ニカラグァ米 12 | 喫茶店の書斎から

喫茶店の書斎から

コーヒーカップの耳

わたしが子どもだったころの話のつづきである。
お地蔵さんの北隣が野田利之助さん、その隣が湯浅さん、そして蓑田実さん。
蓑田さんの隣に金澤さんがあった。当主のお名前は栄吉さんだったかな?今のご主人、靖夫さんは二男さんである。ご長男の光男さんは外へ出て独立された。
さて、栄吉(?)さん。お仕事は覚えていない。細みの身体で背が高く、頭をいつも短く刈りあげておられて、職人肌だったと思う。お話をゆっくり交わした覚えはない。
この人、ちょっと短気だったと思う。ある年の地蔵祭りの準備の時(わたしはまだ世話方になっていない頃)、何かトラブルがあって怒って帰ってしまわれた。以来この人は地蔵さんのお世話はなさらなかったと思う。要するにヘンコツだったのですね。良くいえば一本気。かわって他のご家族が出られるようになり、今は、靖夫さん夫人がなさっておられる。
昔は地蔵さんのことでのトラブルが多かった。
ご長男の光男さんは写真屋さんになられた。たしか御影にお店を持たれていた。
で、うちの父親が死んだ時、告別式をこの人に撮影して頂いた。今もその写真が残っている。

つづく