「鶺鴒」11号 | 喫茶店の書斎から

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コーヒーカップの耳

神戸の詩人、江口節さんからお贈りいただいた詩誌「鶺鴒」11号です。


18人の同人が作品を寄せておられます。
みなさん素朴な詩風で穏やかな心で読ませて頂けます。
1篇、短い作品を紹介しましょう。
山口芳徳さんの「「詩人」」です。
タイトルにことさらカギカッコがついてます。
 
     「詩人」

   入院して三日目に一編の詩ができた

   嬉しかった

   病院に入ってから詩が書けたら

   「詩人」だ となぜか思った


   そしたら 「詩人」になれば

   いつかは多分よい「しにん」にも

   なれるやろ と思えた

   嬉しかった



わたしにも昨年、入院経験があります。
そして、詩作品も出来ました。
が、このような感慨は起こりませんでした。
そうか、「詩人」になれば、よい「しにん」になれるのか!
ここにきて、カギカッコの意味がおぼろげに解る。