、この後はバスで移動して「千代ヶ崎砲台跡」を見学する。

 

※今回の「MEGURU Project」では、私が参加した「浦賀ドックと千代ヶ崎砲台跡ガイドツアー」の他に「浦賀ドックガイドツアー」がある(いずれも有料)。他に有料の企画として、浦賀の湾を外から見ることができる「開国クルーズ」:つまりは黒船のペリーの視点から浦賀をみる がある。また、会場内へ入るのは自由。ドックを上から見学するだけならば無料。1月まで実施されている。詳しくはこちらのHPを。

 

 ところで今日は、ほぼほぼな皆既月食(何いってんだかよくわかんない)。家に帰ってカメラを構えるとすでに月は再び太り始めていた。

 

 

 

 少しの時間差で、月が変化したのがわかるよね。