「御滝神社」は、昨日紹介した八幡神社から、ずっと奥へ入ったところにある。住宅街を少し歩くと、少しずつ畑が広がった風景となる。地名でいうと、久村とよばれるあたりだ。自分が子供の頃は、こんな風景も横須賀では当たり前のものだったと、ちょっとノスタルジー。
説明によれば、平安もまさに終ろうとする頃、瀧口五郎盛定の郎党 捨平が老桜にからみついた蔓を抜き取ったところから清泉が湧きだして滝となり、水不足に悩む久村の民を救ったという。
捨平はこの地の名主となり、瀧本盛兼と名乗る。のちに枯れてしまったその桜から盛定の像を彫り、祠として祀ったのが、この神社の縁起となる。主祭神は、その盛定。
かつては、この神社の裏に湧水があり、それを利用してアユの養殖まで行われたらしいが、現在は埋められてしまってその様子はみられない。
質実な感じの社。狛犬も非常にわかりやすい場所に鎮座している。
立派な額があがっていた。
親しみのある顔立ちの狛犬。同じ市内の走水神社や安房口神社の犬たちと似ている。ちょっと横にひしゃげたような顔立ちは、同じ石工の作なのだろうか。
作られた年代を調べてみた。
この御滝神社の狛犬は、文政5年(1822年)。走水神社のは、弘化4年(1847年)、安房口神社のは、嘉永4年(1851年)。ちなみにこの2つの神社の狛犬は同じ石工 新吉の作。
年代的にみると、新吉の作とみるのは難しいか。しかし、関係者の可能性もあるなぁ。
ほっとするいい顔。いいなあ。
庚申塚も境内の片隅に。多分、この周辺にあったものをまとめた様子。
縦に並ぶ三猿は、初めてみた。
ちなみにこの御滝神社、「みたきじんじゃ」とよぶ。