『閉じ込められた僕』読了 | 喫茶店の書斎から

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コーヒーカップの耳

昨日から読み始めた『閉じ込められた僕』だが、

一気に読み終えた。
辛い内容だったが、救いもある。
こんな日記がある。

  「前向きの理由」

前向きですねと

言われることに

違和感がある

前以外に

どこを向くのだろう


こんなユーモアもある。

  「セクハラ冤罪」
ヘルパーさんに入浴剤の準備をしてもらっているときだった。
「着替え、これでいいですか?」
と聞かれたのだが、首をそちらに動かせなかったので、
「下着、何色?」
と聞いてみた。すると真顔で
「私ですか?」
と言われ、噴き出した。
いくら若くて可愛らしい女性とはいえ、あなたの下着が黒だろうが紫だろうがベージュだろうが勝負だろうが、俺には興味ない。
もう少しでセクハラの冤罪をかぶるところだった。冷や汗。


しかしやはり、しんどい記述が続く。
胸塞がれる思いになる。
細かい内容は略す。みんなに読んで頂きたい本ではある。
最後にこうある。

  「時間がもったいない」

人を少しずつ理解して

だんだん好きになっていくことをやめた

探りを入れない 疑わない

そんな時間はもったいない

いきなり大好き

Ilove you more.


昨日夕方から読み始めたのだが、昨夜は将棋会があったり、原稿を書いたり、
結構ほかのこともしなければならなかった。
しかし、この本、読みやすい文体だったので、集中して読んでしまった。
著者の藤元健二さんは、文章力が素晴らしいと感じた。
こんなのを視線入力装置で書くって、凄いことだと思う。
よほどの精神力がなくてはだめだろうう。尊敬する。

この病気のことだったんです、あの「アイスバケツチャレンジ」は。
あれによって大きく世界に認知が広がったのでした。
なんとかこの難病、「ALS」、治せるようにならないのだろうか?
この本を読めば、本当になんとかならないのだろうかと思ってしまう。