横須賀海軍カレー本舗ベイサイドキッチン | 酒と散歩の日々                                               

 一昨日に続いて、カレーの話だ。海自や米軍の基地が臨める横須賀港の畔に「Coaska(コースカ)」というショッピング施設がある。確かイオンが母体(昔はダイエーだった)で、昨年リニューアルオープンしてこの名になった。

 その1Fに昨年の秋 「横須賀海軍カレー本舗ベイサイドキッチン」がオープンした。

 

 なぜ横須賀でカレーか、なぜ海軍カレーか。これは次のような歴史的な事実に基づく。

かつて帝国海軍の艦船では土曜日の昼飯にカレーが出るという習わしがあった。これは艦船上で曜日の感覚がなくなるのを防ぐ目的と、半ドンで休みとなる土曜日にさっと飯を書き込んで水兵さんたちが遊びにシャバへ飛び出したという実利があったらしい。

 さらにさかのぼれば、一皿で完全に栄養がバランスよく取れるカレーライス(これに牛乳がつけられたらしい)が海軍の食事として採用されたのがきっかけで、兵役を終えた地方の若者たちがハイカラなカレーを地元に持ち帰って、各地で広めたそうだ。だから日本人はカレーライスが好きなの(インドの方が日本食であると勘違いしたという笑い話すらある)。

 

 この伝統は、海上自衛隊にも引き継がれた。ただし、週休二日化に伴いカレーの出る日が金曜日に移動したのだそうだ。現在でも金曜日はカレーライスなのだ。

海上自衛隊では各艦船ごとにそれぞれ工夫を凝らしたカレーのレシピをもっている。特に潜水艦では、一旦任務について潜ってしまうと食べる以外に楽しみがなく、腕のいい調理担当がいるらしい。嘘かホントか着任する艦長の腕の見せ所は、いい調理員を連れてこれるかなんて話も聞いたことがある。

 

 さて、その海自の基地ある横須賀では、その海自の艦船ごとのカレーの味を競うグランプリが開かれたり、そのレシピを市内の飲食店がもらって普通に提供したりと、いわゆるB級グルメとしてPRをしてきた。あわせて、牛乳やサラダとセットにした当時のレシピを使ったカレーを「海軍カレー」として売り出してきた。

 

 やっと本題に戻る。

 

 

 その海自カレーなどをビュッフェスタイルで提供するのがこの「横須賀海軍カレー本舗」。1980円とちょっとお高めだけど話のタネに入ってみたのだ。

 

 

 店内装飾として、潜水艦の模型が置いてある。またがっているのは、スカレーちゃん。

観艦式か何かのVTRを流すモニターもある。

 

 

 こんなプレートがあって、いろいろと取ってきた。カレーは「よこすか海軍カレー」だったかな。「海軍割烹術参考書」(明治41年)にあるカレイライスのレシピを元に現代風にアレンジしたんだって。

 揚げ物なども置いてある。空揚げは、海自のカレー人気がジェラシーのか空自が各基地ごとの味付けで売り出そうとしているらしい。空自だから空揚げ(空上げと書いてあった)・・・安直だ。

 もちろん牛乳もサラダも取り放題。

 

 

 カレーはこんな風に用意されている。この日は、「海上自衛隊東京音楽隊チキンカレー」もあった。

 

 

 ただ、2度目に取ってくる前にほぼ満腹。明らかにのせられている量が違う。カレーも「海自カレー」と「音楽隊カレー」の合いがけだもの。

やっぱ1980円分喰うのは難しいよ。

 

 

 以外と美味かったのは、この入港ぜんざい。おそらくアレンジしたものだろうけど、美味かった。本当に艦船が入港する日に船で出されるのだそうだ。

 

 

 だから、このぜんざいのお代わりとあとソフトクリームね。コーヒーも海自スタイルで一度焙煎してあったものを入れる前にもう一度豆を炒るのですと。そのため苦みが強くて、デザートによく合う。カップもさ、「照月」がデザインされていてちょっとカッコいい。

 このカップほしいな。