MEGURU Project 浦賀ドック 上から | 酒と散歩の日々                                               

 横須賀市が観光について、ようやく本気でさらに計画的に取り組み始めたような気がする。けっこう日帰りの観光客をよべそうな観光コンテンツをもっていながら、何かPRも含めてちぐはぐ感が強かった横須賀。

 JAZZ(進駐軍の時代から)でよぼうにもいい箱があるわけでもない。夏にやっているJAZZフェスくらいしかなくて、(コロナ禍で影響を受けちゃったけど)年に2回ほどやっていた街角JAZZもそもそも地元民がそういう街だったか?とみちゃってる感があった。ネイビーバーガーもしかり。

 

 アメリカ海軍や家事の基地を海上からみられる軍港めぐりもその一点だけであまり拡張性がない。とても面白いんだけどね。それが、ヴェルニー公園に観光拠点となる「ティボディエ邸」を造って、その流れが変わりつつある気がする。

 「ティボディエ邸」のコンセプト自体が、「よこすかルートミュージアム」のスタート地点という位置付け。横須賀には、東京湾唯一の無人島(しかもここには戦争遺構やショッカーの基地まである)である猿島やここも戦争遺構も残る観音崎。そして、今回の「MAGURU Project」の舞台である浦賀 ここは黒船来航の地、そして日本に2ヶ所しか残っていない残るレンガ造りのドック「浦賀ドック」(ちなみにもう1ヶ所も同じ浦賀の川間にある:世界でも5ヶ所しかないのに)もあるという歴史を感じさせるエリアもある。

 

 この「MEGURU Project」は、この浦賀の地をみてもらおうという企画である。今後の「ルートミュージアム」計画がうまくいくかの試金石として実施されているパイロット的な企画なのだと思う。このブログを読んで興味を持たれた方は、1月までやっているので関連のHPをのぞいていただきたい。

 

 さて、浦賀である。ペリーが幕末に来航した折、川と間違えたほど奥に入りこんだ湾。その奥に浦賀ドックが造られた。この湾によって、町は東西に分断されちょっと独特な地域性をもっている。まことしやかにいわれているのは、京急本線の終点がこの「浦賀」なのだが、京急を久里浜へ延伸しようと計画を立てたとき。人がそっちへ流れると大反対。結果として、いくつか手前の「堀ノ内」から久里浜線が延伸、現在では三崎口まで京急は走りそちらの沿線は栄えている。一方の浦賀は、コンビニこそあるもののファーストフード(バーガー系も牛丼系も)もファミレスもない。回転寿司はあったな。さびれてしまった感は否めない。

 加えて、住友が造船事業を集約し、この浦賀ドックは使われなくなった。昨年、この浦賀ドックが市に寄付されたあたりから、横須賀市の観光振興計画は始まったのではないだろうか。

 長く前段を書いてしまったが、観光の拠点としての浦賀の再生、これもこの計画の一部な気がする。この「MEGURU Project」は、簡単にいえばこれまで民間の所有であったために一般に公開できなかった「浦賀ドック」を軸に周辺の戦争遺構なども含めて市・京急・トライアングル(軍港めぐりや猿島便を運営)などが手を組んプロジェクト。

 私の住む馬堀海岸からは一駅、常々散歩で歩いてきた浦賀の新しい一面がみたいと、このイヴェントに参加をしてきた。

 

 10月24日(日) 京急線に乗り、浦賀へ。「浦賀ドックと千代ヶ崎砲台跡ガイドツアー」に参加をしたい。事前予約を取っていないために、当日チケットを購入するしかない。販売開始時間が書いていないために、ツアーが9時30分スタートなので9時くらいには売るのではとあたりをつけてみた。一般公開が前日から始まった浦賀ドック横にテントがあり、ここでチケットが売られるようだ。日に2回実施されるこのツアーの定員は各回15名。8時30分過ぎに到着すると5番目。で、係員の方がどのチケットを購入するか確認を始める。

 この日 用意されたのはこの「浦賀ドックと千代ヶ崎砲台跡ガイドツアー」の他に、「浦賀ドックガイドツアー」と「開国クルーズ」。それぞれに定員がある。どうやら私が並んで10分後くらいには「砲台跡」を含むツアーは一杯になった様子だ。

 このツアーに参加しなくても、実はドックを上から見学できる。しかし、ガイドツアーに参加するとドックの下までおりられるのだ。ちょっとどころではなくかなり楽しみ。

 

 チケットを無事購入。

 

 

 ツアーが始まるまでは自由に見学。いつも塀の外からみていたクレーンを間近に。この横にもう1つあったクレーンは解体されてしまった。

 

 

 これもツアー前に撮影。このあたりはチケットがなくても見学ができる。

 

 そして集合時間。

 

 

 こんなガイド用の装置を渡され、イヤフォンを耳へ。ガイドの方の声がこれを通じて届く。まずは、ドックの周りをグルリと。この造船所全体についての説明と、敷地内にある他のドック ドックの構造と役割についてなど、初めて聞く話も多い。何より、じかに現物をみながら聞いているのでわくわくが止まらない。

 

 

 先ほど書いたようにドックの側面はレンガが積まれている。おりるために用意された階段もたくさんついている。が、このほとんどはもう使われていない。

 

 

 左奥の壁の向こう側が海。そして右側の壁にはレンガがないが、これは作業の大将うとなる船が近代になって大型化したことに伴ってドックをのばしたからなのだそうだ。

 

 

 その海とドックを隔てる壁の上をいく。チェーンが張られているが、さすがに自由にしては危険度があるということでガイドツアー時以外はここは通行不可。わかると思うが左側は浦賀湾だ。ドックに注水をしたのち、この壁を海側に倒して船舶を中に入れる。その後 壁を戻し、水を抜いて作業に入るという段取りを取る。注水に要する時間は約4時間とか。

 

 

 ドックの反対側からその壁を臨む。この黄色い箱状の装置には2本の糸が張られている。これをみながらまっすぐに船が入ってくるように誘導をするのだそう。

 

 今日は前段を書きすぎた。明日は、ドックの底へ。すぐ上の写真の右側にみえる白い階段を使う。