先月23日「さくらFM」に出演したときのこと。
宍粟の詩人西川保市さんの詩集『大切な人』からわたしの好きな詩をたくさん朗読したのだが。
小さなミスは何カ所かあったが、一つ大きなミスをしているところがあった。
読んでいてすぐにミスに気付いたのだが、訂正せずにそのまま読んだ。
「物差し」という詩。
その出だしの第一連は次の通り。
朝の食事をしていると
なんの前触れもなく
上の差し歯が一本
ポロっと欠ける
しかしわたしはこの三行目を読み間違った。
上の差し歯が
ポロっと欠ける
一本
「一本」を後ろに回したのだ。意識せずにこう読んでしまった。
間違った時はすぐに訂正するのだが、敢えてしなかった。
録音を聞いてみた(30分過ぎ)が、もしかしたらこれの方が良かったのでは?と思ったりしている。特に朗読するときには。
『完本・コーヒーカップの耳』面白うてやがて哀しき喫茶店。
『触媒のうた』楽しい文学史秘話が満載。